「ピエトラモーレ」はイタリアのアブルッツオ州で2011年に創業したワイナリー。2015年にビオディナミ認証を取得、アブルッツオ州に80ヘクタールを有する畑で100パーセントでビオディナミ栽培を行っている。このほど、栽培醸造家のマッシミリアーノ・バルトロメイ氏とコマーシャル責任者のマリア・ピア・レオーネさんが来日し、「神田明神下 みやび」で自身のワインを紹介した。
「ワインは生きたままでなければなりません。自然のままに、畑の良さを失わないようにするのが信条です」と語るのは、レオーネさん。その思いから、ワイナリー名にも自然に敬意を表した“ピエトラモーレ=愛しい石”という意味を込めた。
今回、紹介したのは次の4本。
『ヴィーノ・フリッツアンテ “メトド・アンチェストラーレ”コッリ・アプルティーニ』
発酵途中のワインをボトルに入れ、そこで再度発酵させるという、いわゆる“ペットナット”。柑橘類のアロマに酸をしっかり感じ、酵母由来の香りも残る。微発泡なので食前~食中まで通して楽しめる。
『アブルッツォ ペコリーノ・スペリオーレ』
ペコリーノは生産性もよくないことから、忘れられた品種だったそう。しかし、近年アブルッツォで人気が高まっているという。このワインは厳選した完熟ブドウで造られる。黄色い果実にアーモンドやヘーゼルナッツのニュアンスも。ステンレスタンクで醸造されているが、樽で熟成したような味わいがある。
『トレッビアーノ・ダブルッツォ スペリオーレ』
40-50年の樹齢のトレッビアーノから造られる。「あまり特徴が出ない品種とも言われていますが、土地のエキスをワインに注ぎ込みました」とレオーネさん。柑橘の香りと、酸とミネラルに溢れたワイン。フィニッシュのほのかな苦味も心地いい。
『モンテプルチャーノ・ダブルッツォ』
東向きで粘土質土壌の畑のブドウを使用。解放桶で足でプレスし、その後7~15日マセラシオン(醸し)する。「モンテプルチアーノ ダブルッツォは、個性が強く出る“ヤンチャなブドウ”。なのでタンニンを強く抽出しすぎず、飲み心地の良い仕上がりを目指しています」とマッシミリアーノ氏。
ラベルはすべて畑のさまざまな土壌がデザインされている。その上にビオディナミにゆかりの深い星座を蛍光塗料をもって描き、暗闇で浮かび上がるというロマンチックなしかけも。すべてソフトなスタイルで、和食との相性もぴったり。日本の日常の食卓で活躍しそうだ。