緯度が高く、秋に雨が少ないドイツでは、ブドウがゆっくりと成熟することで上質な酸とアロマに溢れたワインが出来上がる。
そんなドイツワインはエレガントでフレッシュ、食事ともよく合う。
かつての「甘口白ワイン」のイメージを脱ぎ捨てた現代のドイツワインを表現する特別なセレクション「ベスト・オブ・ドイツワイン」。
驚きと発見が詰まった新しい世界へようこそ!

進化を続けるドイツワイン
時代と調和するモダンなスタイルへ

ドイツワインは大きく進化している。かつてのイメージをガラリと変えるフードフレンドリーな辛口白ワインや、国際市場で注目される赤ワインが多数登場。そんなドイツワインの「今」を表すセレクション「ベスト・オブ・ドイツワイン」。気鋭のテイスターが、試飲を通じて感じた“最新のドイツワイン”を語る!

■テイスター紹介

近藤佑哉氏/Yuya KONDO 「銀座レカン」シェフソムリエ

「グラウブルグンダーは肉厚な印象と質の高い酸で食中酒にぴったり!」

山本昭彦氏/Akihiko YAMAMOTO ワインジャーナリスト

「シュペートブルグンダーをはじめ、赤ワイン全般に可能性を感じます」

山田琢馬氏/Takuma YAMADA パレスホテル東京「グランド キッチン」ソムリエ

「合わせる料理がたくさん浮かびました。家飲みでも大活躍しそう!」

情野博之氏/Hiroyuki SEINO 「アピシウス」シェフソムリエ

「リースリングの多くがモダンな辛口。雑味のないピュアさが魅力です」

寺田泰行氏/Yasuyuki TERADA 「水新はなれ 紅」オーナー・ソムリエ

「ビオ認証ワインは、凝縮した旨味が、和食やアジアンによく合います」

望月理恵さん/Rie MOCHIZUKI フリーアナウンサー

「リースリングのゼクトは上品で華やか。パーティーに持って行きたい!」

大葭原風子さん/Fuko OYOSHIHARA 「Cellar Door Aoyama」ソムリエ

「赤は心地よく飲め、白は果実味と酸のバランスが整ったさわやかな味わい」


注目! 辛口白と躍進する赤

――今回のセレクションは、まずインポーターにワインのエントリーを募り、日本で手に入るドイツワイン187本を集めました。それをブラインド・テイスティングによって13カテゴリー、延べ51本を「ベスト・オブ・ドイツワイン」として選出しました。すべてを試飲した印象はいかがでしたか?

情野 全体的に、よく熟したブドウからモダンな辛口スタイルのワインを造っていると思いました。かつてのドイツは「糖度の高いスタイル」というイメージがありましたが、大きく変わりましたね。例えば、栽培面積でトップのリースリングは、すっきりとさわやかでキレが良く、ピュアな味わいでした。残糖度の高いカテゴリーのものは、クラシカルなドイツワインの良さを残しつつも、現代的にブラッシュアップされていました。

山田 私は「甘めの白ワイン」時代をソムリエとして経験していない世代なのですが、ほんのりとやさしさが感じられるオフドライ(半甘口)な味わいのリースリングは、決して甘口ではなく、ずっと飲んでいたい心地よさでした。またひと言で「リースリング」といっても、そのスタイルや個性はさまざまで、驚きました。多くがデリケートな香りと軽快さを持ち、調和する料理の幅が広い。ワインを飲みなれていない人にも好まれそうですね。

大葭原 同感です。どのワインも心地よく飲めますし、飲みごろを気にせず買ってすぐに楽しめるアイテムが多いです。ドイツワインはワインビギナーやハイアルコールが苦手な人にも親しみやすいと実感しました。また、赤ワインも興味深かったです。シュペートブルグンダーはタンニンがシルキーで柔らかく、軽やかに飲めました。ドルンフェルダーには共通して黒コショウやナツメグ、香草などのスパイス感があり、鶏の手羽先揚げや韓国料理のビビンバなど、身近にある甘辛い料理と合わせて飲みたくなりました。

山本 私も、赤ワインにドイツの変化と可能性を感じました。シュペートブルグンダーは、10〜20年前まではバーデンやファルツなど南部の産地で優れたワインが造られていました。しかし、今はドイツ国内のあらゆる地域で、ブルゴーニュのピノ・ノワールのようにエレガントで質の高いワインが生み出されています。その理由の一つは気候変動ですが、ドイツの土壌や地勢のポテンシャル、造り手の国際的な交流や成長なども大きな要因です。

