オーブ県がシャンパーニュエリアと認定されてから20年が経った1947年、「ポール・ダンジャン・エ・フィス」が誕生した。

 当時はマイナーな地域だったこともあり、市場開拓が難しく、栽培したブドウをエペルネなどにある大手メゾンに販売していたが、徐々に名前が知れわたり、今は54ヘクタールを所有するネゴシアン・マニピュランとして知られている(複数の親類で分割経営している。実質はレコルタン・マニピュラン)。

 現在は5代目のジャン・バティスト・ダンジャン氏が活躍。代々除草剤などは使わずに栽培を行ってきたが、2018年には「テラヴィティス」認証を受け、栽培・醸造と、一貫して自然なワイン造りを目指している。

 メゾンには、初代のポール・ダンジャン氏から続く伝統的なシャンパーニュと、現在のジャン・バティスト氏たちが始めた革新的なシャンパーニュがある。前者の代表は『キュヴェ・ジャン・バティスト NV』『カルト・ノワール NV』など。『カルト・ノワール NV』は最良区画のブドウの一番搾りだけで造る。残糖は1リットル当たり3グラムと少ないが、果実の甘さが感じられ、やさしい飲み心地だ。

 ジャン・バティスト氏ら新しい世代が造ったシャンパーニュは『キュヴェ・ナチュール NV』『キュヴェ・47 NV』など。『キュヴェ・ナチュール NV』はSO2を添加せずに造る、ナチュラルなシャンパーニュ。リンゴなどの甘い香りが漂い、しっかりとした酸味と骨格が感じられる。『キュヴェ・47 NV』は2010年~2015年のワインをソレラシステムでブレンドして造る。

 「ヴィンテージの特徴ではなく、セル・シュル・ウルスという土地の個性と力強さを表したかった」とジャン・バティスト氏。リキュールを思わせる熟成した香りと、キンメリジャン土壌からくるしっかりとした果実味と骨格が感じられる。しかしどのキュヴェも、ジャン・バティスト氏が語るメゾンが貫くスタイル「上質な果実味、縦に広がる味わい、重すぎないエレガントな風味」が表現されている。

画像1: 「ポール・ダンジャン・エ・フィス」の新しい挑戦

『カルト・ノワール NV』
品種:ピノ・ノワール
参考価格:7040円

画像2: 「ポール・ダンジャン・エ・フィス」の新しい挑戦

『キュヴェ・47 NV』
品種:ピノ・ノワール
参考価格:1万5300円

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