「テヌータ・ルーチェ」の新ヴィンテージ『ルーチェ 2017年』が初お披露目となった。このヴィンテージは、ルーチェのファーストヴィンテージである1993年から数えてちょうど四半世紀の節目の年にあたる。ルーチェの哲学を想起させるヴィットリオ・フレスコバルディ氏の言葉を描いた、25周年記念の限定パッケージボトルでリリースされた。

『ルーチェ』とは

 ルーチェは、イタリアのトスカーナ州で700年以上続く名門フレスコバルディ家のヴィットリオ氏と、カリフォルニア・ワインの父と名高いロバート・モンダヴィ氏のパートナーシップにより、モンタルチーノで初めてサンジョヴェーゼとメルロをブレンドして造られたワインである。

 サンジョヴェーゼの骨格と気品、メルロの柔らかさとまろやかさが見事に調和したルーチェ。2005年よりヴィットリオ氏の息子、ランベルト氏が志を受け継ぎ、舵を取ってきた。

ルーチェが生まれるテロワール

 ルーチェの畑はトスカーナ州モンタルチーノの西エリア、カステルジョコンドの程近くにある。標高350~450mとモンタルチーノの生産エリアでは標高が高く、日当たりも非常に良い。ティレニア海からの海風が入り込み風通しが良いため、ブドウはゆっくりと健全に成熟することができる。

暑く乾燥した2017年、収量は減ったものの質の良いブドウを収穫

 2017年は記録的に暑く乾燥した年であった。モンタルチーノの生産者たちは、春には霜、夏には高温と干ばつに苦しめられた。そのため収穫量は減ってしまったところが多い。ルーチェも生産本数は1割ほど減産となった。しかしながら収穫できたブドウの状態は素晴らしく、粘土質土壌で栽培されているメルロは、土壌がブドウに必要な水分を十分に蓄えストレスのない成育環境で成熟し、またメルロを収穫した後の9月中旬に降った雨により、サンジョヴェーゼは9月末に非常に良い状態に完熟した。

『ルーチェ 2017年』をテイスティング

画像: 『ルーチェ 2017年』 品種:メルロ、サンジョヴェーゼ 希望小売価格:2万円(税別)

『ルーチェ 2017年』
品種:メルロ、サンジョヴェーゼ
希望小売価格:2万円(税別)

 外観は深く濃いルビーレッドの色調で濃縮した印象。グラスを鼻に近づけると、ややスモーキーさがあり、完熟したラズベリー、ダークチェリー、赤や黒のプラムが香る。華やかな印象の赤いバラ、ヴァニラやクローヴ、甘草などのスパイス、ミルクチョコレートの香りが互いに溶け合い、さらに豊かさを増す。

 口中では、完璧に熟した新鮮な果実が弾け、ジューシーな果実味を楽しめる。最初はやさしく、後半にかけて盛り上がっていくしなやかな酸、厚みのあるタンニンは表面がきめ細かく整えられた印象で、余韻にはビターチョコレートのようなほろ苦さがある。丸味がありふくよか、温かみがあり親しみやすく、日向で明るく微笑みかけてくれる女性のような魅力を感じるワインに仕上がっている。

 このルーチェとともに厚切りの牛サーロインのグリルを赤ワインソースでいただいたら最高だ。和食なら、すき焼きや、甘辛いしょうゆダレを絡めた鶏つくね、鴨の照焼きが浮かぶ。チーズやナッツ、ビターチョコレートなどをつまみながらワインとじっくり向き合うのもいい。

「ルーチェ25章の旅をどうぞお楽しみください。そしてこれからも一緒にルーチェの旅を続けましょう」
ランベルト・フレスコバルディ氏より

問い合わせ先:日本リカー㈱
https://www.nlwine.com/

text by Miki WAKAHARA

若原美紀(わかはら みき)
「アンティカ・オステリア・デル・ポンテ 東京店」ソムリエ。JSA 認定ソムリエ・エクセレンス。
第 9 回「イタリアワイン・ベスト・ソムリエ・コンクール(JET CUP)」優勝、駐日イタリア大使館公認イタリアワイン大使。ワインセミナーの講師、ワイン関係書籍のテイスターやライター、また声優・ナレーターとしても活動する

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