近藤 確かにこれまでのドイツは赤ワインの印象は強くないですよね。現在は、シュペートブルグンダーが栽培面積でミュラー・トゥルガウを抜いて、2位に躍り出ようというところまで変化しています。冷涼な気候のためブドウがゆっくりと成熟することで、きれいな酸味と上品なタンニンを持つワインになり、国際的にも注目されています。

ゼクト、ビオ、品種……多様性にも期待

望月 私はリースリングが好きでドイツワインをよく飲むのですが、今回リースリングのゼクト(スパークリング)に感動しました。とても上品で華やかな味わい! エチケット(ワインラベル)も素敵なので、プレゼントやパーティーに持っていくのにもぴったりです。

山田 目を引くエチケットもたくさんありましたね。新しさを感じる色遣い、シンプルでモダンなデザインなどさまざまで、手に取りたくなります。

情野 リースリングのゼクトは、ドイツのアドバンテージを感じますね。世界のスパークリングワインはシャルドネが多いですが、苦味が少ないリースリングの泡は、日本料理と合わせやすいです。

寺田 今回試飲したビオ認証ワインはどれも旨味が凝縮していて、クリーンな味わいでした。だしのような旨味が、和食やアジアンフードと好相性だと思います。

近藤 産地や品種の個性を表す、洗練された辛口スタイルのヴァイスブルグンダーが印象的でした。また、グラウブルグンダーは肉厚な印象ですが、質の高い酸によってコントラストがきれいに表現されていました。それぞれリースリングに次ぐ白ワイン品種として注目したいです。

山本 白ワインでは、ジルヴァーナーが面白いと聞いていましたが、実際に飲んでみるとテクスチャーに複雑性があって、熟成の可能性があると感じました。

近藤 ジルヴァーナーのワインは私が勤めているレストランでもバイ・ザ・グラスで提供しています。今回、高品質でコスパに優れた若手の生産者のワインも発見できましたし、ドラスティックなドイツの変化が感じられました。

寺田 そうですね。ドライな味わいへの変化や赤ワインの躍進に加えて、小規模産地や若手生産者の台頭からも目を離せませんね。バラエティー豊かに進化するドイツワインに、大注目です!

モニカ・ロイレさん/Monika REULE  
ドイツ・ワインインスティトゥート(DWI)代表

【アジア料理と調和するドイツワイン】
このたび、この特別なドイツワインセレクションを「ワイン王国」と共催させていただいたことを大変うれしく思っています。 
日本市場において、ドイツワインは長い歴史を持っています。皆さまの中には、ドイツワインは「甘口の白ワイン」という根強いイメージをお持ちの方もいらっしゃると思います。しかし実際は、ドイツワインには甘口よりも辛口のものが多く、生産量の3分の2以上は辛口ワインです。また、赤ワインと高級スパークリングワインの生産にも力を注いでおり、世界のワイン専門家や愛好家の注目を集めています。これは日本のワイン愛好家の皆さまには新たな発見となるのではないでしょうか。
「調和(ハーモニー)」は、ドイツのワインのメッセージです。ドイツワインは、アルコール度数がそれほど高くなく、柔らかなタンニンと、繊細ではつらつとした酸味を持っています。こうしたワインの特徴は、アジア料理の酸味、甘味、旨味、さまざまなスパイスなどとバランスよく調和します。また、このハーモニーを生み出しているのが、ドイツワインが持つエレガンスと清涼感だと言えます。 
この素晴らしい2022 年のドイツワインのセレクションから、お好みのものをぜひ探し出し、心ゆくまで堪能していただきたいと思います。 
ドイツと出合い、そのワインをお楽しみください。

≪ベスト・オブ・ドイツワイン50≫

この13カテゴリーで選出された「ベスト・オブ・ドイツワイン」の紹介は、次のトピックで!

1.リースリング(トロッケン:辛口)
2.リースリング(ハルプトロッケンおよびファインヘルプ:半辛口)
3.リースリング (やや甘口)
4.ゼクト
5.ヴァイスブルグンダー(トロッケン:辛口)
6.グラウブルグンダー
7.シュペートブルグンダー
8.ビオ認証ワイン
9.Top Choice:これもお勧め ベスト赤ワイン
10.Top Choice:これもお勧め ベスト白ワイン
11.Best Buy:コスパ最強! ベスト・バイ・ワイン(3000円未満/税込)
12.Best Buy:コスパ最強! ベスト・バイ・ワイン(3000円以上/税込)
13.ベストデザインボトル

photographs by Koumei KADOWAKI(テイスター)

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