ビール王国で掲載したビールにぴったりなレシピを紹介していくこの企画。特定のビールやビアスタイルにバッチリとペアリングするレシピや、プロの料理人や料理研究家が腕によりをかけたメニューを、ぜひご自宅で再現してみてください。第二回目は、富士桜高原麦酒のヘッドブルワー、宮下天通さんです。

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高校時代から作り続けた男子の定番
ヴァイツェンに漬け込みふっくらと。

ビールを日夜研究し手塩にかけて生み出しているブルワーこそ、ビールに合うベストな料理を知っているはず。「人気ブルワーのとっておき『料理』のレシピ大公開」をお願いし、富士桜高原麦酒の宮下天通さんに得意料理を教えていただいた。

「料理はもともと好きなんだよね」と富士桜高原麦酒の醸造長宮下天通(みやしたひろみち)さん。〝てんつうさん〟としてビールファンの間で親しまれている。高校生の頃から家に遊びにきた友人に唐揚げを作って振舞ったという筋金入りの料理好き。卒業後は調理の専門学校に進学を希望していたが、両親の反対でやむなく断念した。でも今も変わらず、家でも頻繁にご飯を作り、ビールイベントではボランティアのまかないも作る。その腕前と料理センスで生まれた〝てんつうレシピ〟は、衣にヴァイツェンを使う「ワカサギのフリッター」や、直営ビアバーの定番メニューの「ラオホの炊き込み御飯」など、ビールを使ったビールがススムメニューが多数。

今回紹介の『鶏の唐揚げ』は、改良を重ね現在のレシピに落ち着いた。ポイントは鶏肉をヴァイツェンに一晩漬け込むこと。肉質がふっくら柔らかくもっちりとなり、風味も増す。また、衣に使う粉はこれまでに小麦粉を加えたこともあったが、今は片栗粉一本に絞る。

画像: 富士桜高原麦酒ヴァイツェンを使うことで、鶏肉の食感と風味をアップ

富士桜高原麦酒ヴァイツェンを使うことで、鶏肉の食感と風味をアップ

ヴァイツェンでふっくら鶏の唐揚げ

■材料(4人分)

鶏むね肉・鶏もも肉…各1枚
ヴァイツェン…約50cc
塩・コショウ…各3〜4g
にんにく…1片
ショウガ…1片
醤油…大さじ1〜2
片栗粉…適量

■作り方
1.鶏肉はそれぞれ一口大にカットし、肉がひたひたに浸かる程度のヴァイツェンを注ぎ、冷蔵庫で一晩おく。
2.1を取り出しビールの汁を切り、塩・コショウを振る。
3.すりおろしたニンニク、ショウガと醤油を2に加え、鶏肉に盛り込み30分ほど漬け込む。
4.衣をつけたら冷蔵庫で20分程度寝かせる。
5.げ油を180℃にあげて、鶏肉を入れて揚げる。
6.色よく揚がったら、油を切り、肉質の違いも楽しめるように種類を分けて皿に盛り付ける。

肉質の違いも楽しんで欲しいと部位の違いがわかるようにしてこんもりと盛り付ける。食べてみると、特にもも肉の肉質がもっちりして、カリッと揚がった衣とのコントラストが実に小気味いい。唐揚げを頬張り、『ヴァイツェン』を飲めばフルーティな爽やかさが唐揚げの風味も引き立てる。

肉がひたひたになる程度にヴァイツェンを注ぎ、冷蔵庫で一晩寝かす

豪快に山盛り ! でも肉質の違いで食べ比べられるよう分けて盛る

紹介レシピはこの他に、酵母と柚子の皮を刻んだタレに漬け込んで焼く豚バラ塊肉のローストポークも迷ったそう。まだまだてんつう秘蔵レシピはたくさん!
イベントなどで声をかけるチャンスがあればどんどんと聞き出したい。

取材:宮原佐研子 写真:相澤利一
※この記事の内容は『ビール王国20号』(2018年10月発売)に掲載したものです。

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