イタリア北部、ロンバルディア州とヴェネト州にまたがるワイン産地ルガーナ。この産地のワインを保護、プロモートする「ルガーナ協会」は今年30周年を迎え、3カ月にわたり祝賀イベントが行われた。注目されたのはミラノで行われた「時間を超えた調和」と題された大試飲会と、ルガーナの産地の中心シルミオーネで行われた古いヴィンテージ(最も古いものは1995年)の試飲会だ。ルガーナ協会会長のエットレ・ニコレット氏は「この30年でルガーナは大きく発展した。このワインの偉大な潜在力に生産者も消費者も気付いた。注目すべきは長期熟成能力の高さで、それを強調するために1998年にはスペリオーレ、2011年にはリゼルヴァというカテゴリーが誕生した」と話す。販売量も2018年は1750万本、2019年は2200万本、2020年は2300万本(予定)と目覚ましい伸びを示している。輸出も好調で、生産量の80パーセントが輸出される。

画像1: 成長目覚ましいワイン産地ルガーナの魅力

 この成功の背後にあるのは優れたテロワールだ。イタリア最大の湖ガルダの南湖畔に広がる氷堆石平野がルガーナの産地だ。氷河が運んできて堆積させたミネラル豊かな土壌で、粘土が多い。さらに南の丘陵は丸い小石や砂利の多い典型的氷堆石土壌。ガルダ湖の北東にあるドロミティ山塊が寒い北風を防ぎ、大きな湖が温度差を和らげるので、ルガーナ産地の気候は温暖で、ブドウは見事に成熟する。品種はトゥルビアーナ(トレッビアーノ・ディ・ルガーナ)で、酸とミネラルが強いことが知られる。

画像2: 成長目覚ましいワイン産地ルガーナの魅力

 ルガーナ・ワインの特徴は何といっても強靱な酸とミネラル、そして勢いのある味わいだ。香りは白い花や柑橘類を感じさせ、フレッシュで、みずみずしく、時には塩っぽさを感じさせる。食卓で真価を発揮するワインだ。

 ルガーナ・ワインには五つのタイプがあり、ベースのルガーナはさわやかで心地いいワインだ。スペリオーレは最低1年熟成させたもので、アロマと果実味が華やかになる。今注目されているリゼルヴァは熟成期間が最低2年(うち6カ月は瓶熟成)で、香りは複雑になり、熟した果実(洋梨、パパイア)にスモーク香や火打ち石のニュアンスが混ざる。味わいは包み込むような柔らかさが出てきて、果実の奥に感じられる塩っぽさが実に魅力的だ。魚介類だけでなく、肉料理にも合う、ワンクラス上のルガーナである。ヴェンデンミア・タルディーヴァは10月末から11月初めに遅摘みしたブドウを使って造られる。スプマンテにはさわやかで心地いいシャルマ方式のものと、複雑で品格のある瓶内2次発酵方式がある。

ルガーナは長期熟成能力が高く(ベースのルガーナも)、幅広い食事にマッチする。もちろん和食との相性も最高である。

text by Isao MIYAJIMA

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