「唯一無二」をキーワードに、特別なおもてなしで非日常の空間と時間を演出する「飛鳥Ⅲ」。
フレンチ、イタリアン、割烹料理など多くのレストランを擁し、多彩な「食の旅」が堪能できる。
シェフたちが腕をふるう料理とともに選ばれているのは、世界のワイン愛好家が注目する「マンズワイン」。
日本ならではのクルーズ客船と、日本を代表するプレミアムワインのマリアージュ。
クルーズライフはワイン色に染まっていく。

どこまでも広がる大海原に抱かれ
ワイン色に染まる非日常の旅へ

旅立ちは、「飛鳥Ⅲ」のホームである横浜港から。マリンタワー、山下公園、赤レンガ倉庫や観覧車といったみなとみらいの華やかな風景に送り出され、飛鳥Ⅲは大桟橋埠頭を静かに出航する。横浜のシンボル、ベイブリッジを下から眺めるという特別な景色に目と心を奪われていると、飛鳥Ⅲは東京湾の大海原へ。キラキラと美しく光る水面とさわやかな海風に、これから始まる旅の時間に心がときめく。

陽光がさんさんと降り注ぐプールサイドでは、さわやかな果実味でありながら優雅さをまとう『ソラリス 千曲川シャルドネ メトッド・トラディッショネル ブリュット・ナチュール 2017年』を隣に、リゾート気分を満喫したい

日本を代表する豪華客船「飛鳥」は、1991年に初代が就航。日本の文化文明が花開いた時代の名を冠するこの船は、日本のクルーズカルチャーを牽引してきた。2006年には「飛鳥Ⅱ」が、そして昨年、初代から34年ぶりの新造船として今回の旅の舞台となる「飛鳥Ⅲ」が誕生した。

船旅は寄港地の観光も楽しめるが、そのための単なる移動手段ではなく、船の中でのラグジュアリーステイが満喫できるのが大きな魅力。

すべての客室にオーシャンビューのバルコニーがあり、朝焼けや夕暮れに染まる海、満天の星空といった絶景を独り占めできる。また、最上階デッキに露天風呂と大浴場があるのは、日本の客船ならでは。どこまでも広がる海を見ながらの湯浴みは、体にも心にも最高の癒やし時間になる。

「船内クルージング」も楽しみたい。飛鳥Ⅲは、日本画家の千住博氏や平松礼二氏の絵画作品、蒔絵や九谷焼などの工芸作品など、1000点あまりものアート作品や工芸作品が船内のあちこちに飾られている。まさに洋上のアートギャラリー。それらの作品をガイド付きで鑑賞できるツアーもある。ゆったりと時間が流れる船の中で、心ゆくまでアートに触れる。これもまた、非日常の体験だ。

そして、アートとともに飛鳥Ⅲが力を入れているのが「食」。船内には、フランス料理、イタリア料理、割烹料理、グリル料理など六つのレストランを擁し、多彩な「食の旅」を楽しむことができる。シェフたちが腕をふるう料理とともに堪能したいのが、厳選したワインの数々。

レストランごとにセラーとリストがあり、フランスやイタリアなどのグランヴァンをはじめ、新旧世界のワインがそろう。ワインリストは船内で共有されており、四つのバーラウンジはもちろん、ルームサービスでオーダーすることも可能。注文したワインはテラスやプールサイド、スプリットカウンターなど、お気に入りの場所でのんびりとグラスを傾けるのもいい。

「飛鳥Ⅲ」のバーで『ソラリス」と向き合う「マンズワイン」代表取締役社長の島崎大氏

そして、世界の銘醸ワインと肩を並べてリストを彩るのが「マンズワイン」。日本ならではのクルーズ客船と、日本を代表するプレミアムワインのマリアージュが、クルーズライフをめくるめくワイン色に染めてくれるはずだ。

今回、マンズワインを率いる社長の島崎大氏が飛鳥Ⅲに乗船。情熱を込めて手掛けたワインとともに、初めてのクルーズライフを体験した。

「ソラリス」~船旅をドラマチックに彩るプレミアムワイン~

左から
『ソラリス ラ・クロワ 2021年』『ソラリス 千曲川メルロー2021年』『ソラリス 小諸メルロー2021年』『ソラリス 東山カベルネ・ソーヴィニヨン 2022年』『ソラリス マニフィカ 2017年』『ソラリス 千曲川シャルドネメトッド・トラディッショネルブリュット・ナチュール 2017年』『ソラリス ル・シエル 2023年』『ソラリス 千曲川信濃リースリングクリオ・エクストラクション2023年』『ソラリス 古酒 甲州 2011年』『ソラリス 小諸シャルドネヴィエイユ・ヴィーニュ2023年』

