画像1: カリフォルニア、スパークリングワインのパイオニア「シュラムス・バーグ」のベースワインを試飲する

カリフォルニア州で最も有名なスパークリングワインメーカーの一つ「シュラムス・バーグ」。オーナーのヒュー・デイヴィーズ氏が来日し、セミナーを開催した。

シュラムス・バーグは1862年にドイツ人によって、ナパ・ヴァレーに設立されたワイナリー。1965年、禁酒法により廃業していたワイナリーをジャックとジェイミー・デイヴィーズ夫妻が購入し、再建させた。ピノ・ノワールとシャルドネを植え、スパークリングワイン造りを開始する。このワインが脚光を浴びたのが72年のこと。ニクソン大統領が訪中した際の公式晩餐会で振舞われたのをきっかけに注目が集まり、ホワイトハウスご用達となったのだ。

「それから、有名なシャンパンハウスが買収を持ち掛けてきたこともありますが、私たちは家族で経営していくことを決め、一貫して瓶内2次発酵のスパークリングワインを造り続けています」

畑は自社畑、自社管理畑、契約農家の合計200ヘクタール、120区画のブドウを使用。区画ことに仕込み、300ロットのワインを醸造。これをすべて試飲しながらアサンブラージュする。ブドウは全房をプレスし、ステンレスタンクで発酵、1部はマロラクティック発酵する。ボトリング後、瓶内2次発酵は約1カ月、その後、『ブラン・ド・ブラン』で2年、『ブラン・ド・ノワール』は3年、フラッグシップの『ジェイ・シュラム』は8年間瓶内熟成する。

今回は『ジェイ・シュラム 2018年』の原酒をテイスティングするという、またとない機会に恵まれた。

テイスティングしたベースワインは以下の通り。

①ステンレスタンク/ダットン・ウィンクラ―・ヴィンヤード/シャルドネ
砂質土壌。果実味が豊富で柑橘類やパイナップルのような香り。

②ステンレスタンク/ホーク・ヒル・ヴィンヤード/シャルドネ
①のワインより収穫が1週間遅かった。硬く、シャープな印象。海風を感じる味わい。

③ステンレスタンクベースワイン/ホーク・スカイウォーカー・ヴィンヤード/シャルドネ
レモンの皮を擦ったような香り。引き締まった酸があり長期熟成向き。

④樽ベースワイン/キーファー・ヴィンヤード/シャルドネ
若干ほろ苦さを感じる

⑤ステンレスタンク/レディング・ランチ・ヴィンヤード/ピノ・ノワール
深みを与えるためにピノ・ノワールをブレンド。凝縮感があり、完熟しはじめたイチゴやラズベリー

⑥ジェイ・シュラム・ベース・ブレンド(①~⑤のほかの、別キュヴェもブレンドされている)
シャルドネ82パーセント、ピノ・ノワール18パーセント。樽熟成したワインが35パーセントを占める。レモンやライム、焼きリンゴのような香りがある。赤い果実やネクタリンの要素も。酸が際立っている。

これを瓶内2次発酵したのが完成品『ジェイ・シュラム 2018年』。果実の重心が高く、キャンデーのようなニュアンス。フレッシュな味わい。ドザージュ0.05g/100㎖。

区画の違い、またそれによりもたらされるスタイルの多様性が一つのワイン造りにおいていかに重要なのかを理解することができるセミナーだった。

画像: テイスティングしたベース・ワイン

テイスティングしたベース・ワイン

画像2: カリフォルニア、スパークリングワインのパイオニア「シュラムス・バーグ」のベースワインを試飲する

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