ブルゴーニュの「オスピス・ド・ニュイ・サン・ジョルジュの競売会」が3月14日にクロ・ヴージョで開かれ、前年より19パーセント多い192万ユーロの落札額で過去最高を更新した。

画像: 「オスピス・ド・ニュイ・サン・ジョルジュ競売」会場のクロ・ヴージョ

「オスピス・ド・ニュイ・サン・ジョルジュ競売」会場のクロ・ヴージョ

 オスピス・ド・ニュイ・サン・ジョルジュの競売会は1961年の第一回目から数え今回で60回目。1851年に始まり昨年12月に第160回目の競売会を行ったオスピス・ド・ボーヌと同様、寄贈ブドウ園で造られたワインを競売し収益を得ている。

画像1: 「オスピス・ド・ニュイ・サン・ジョルジュの競売会」を開催。落札額が過去最高を更新

 しかし、世界的に知られたグラン・クリュ、プルミエ・クリュを含む合計60ヘクタールのブドウ園を所有するオスピス・ド・ボーヌに対して、オスピス・ド・ニュイ・サン・ジョルジュのブドウ園はほとんどがアペラシオン ニュイ・サン・ジョルジュ・プルミエ・クリュで、面積も12.6ヘクタールと小さいためメディアに取り上げられる機会が少なく、これまであまり知名度が高くなかった。しかし、コート・ド・ニュイ赤は近年需要が増大し価格が高騰しているため世界市場での注目度が徐々に増している。

 今回競売にかけられたキュヴェ(228リットル)は赤112樽、そして唯一の白(『ニュイ・サン・ジョルジュ・プルミエ・クリュ、レ・テール・ブランシュ・キュヴェ・ピエール・ド・ペーヌ』)2樽、合計114樽で、前年の121樽に比べ少なかったが、1樽当たりの平均落札価格は前年の13,179ユーロより28パーセント高い16,868ユーロとなったため、落札合計金額は過去最高の1,923,000ユーロ(約2億5000万円)となった。

画像2: 「オスピス・ド・ニュイ・サン・ジョルジュの競売会」を開催。落札額が過去最高を更新

 特に、落札金全額が、パスツール研究所のコロナ変異株研究資金として寄贈される特別慈善キュヴェ『ニュイ・サン・ジョルジュ・プルミエ・クリュ《レ・サン・ジョルジュ》』一樽は49,380ユーロと過去最高金額で落札された。

画像: 第60回オスピス・ドニュイサンジョルジュ競売会、特別慈善キュヴェ『ニュイ・サン・ジョルジュ・プルミエクリュ、《レ・サン・ジョルジュ》』

第60回オスピス・ドニュイサンジョルジュ競売会、特別慈善キュヴェ『ニュイ・サン・ジョルジュ・プルミエクリュ、《レ・サン・ジョルジュ》』

 競売単位はこれまで樽単位が基本だったため一般ワイン愛好家の参加は難しかったがネゴシアン、メゾン・エドゥアール・ドゥロネが今回初めて2ケース単位での申し込みを受け付けた。また、20年来、オスピス・ド・ボーヌの最大の落札業者として知られるネゴシアン・アルベール・ビショーは、オスピス・ド・ニュイ・サン・ジョルジュの競売会でも全体の17パーセント、18樽、金額にして325,000ユーロを落札し、第一の買い手となった。

画像: 個人向け販売を始めた「メゾン・エドゥアール・ドゥロネ」のロラン・ドゥロネ氏

個人向け販売を始めた「メゾン・エドゥアール・ドゥロネ」のロラン・ドゥロネ氏

画像: オスピス・ド・ニュイ・サン・ジョルジュ競売会2021の模様

オスピス・ド・ニュイ・サン・ジョルジュ競売会2021の模様

This article is a sponsored article by
''.