旅に出て、その場所ならではのワインと料理を味わうのは格別の楽しみ。日本国内でもそんな夢のような旅を叶えてくれるのが各地に点在する「星野リゾート」だ。日本ワインを愛するひぐち君と一緒に土地のワインと美味を巡る旅に、さあ出かけよう!
text & edit by Ryo TAMURA
photographs by Shingo MIYAJI
八ヶ岳の自然がはぐくんだ食材とワインを堪能する至福の時間
新宿駅から特急あずさに揺られること2時間。J R小淵沢駅を降りると、リゾートファッションに身を包んだどこか浮き足だった人々が、旅行鞄を抱えタクシーを待っていた。
今日のデスティネーションは「リゾナーレ八ヶ岳」。八ヶ岳山麓のここは日本ワインの銘醸地、山梨県と長野県の県境。日本ワインを愛してやまない、ひぐち君の目も輝いている。
「ドメーヌ ミエ・イケノ」と提携する「リゾナーレ八ヶ岳」では、施設内のワインショップ「 八ヶ岳ワインハウス」にて、入手困難なワインのいずれかを宿泊者限定で購入可能。左から、『シャルドネ 2022年』『メルロ 2022年』『ピノ・ノワール 2022年』『月香シャルドネ 2023年』『プリヴェ 2019年』
夏のコース料理より「花ズッキーニとイワナのヴァポーレ」。手前がイワナのすり身を花ズッキーニに包み蒸し上げたもの、奥はイワナのフリット。川エビのだしの風味とともに、食感の違いが楽しめる
日本ワイン尽くしのステイ
2フロアで構成され、最大5人まで宿泊できる「ワインスイートメゾネット」はわずか3室のみのエクスクルーシブで最高に贅沢な客室。特別に設えられたルームセラーには綺羅星のごとき希少性の高い日本ワインの数々が。そのリストにひぐち君も思わず笑みがこぼれた
ワイン好きのゲストのために特別に設えられた「ワインスイートメゾネット」にチェックイン。ルーム内のワインセラーには「ボー・ペイサージュ」「小布施ワイナリー」「城戸ワイナリー」といった、ひぐち君が日本ワインに傾倒していくきっかけになったワインの数々が。テンションは旅の出だしから上がる一方だ。
今夜のディナーは「リゾナーレ 八ヶ岳」のメインダイニング「O T T OS E T T E」をリザーヴ。入手困難な日本ワインの圧巻の品ぞろえに、ひぐち君はもう興奮を隠すことができない様子だ。ワイナリーの地下カーヴを模した非日常空間で、全11品に合わせた8種類のワインペアリングコースをいただく。ベースはイタリアの郷土料理に置きながら、ここではあくまで八ヶ岳の土地がはぐくんだ野菜が主役だ。その引き立て役が、山梨県産ワインであることは言うまでもない。
「〝軽井沢フレンチ〞ならぬ、これは〝八ヶ岳イタリアン〞ですね!」言い得て妙な表現である。
八ヶ岳ワインハウス
山梨県産・⻑野県産に特化した27種類以上のワインを販売。24種類が試せるワインサーバーが設置され、25ml/210円から試飲できる。ボトル代100円で量り売りも可能。ひぐち君のチョイスは『共栄堂 K24FY_RZ2024年 』と『 キ ザ ン ス パ ー クリング トラディショナルブリュット 2022年』
八ヶ岳のテロワールを感じて
澄み切った青空が広がる翌日。念願だった「ドメーヌ ミエ・イケノ」の訪問が特別に実現した。池野美映さんは、フランス・モンペリエ大学でフランス国家資格を取得し、ブルゴーニュや南仏での修業を経て、2 0 0 7年に小淵沢町にワイナリーを開業。瞬く間に人気を博し、スターダムを駆け上ってきた造り手だ。
「池野さんのワインはそのどれもが〝美しいワイン〞。リリースと同時に売り切れてしまうことが多くて、僕もなかなか買えなくて」というひぐち君。八ヶ岳連峰とアルプスの山々に挟まれた小高い丘のブドウ畑を案内してもらいながら、池野さんとの日本ワイン談義に花が咲いた。
なだらかな斜面を吹き抜ける春の風、ふかふかのブドウ畑。昨夜のディナーの余韻も醒めやらぬ中、八ヶ岳のテロワールを目と耳と舌と肌で感じ取り、再訪を誓った。
【問い合わせ先】
リゾナーレ八ヶ岳 山梨県北杜市小淵沢町129-1 TEL.0551-36-5200