ドイツ ドゥーメンスディプロムビアソムリエの資格を持ち、本誌にも寄稿している森本智子さんが、書籍を翻訳出版するためのクラウドファンディングを開始した。
 この本はドイツのギュンター・テメスさんが2008年に上梓した『Der Bierzauberer(ビールの魔術師)』。タイトルからビール醸造の指南本をイメージしたが、実はこちら、ミステリー小説というから驚かされる。
 ストーリーは中世ドイツの修道院を舞台に、ビールの造り手である主人公ニクラスを待ち受ける波乱万丈な人生を描いていく。ドイツではシリーズで4作出版されており、15、17、19世紀のビール醸造の歴史、昔のビールレシピ、ビール純粋令、諸侯や王族などが登場し、当時の風俗をおもしろく知ることができる。ビールにまつわる書籍としては、新しいアプローチと言える。

醸造マイスターが綴る「ビール小説」

 著者のギュンター・テメスさんは醸造マイスターとして世界各国でビールに関わる仕事をしたのち、作家に転向。新聞、業界紙、書籍などにビールやビール醸造の歴史について多数の執筆に携わっている。ビールの専門家がどんな設定やトリックでミステリーを描くのか、ぜひ読んでみたくなる。

発起人の森本智子さん(左)と著者のギュンター・テメスさん(右)

 本件の発起人であり、クラウドファンディング成功後は翻訳も担当する森本さんの声明によれば

食文化はそこにある人々の生活、周囲の政治、経済、地理的環境など、様々な要因から生み出されるものです。(中略)ドイツビールを語る上でそうしたことを知るのはとても興味深く、また重要なことです

と、食文化と社会の関わりを語っている。
 受付は6月30日(火)まで。1000円から支援できるので、読んでみたい方はぜひプロジェクトのサイトをご覧あれ。

【プロジェクト名】

ビール醸造を極めた男の数奇な人生を描いたドイツのミステリー小説『ビールの魔術師』(原題:Der Bierzauberer)を翻訳出版したい!
※6月30日(火)までクラウドファンディングを受付

支援プラン:
●翻訳出版プロジェクトを応援 1000円
●電子書籍 2090円
●書籍1冊 2530円 他
発行予定時期:2021年冬以降
版元:サウザンブックス

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