ローヌ渓谷の最南に位置する産地コスティエール・ド・ニーム。地中海やカマルグ湿原などの影響を強く受けるエリアで、約3680ヘクタールという広い畑を有する。小エリアごとに現れる土壌や気候の違い、そしてワインの味わいを、コスティエール・ド・ニームワイン生産者組合の協同代表ファニー・モリニエ・ボワイエさんと、地質学の専門家で酒店を営む坂本雄一氏が説いた。
 コスティエール・ド・ニームは標高10~150メートルほどに広がるエリアで、地中海性気候が広がる。国内で最も日照が良いと言われ、年間を通して風が吹き常に乾燥している。陸から海に向かって吹くミストラルは暖かい風を、海から陸に向かって吹くマランは冷たい空気を運び、ワインにミネラルやヨードの香りを与えるという。
 主に石灰岩や花崗岩が風化してできた粘土質の上に、砂や礫が広がっている。砂と礫はフレッシュさを、粘土質は力強さをワインに与える。生産されるワインの55パーセントが赤ワインだ。
セミナーでは産地の北部、中央部、南部の3か所の畑で造られるワインを試飲し、その特徴を紹介した。
 最初のワインは中央部の畑で造る『サフラネ 2017年』(シャトー・グラン・エスカリオン)。産地の中でも最も古い時代の粘土質が混ざり、甘いアロマと酸味やスパイスを感じる、複雑なワインだ。

 次は南の方で造られる『デニム・バイ・ボーボワ 2018年』(シャトー・ボーボワ)。礫が多い畑の、明るいキャラクターのワインだ。地中海から吹く風の影響もあり、フレッシュで軽やかなイメージもある。

 そして北部で造られる『ラ・ソムリエール 2016年』(シャトー・ド・カンプジェ)。北から海に向かって吹くミストラルの影響を受ける暑い産地。砂礫の下に粘土が広がる、複雑な土壌を形成している。ワインは熟成が進んでおり果実味は影を潜め、煮詰めた果実の凝縮感やスパイスが表れている。

 複雑に形成された土壌と気候、標高による違いがさまざまな個性があることがわかる。
 「コスティエール・ド・ニームのワインは季節とともにある」とボワイエさんは語る。

 季節ごとに合うワインがあり、食事とともに楽しんでほしい、そんなメッセージを伝えてくれた。

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