「ソラリス」は、日本を代表する造り手である「マンズワイン」が手掛ける、プレミアムシリーズの最高峰だ。

マンズワインは1960~70年代にかけ、山梨県勝沼市、長野県小諸市にワイナリーを開設。小諸では当初、善光寺ぶどう(龍眼)でワインを造っていたが、88年の雪害によって大打撃を受け、これをきっかけに欧州系ブドウへと舵を切った。これが「ソラリス」の種となり、やがて大きく花開くことになる。

小諸ワイナリーがある千曲川ワインバレーは日照量が多く、ブドウの生長期間は雨も多い。また内陸に位置し昼夜の寒暖差があるため、ブドウの栽培に非常に適している。この恵まれたテロワールを生かし、地元の契約農家と自社畑で丹精込めて作った上質なブドウから「世界の銘醸地と肩を並べるプラミアム日本ワイン」というコンセプトを掲げ、2001年に「ソラリス」が誕生した。その「生みの親」が、今回飛鳥Ⅲに乗船したマンズワイン代表取締役社長の島崎大氏だ。醸造責任者として「ソラリス」を手掛けた。「ワインの(味わいの)イメージが先にあるのではなく、常に目の前のブドウと向き合い、自分たちができることを積み重ねることで最良の形を目指しています」

情熱と挑戦のスピリットは若き後進たちが受け継ぎ、国内外で高く評価される素晴らしいワインを生み出している。

フランス料理「ノブレス」
日本の食材と日本ワインが船上フレンチで邂逅する

エントランスから一歩足を踏み入れると、多くの絵画作品が飾られたリュクスな空間が広がる。フレンチレストラン「ノブレス」は、日本画家の平松礼二氏の作品が多数展示され、そのアートな空間の中でコース料理や豊富なアラカルトを堪能することができる。

季節のジビエや魚、能登の野菜など、各地の旬の食材を厳選し、伝統とモダンを融合させたフレンチの調理法で一皿一皿仕上げる。

「船旅は連泊になるので、食材やアレンジを変えるなど、毎日でも楽しんでいただける内容に」と小鷹康雄シェフ。そうした料理の魅力をさらに花開かせるのが、至高のワインの数々。丸テーブルは「プレミアワイン専用テーブル」と呼ばれ、ゲストの好みや希望を聞き、ソムリエがワインをセレクトする。

「ワインに合わせてソースの味や付け合わせを変えるなど、よりワインを楽しめるペアリングをご提供します」とソムリエの内澤稿二氏。

小鷹康雄シェフと内澤稿二ソムリエ

「宮崎牛のフィレのロースト」は低温で火入れしミディアムレアに仕上げた牛フィレのローストを、トリュフ香るペリグーソースで。宮崎牛の口溶けのいい脂と複雑な味わいのソースが、『ソラリス マニフィカ 2017年』の芳醇な香り、エレガントでありながら骨格のあるボディと共鳴する。これぞ口福のマリアージュ

「ノブレス」のシグナチャー料理「貴族のパテ」。豚、鴨肉、フォワグラなどを低温で火入れした後、パイ生地で焼き上げた。合わせたワインは『ソラリス 千曲川信濃リースリング クリオ・エクストラクション 2023年』。ブドウを凍らせ、溶ける段階で果汁を搾るクリオ・エクストラクション製法で甘口に仕上げたワインの甘味とやさしい酸味が、層を織りなすパテの旨味と溶け合う

セラーとリストはほぼフランスワインが占めるが、その中でひときわ存在感を示すのが「ソラリス」だ。「クオリティーは名だたるフランスワインと肩を並べ、かつ、品種や味わいの幅も広く、さまざまな料理とのペアリングが楽しめます」と内澤氏。フレンチではあるが、素材の味わいを生かした軽やかな料理は、華やかさと繊細さを持ち合わせるソラリスと幸せなマリアージュをみせてくれる。オンリストする「ソラリス」の全アイテムがオーダー可能だが、いろいろ試してみたいならソラリス4種のペアリングコースがお勧めだ。

割烹料理「海彦」
多彩な和食を特別なワインとともに

割烹料理の「海彦」では、前菜や吸い物、焼き物といった割烹料理のお皿から、好みのものを自由に選べる。

「最初に丁寧に引いた出汁を一口味わうところからお食事をスタートし、ゆっくりとご自身だけのオリジナルコースを組み立て、自由に楽しんでください」と料理長の西智彦氏。

「海彦」料理長の西智彦氏と、飛鳥Ⅲ F&Bサービスマネジャーでソムリエの髙橋憲司氏

さまざまな食材を多彩な調理法で仕上げる和食の「最高のパートナー」が、マンズワインの「あまつひ」シリーズ。「日本料理のためのワイン」をコンセプトに、京料理の料理人とともに生み出した、特定の日本料理の店のみで提供される特別なワインだ。

