福島県田村市の「ホップガーデンブルワリー」を運営する株式会社ホップジャパンは、福島県内の産学官と連携した研究所「福島Beer Lab(ふくしまビアラボ)」を設立した。クラフトビールの創造性に加えて科学的なアプローチを行うことで、ビールのさらなる品質向上を目指している。
また、ラボの活動第一弾として造られたビール「桜SAKELager」が、3月16日から販売をスタートした。

福島Beer Labが発信する福島産ビールの新たな価値

画像: ホップガーデンブルワリーの醸造責任者、武石翔平さん。栃木のプレストンエールで醸造経験を積み、2020年より現職

ホップガーデンブルワリーの醸造責任者、武石翔平さん。栃木のプレストンエールで醸造経験を積み、2020年より現職

「福島Beer Lab」は、ホップジャパンが立ち上げた、福島らしい新たなビールの開発を目指す研究所だ。現在は福島県の公設試験研究機関「福島県ハイテクプラザ 会津若松技術支援センター(以下、ハイテクプラザ)」、東北地域の農業発展に寄与する試験研究機関「農研機構東北農業研究センター 福島研究拠点(以下、農研機構)」の協力を得て開発をすすめていて、さらに県内の大学などとの連携も視野に入れる。ホップガーデンブルワリーの醸造責任者、武石翔平さんが同所の所長を務める。

画像: ハイテクプラザでは官能評価、酵母開発のほか、ビール酵母と日本酒酵母との相性や最適な配合なども見極めている

ハイテクプラザでは官能評価、酵母開発のほか、ビール酵母と日本酒酵母との相性や最適な配合なども見極めている

ハイテクプラザは福島県内にある日本酒蔵の後継者育成のための施策を行った。その結果福島の酒の品質が飛躍的に向上し、全国有数のブランドに育て上げた実績を持つ。ビールにおいても研究設備を活用でき、研究員の見識も深い。酵母の開発や機器を用いた官能試験などを通じてビールの品質向上を担う。

画像: 農研機構は、農林水産省所管の食料・農業・農村に関する研究開発機関。福島県浜通り地域では、麦類の栽培研究等を実施している

農研機構は、農林水産省所管の食料・農業・農村に関する研究開発機関。福島県浜通り地域では、麦類の栽培研究等を実施している

農研機構は、現在ホップジャパンの敷地内で大麦・小麦・オーツ麦の3種類を栽培し、土地柄に合った栽培方法を研究している。同時に東日本大震災で被災した県内浜通り地区の農業復活につなげられるようビール用の大麦を試験栽培することで、国内産ビールのほとんどが輸入に頼っている大麦の国産化をホップジャパンと共に探っている最中だ。
「福島Beer Lab」では福島県内の大学にも呼びかけ、適時協力を得ながら活動していく。ゆくゆくは県内にある他のブルワリーも巻き込み、福島県全体のビールブランド強化につなげていく考えだ。

画像: 桜SAKELager スタイル:スペシャルラガー、アルコール度数:5.3%、原材料:麦芽、米(田村市産)、桜(田村市産)、ホップ、価格:660円(330mlボトル)

桜SAKELager スタイル:スペシャルラガー、アルコール度数:5.3%、原材料:麦芽、米(田村市産)、桜(田村市産)、ホップ、価格:660円(330mlボトル)

福島Beer Labの活動第一弾として、3月16日より「桜SAKELager」が発売されている。ビール酵母に加え、福島県産の日本酒用に開発されたオリジナル酵母「うつくしま煌酵母」も使用。ビール酵母によるフルーティなエステル香の中に吟醸香ものぞかせる。
また、田村市産の「ふくしま米」も加えてスッキリした飲み口を実現。さらに同市内でとれた桜をいったん塩漬けにし、塩抜きしてからドライホッピングの要領で桜の香り付けを行ったことで、春らしさも演出した。
桜SAKELagerは、ホップジャパンのオンラインショップをはじめ、全国の酒販店・飲食店で購入できる。

福島Beer Labでは桜SAKELagerを皮切りに、ホップジャパンの敷地内で栽培する赤そばなどから採取した蜂蜜を原料としたミード、麹を使ったビール、県内浜通りの海洋エリアから採取した酵母での
ビール酵母開発などを予定している。
県内の広い地域で育まれた農と最先端技術が、福島というローカルを表現した新しい“ジャパニーズスタイルビール”をどう育んでいくのか、行く末を楽しみにしたい。

●ホップジャパンオンラインショップ
https://hopjapan.stores.jp/

●ホップジャパン
https://hopjapan.com/

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