原点に立ち返り自然に寄り添う酒を
「吉田酒造」

7代目の吉田泰之氏と妻の麻莉絵さん。幼い姉妹を育てながら蔵の仕事に取り組む

銘酒『手取川』で知られる「吉田酒造店」。1870年の創業以来、霊峰白山の清らかな伏流水で酒を醸し続けている。7代目の吉田泰之氏が標榜するのが「原点回帰」だ。

酒造りに使う米は、山田錦や五百万石はもちろん、石川県が開発した「石川門」や「百万石乃白」、山田錦の最古の先祖と言われる在来種「巾着」と、いずれも地元で栽培された、この地ならではの米にこだわる。かつてはほとんどが県外の米だったが、地元の農業を守るためにもと農家と手を携え、現在は全体の8割に上るまでに。

「酒の母と呼ばれる酒母ですが、僕らは酒の赤ちゃんだと思い丁寧に大切に育てています」と吉田氏。酒母室は珍しい観音下石(かながそいし)の石造り

これらの米を使い、昔ならではの製法、 山廃(やまはい)で仕込むのが『吉田蔵u』だ。酸味と甘味、旨味がバランスよくまとまるモダンスタイルで「ワイングラスで楽しんでもらえたら」と吉田氏。

歴史を紡いできた手取川も変革の時を迎えている。再来年をめどにすべてを山廃仕込みに切り替える予定だという。

『吉田蔵u 石川門』のラベルのツバメは蔵に巣があり毎年やってくることから。

「ツバメが帰ってくる環境を守りたい」と吉田氏。「吉田蔵u」の「u」は「優」の意。「自然にも人にも優しい酒でありたい」

「乳酸を添加する速醸仕込みに比べると時間も手間も格段にかかりますが、この地域の米と水の良さが際立つ、立体感と骨格のある酒に仕上がるのです」

修業先から蔵に戻るのを前に感じることがあった。

「海外、特にヨーロッパでは古き良きものを大切にする文化の素晴らしさに触れました。一方で、いい日本酒を造ろうとすると蔵全体を冷蔵庫のように冷やさなければならず、大量に電気を使っていることに違和感を感じて」

吉田氏はこう言葉を結ぶ。

「何を残し、何を表現したいのかを考えた時、蔵の周りの白山の美しい自然だと気付きました。原点に戻り、自然に寄り添い、自然に負担をかけない酒造りを目指していきたい」

「吉田酒造店」

〒924 - 0843
石川県白山市安吉町41

TEL. 0762 - 76 - 3311

「能登の酒を止めるな!」プロジェクト

2024年1月1日に発生した能登半島地震は、奥能登の酒蔵に甚大な被害をもたらした。震災後すぐに、吉田氏は日本酒イベントを手掛けるカワナアキ氏とともに全国の酒蔵に協力を呼びかけ、「能登の酒を止めるな!」プロジェクトを発足。

「全壊してしまった蔵の酒を委託醸造、共同醸造という形で造り続けることで、銘柄と酒の味を残し、キャッシュフローを回すことを目指しています」と吉田氏。

できた酒は酒販店に卸すとともに、クラウドファンディング「Makuake」を通じ消費者が応援購入できるようにした。吉田氏は「震災からまもなく2年。まだまだ蔵の再建にはほど遠く、支援の輪も小さくなってきている。このプロジェクトも続けることを止めるな!という思いで継続していきたい」と話している。

詳細はhttps://notosake.comで。

「吉市(よしいち)醤油店」

「居酒屋新幹線2」 第7話 小松編にも登場した「吉市醤油店」の『 白山堅とうふ醸し漬』!

1900年創業。霊峰白山の伏流水を使い、伝統的な製法で醤油を造り続けている。醤油にみりんや糖蜜、だしを加えた「白山むらさき」は、古くからこの地域で愛されてきたかけ醤油。

独自の漬け床で発酵させた「ふぐの子」「さば醸し漬」「白山堅豆腐」など、長年培ってきた発酵技術を生かした発酵商品も人気。

「古市醤油店」
〒924 - 0843 石川県白山市安吉町78
TEL. 0762 - 75 - 0908
営業時間: 8 : 30~ 18 : 00
定休日:日曜、祝日

「衣や」

金沢市内を見渡せる高台にある、住宅街の中に佇む創作料理店。石川県ならではの新鮮な魚介類や、人気の加賀野菜を使った料理が充実しつつ、肉料理や焼き物、揚げ物、麺類、デザートまで多彩なメニューが楽しめる。飲みものは、『手取川』をはじめ石川県の地酒や焼酎、全国の人気銘柄がそろう。ワイン、カクテルも。

「衣や」

〒921 - 8151
石川県金沢市窪1 - 225 - 1
TEL. 0762 - 45 - 7388
営業時間:月・火・木〜土
18 : 00〜23 : 00(LO 22 : 30 )、
日・祝日18 : 00〜22 : 00(LO 21 : 30 )
定休日:水曜日