力強いテロワールが生み出すエネルギー

今年も3月、『オルネッライア』の新ヴィンテージが「プリムール・ドゥ・ボルドー」にてリリースされた。ヨーロッパ諸国においては、ワインショップでの販売およびレストランでのオンリストは4月1日から開始される。

2023年はイタリア語で「ラ・ヴィタリタ(生命力)」と名付けられた年であり、自然がブドウを力強く支え、ワイナリーの人々が寄り添ったヴィンテージだ。

オルネッライアの歴史

700年以上の歴史を誇るトスカーナの名門「フレスコバルディ家」が2005年より所有するワイナリー。13世紀以来フィレンツェで銀行家として栄え、ルネッサンス期には芸術支援でも知られる同家のもと、現在はランベルト・フレスコバルディ侯爵が統括している。

オルネッライアは、スーパータスカンの代表格の一つであり、メルロの完成形とも称される。「海のボルドー」と呼ばれるボルゲリで造られ、地中海沿岸のテロワールと人の叡智が融合したワインだ。長期熟成によって大きく開花し、時間とともに豊潤で繊細なフィネスを現す。

テクニカルディレクター マルコ・バルシメッリ氏が語る2023年

テクニカルディレクターのマルコ・バルシメッリ氏は、2023年のブドウの生育状況について次のように述べている。

「温暖な冬が早い芽吹きを促し、栽培チームは休むことなく畑を見守った。春には十分な降雨があり、乾燥する夏に向けて水分を蓄えることに成功。一方、生育のコントロールや病害防止のため、丁寧で細やかな作業を重ねた。夏は猛暑となったものの、極端な高温には至らず、ブドウは水不足のストレスを受けることなく、凝縮感を保ちながらゆるやかに成熟。8月下旬の降雨と9月の涼しい夜が、複雑なアロマと豊かな酸をはぐくんだ」

出来上がりについて

さらにバルシメッリ氏は次のように続ける。
「その結果、しっかりとした骨格を備えながらエレガントで、絶妙なバランスを持つワインに仕上がった。これはまさにオルネッライアの神髄である」

生命力あふれる2023年ヴィンテージを試飲

『オルネッライア 2023年』 ’23 Ornellaia

■色:赤みの強いレッドパープル。リムはクリアで輪郭がはっきりとしており、粘性も高い。
■香り:芳香は豊かで、グラスに注ぐと徐々に広がる。黒系ベリーやブラックチェリーのニュアンスに、スパイス、土や森を思わせるアーシーさが重なる。ほのかに焼き菓子のような温かみのある香りも感じられる。
■風味:フルボディ。濃縮感のあるスパイシーな果実味と緻密な構造が印象的である。タンニンはしっかりとしたストラクチャーを持ちながらもシルキーであり、酸は中程度で全体のバランスを支えている。後味にはほのかにモカを思わせるニュアンスがある。

オルネッライア 2023―ラ・ヴィタリタは、力強さと同時に際立った繊細さを備えたワインである。生命力に満ち、生き生きとした味わいと、絹のように滑らかなタンニンが長い余韻を生み出す。豊かな余韻には立体的な風味と地中海の豊潤さが感じられる。

この言葉どおり、2023年はオルネッライアの魅力が見事に表現されたヴィンテージである。今後の熟成によって、10年後、20年後とさらなる変化を遂げていくことが期待される。