(左)『しふく』( 7700円)は やや辛口の、さわやかな甲州ワイン。透き通るような美しい味わい。大切な茶道具を包む袋しふく(仕覆)から名付けられた。『香紫』(7700円)は杉に包まれた柔らかな熟成香と、紫檀の色合いにちなんで名付けられた。炙った杉がほのかに香る上品な赤ワイン

白ワイン『しふく』は、日本固有の品種「甲州」の房に袋がけをして太陽の光を遮るという、手間と時間をかけて栽培したブドウから造られる。

「甲州特有の苦味がなくまろやかな味わいで、酸も穏やか。食材や出汁の繊細な味わいに寄り添い、この1本で前菜からごはんものまで通して楽しめます」とソムリエの髙橋憲司氏。醤油やみりんを使った料理とは赤ワインの『香紫』を合わせて。

旬の食材の味わいをさまざまな調理法で味わう和食。「季節の天ぷら」と「お造り」に合わせたのは「あまつひ」シリーズの白ワイン『しふく』。奥ゆかしい香り、ピュアでクリーンで、それでいて旨味を感じさせる味わいが、和食の繊細な味わいに寄り添う

日本料理と清らかな味わいの日本ワイン。日本のクルーズ客船だからこその和の饗宴を、心ゆくまで味わいたい。

「飛鳥III」を堪能して~座談~

クルーズライフを彩る、「唯一無二」の食とワイン。
飛鳥Ⅲの料理人とソムリエ、そして船旅を体験した島崎氏が
その魅力について語り合う。

マンズワイン代表取締役社長  島崎大氏(中央)、飛鳥Ⅲ 総料理長 大山拓也氏(右)、飛鳥ⅢデュプティF&Bサービスマネージャー 浜野賢一氏(左)

島崎 今回初めてのクルーズ旅でしたが、どこまでも広がる海と空、さわやかな風を感じながら、非日常の時間をゆったりと過ごすことができました。さらに、船内随所に散りばめられているアートを堪能し、スパで汗を流し……。極上のクルーズライフでした。何よりレストランやバーが充実していて驚きました。

浜野 「飛鳥Ⅲ」は「唯一無二」をキーワードに、特別な空間と時間を過ごしていただけるおもてなしをご用意しています。中でも「食」をその中心に据え、お客さまご自身で自由に選び楽しめるよう、さまざまなレストランをそろえています。

大山  船の上であっても最高の食材を提供するため、できるだけ産地へ出向いて生産者さんに会い、日本全国から取り寄せています。フレンチの「ノブレス」で使っている石川県の能登野菜もその一つです。

島崎 「ノブレス」でディナーコースをいただきましたが、食材も調理もクオリティーが高く、一皿一皿にオリジナリティーもあって非常に贅沢に楽しめました。当社の「ソラリス」ともとても相性がよく、素晴らしい時間でした。こうしたプレミアムなレストランがある客船に「ソラリス」をオンリストしていただくことはありがたいこと。私たちが丹精込めたワインにとって、最高の晴れ舞台です。

浜野 私が感動したのは、「ソラリス」には海外のワインにはない繊細さ、気品があること。さらに、白と赤はもちろん、スパークリングワインから甘口ワイン、珍しい甲州の古酒までと多彩なラインナップで、私たちが提供するどのレストランのどの料理ともきれいにマリアージュする。「飛鳥Ⅲ」のリストには欠かせない存在です。私は実際に小諸のワイナリーに足を運び、ブドウ畑も見せていただきました。本当に美しい畑で、「ソラリス」のきれいな味わいはここで育つブドウだからこそ生まれるんだと実感できました。
クルーズ中にワインセミナーを開講することがあり、海外のワインと「ソラリス」を比較テイスティングしていただき、それで興味を持って「ノブレス」で「ソラリス」のペアリングコースをオーダーされるお客さまも多いです。「日本のワインがこんなに美味しいなんて」と驚く方もいらっしゃいますよ。

島崎 外国のゲストはもちろん、日本ワインについてよく知らないという日本のお客さまもいらっしゃると思います。日本を代表するラグジュアリークルーズ船である「飛鳥Ⅲ」に、日本ワインの「ソラリス」がオンリストし、それがグローバルで勝負できる品質だと伝われば、こんなにうれしいことはありません。

浜野 ボトル1本を、今日はフレンチで、飲みきれなかったぶんは翌日イタリアンで、といった具合に、数日かけて楽しんでいただくこともできますよ。

島崎 さまざまな料理とゆっくり「ソラリス」を味わう。クルーズライフと美味しいワインの贅沢なマリアージュを、多くの方に体験していただきたいですね。

text by Asako NAKATSUMI
photographs by Hiromichi KATAOKA

ワインの問い合わせ先:マンズワイン㈱ TEL 0267 - 22 - 6341(小諸ワイナリー)
飛鳥Ⅲの問い合わせ先:郵船クルーズ㈱ TEL 0570 - 666 - 154