「ルイ・ラトゥール」は1797年にアロース・コルトン村に創業。48ヘクタールの自社畑のうち27ヘクタールがグラン・クリュ(特級畑)と、ブルゴーニュ最大規模のグラン・クリュ所有者として名を馳せる。「伝統」「革新」「サステイナビリティ」の三つのキーワードを軸に、130以上のアペラシオンで、それぞれのテロワールの特徴をよく表したブルゴーニュ・ワインを生み出している。
「200年以上の歴史の中で、一貫した家族経営をはじめ、変わらないことはあります。しかし、今後のために変わっていかなければいけないこともあるのです」と語るのは、2022年にメゾンのCEOに就任したフローラン・ラトゥール氏だ。
ブルゴーニュのグラン・クリュやプルミエ・クリュ(1級畑)以外で、親しみやすいシャルドネやピノ・ノワールを届けたいとの思いから、1979年には南フランスのアルデッシュへ畑を拡大した。
ルイ・ラトゥールは、サステイナブルへの取り組みにも積極的だ。コルトンの丘全体を守ることが品質向上にもつながると考え、自社の土地だけではなく、周囲の生産者も巻き込みながらオーガニック栽培などに取り組む。ほかにも「ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ」を含むブルゴーニュの38のトップ・ドメーヌにより設立された「ピノ・ノワール財団」の一員として、気候変動に適応した上質なピノ・ノワールおよびシャルドネ(*)に関する研究結果を多数の生産者と共有している。
*2010年代に取り組みの対象としてシャルドネも加わった。400種類のピノ・ノワールと173種類のシャルドネを植樹している
セミナーでは、2003年にルイ・ラトゥールの傘下に入ったシャブリの「シモネ・フェブル」を含む全8種類のワインをテイスティングした。
『コルトン・シャルルマーニュ グラン・クリュ 2020年』(シャルドネ100%)は、グリルしたアーモンドとヴァニラの香りに、心地よくふくよかな味わいが広がる。
「2020年は非常に暑いヴィンテージでしたが、果実の力強さ、凝集した酸のバランスが取れています。シャルドネは、酸が目立ちすぎるのではなく、ふくよかな果実味を表現できるようにしっかりとブドウを成熟させることが大切です」とセールス&マーケティングディレクターのブルーノ・ペパン氏。
ルイ・ラトゥールはコルトン・シャルルマーニュに10.5ヘクタールほどの畑を所有する。グラン・クリュのシャルドネは新樽100パーセントで熟成させることが多いという。
『コルトン グラン・クリュ シャトー・コルトン・グランセイ』は、コルトンにある5区画のグラン・クリュをブレンドして造る。コルトンに17ヘクタールものグラン・クリュを所有するルイ・ラトゥールだからこそ手掛けられるワインといえる。2019年ヴィンテージは、ラズベリーやリコリスのアロマにナツメグが広がる複雑な香り。赤いベリーの豊かな果実味に木のニュアンスもあって、シルキーなタンニンを感じる。
銘醸白ワインのコルトン・シャルルマーニュで有名なルイ・ラトゥールだが、近年は赤ワインにもますます力を入れているという。守るべきこと、変わるべきことを見極めながら、ルイ・ラトゥールは進化を続ける。
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