ポール・ホブス氏は、1978年に「ロバート・モンダヴィ・ワイナリー」でワインメーカーとしてのキャリアをスタート。翌79年に「オーパス・ワン」のチームに配属され、81年には醸造担当のヘッドに。その後「シミ・ワイナリー」を経て、ニューワールドの醸造コンサルタントとして、チリやアルゼンチンなどでも活躍。そして、91年に「ポール・ホブス・ワイナリー」を設立した。  

DNAは変わらないが、環境によって変化はする

「120ヘクタールある畑のうち、約20ヘクタールはナパに、残りの約100ヘクタールはソノマにあります。中心は、クオリティコントロールができる自社畑です。契約畑は創立の時からのハイド・ヴィンヤードを含む三つあります」とホブス氏。

画像: DNAは変わらないが、環境によって変化はする

「ワインにはそれぞれの畑の個性が出ます。クローンの個性もありますが、同じクローンを使用しても、それぞれの畑に育つブドウは違い、ワインに現れる色、香り、味わいは異なります。土壌の個性がワインに反映されるのです。DNAは変わらないけれど、環境によって変化はするのです」

AVA違いのカベルネ・ソーヴィニヨンを試飲

画像1: AVA違いのカベルネ・ソーヴィニヨンを試飲

 AVA(アぺレーション)違いのピノ・ノワールとカベルネ・ソーヴィニヨンを三つずつ試飲した。カベルネ・ソーヴィニヨンはセント・セレナ、オークヴィルそして、2011年に承認された新しいAVAのクームズヴィル、すべてナパ・ヴァレーにある畑だ。

画像2: AVA違いのカベルネ・ソーヴィニヨンを試飲

 セント・セレナの『ポール・ホブス カベルネ・ソーヴィニョン ベクストファー・ドクター・クレイン・ヴィンヤード セント・ヘレナ ナパ・ヴァレー 2015年』は、三つの中では一番暖かい産地。赤い果実のニュアンスがある。エレガントな果実味と緻密なタンニンがあり、シルキーかつパワフルなワイン。

画像3: AVA違いのカベルネ・ソーヴィニヨンを試飲

 続いて、オークヴィルの『ポール・ホブス カベルネ・ソーヴィニョン ベックストーファー・ト・カロン・ヴィンヤード オークヴィル ナパ・ヴァレー 2015年』。
「このト・カロンの畑は、本当に素晴らしい唯一無二の場所です。果実味、タンニン、骨格など、すべての要素が一つのバランスとして存在している」とホブス氏。
赤果実と黒果実、両方の要素を兼ね備え、香りは一度深呼吸して吸い込んだだけでは、すべて取り切れないほど。透明感と重厚感、肉厚なタンニンとこなれたタンニンが、バランスよく溶け込んでいる。余韻もとても長く、いつまでも、この余韻に浸っていたいほどだ。

画像4: AVA違いのカベルネ・ソーヴィニヨンを試飲

 クームズヴィルの『ポール・ホブス カベルネ・ソーヴィニョン ネイサン・クームス・エステート クームズヴィル ナパ・ヴァレー 2014年』は、濃厚な黒果実のニュアンスをダイナミックに感じる。噛みしめるような果実味と、ココアの粉のように舌にまとわりつくタンニン、バランスのよい酸味が、口中で複雑に広がる。

 三つのワインに共通しているのは、タンニンの質感だ。

「私が造りたいカベルネ・ソーヴィニヨンのワインは、しっかりとしたタンニンがあり、骨格も感じるものです」とホブス氏は語った。

ワイン取り扱い:ワイン・イン・スタイル㈱
☎03-5413-8831

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