2021年1月~2月にかけて、キリンビールの主力商品「キリン一番搾り生ビール」「本麒麟」「キリングリーンズフリー」がリニューアルされる。
コロナ禍において消費者の節約・健康志向が高まる中でも、商品販売数が前年比を上回ったという一番搾りと本麒麟、そして2020年4月の発売以来、ノンアルコール・ビールテイスト飲料市場の拡大とさらなる活性化が期待されるグリーンズフリー。2021年の事業方針として「既存ブランドの強化、健康志向など新たなニーズへの対応」を挙げているキリンビールの3商品を飲み比べてみた。
爽快感とみずみずしさがUPした「グリーンズフリー」
まずは、2月24日(水)より全国でリニューアル発売される「グリーンズフリー」。
2020年4月に「自然派ビールテイスト炭酸」として発売されたグリーンズフリーは、麦の香りとホップの味わいを引き出し、炭酸で爽やかな口当たりが特長。香料や人工甘味料の無添加を実現することで大好評を呼び、「ノンアルコール・ビールテイスト飲料」市場の起爆剤となった。
2020年のキリンのノンアルコール飲料は前年比約1割増と成長(キリン調べ)。
この伸長を「グリーンズフリー」が牽引したという。
素材そのものの良さを引き立て、澄んだおいしさが好評を得ている「グリーンズフリー」。新商品のパッケージでは、グリーンのグラデーションを全面に配して、爽快感を強調している。
注いでみると、甘さのある麦汁の香りをふわりと感じる。
新商品でも糖化前の麦汁のような麦の香りを感じるが、それにより青っぽさが入ったというか、ホップらしさのような爽やかなものに変化したように感じる。飲むとすーっと入ってきて、嫌な雑味がなく、後味にはさらりとした爽快感が。よりフレッシュな飲みやすいものへと進化した。
カーボネーションもやややわらかく、口当たりの良さを感じる。
素材の良さを丁寧に引き出す日本初の製法を採用し、ビールと同じ麦芽・大麦とみずみずしい香りが特長の希少ホップ「ネルソンソーヴィン」を新たに採用(一部使用)しました。爽快な味わいと、雑味なくすっきりとした後味を実現しました(香料・甘味料無添加)(プレスリリースより引用)
ビールの代わりではない、素直においしい健康的なドリンクだ。
こんなときだからこそ、体に負担をかけずに爽やかな気分を味わえるリフレッシュドリンクとしておすすめしたい。
【「キリン グリーンズフリー」商品概要】
発売地域:全国
発売日:2021年2月24日(水)
容量・容器:①350ml缶 ②500ml
価格:オープン価格
アルコール分:0.00%
販売予定数:約170万ケース(21,000KL)※大びん換算
製造工場:キリンビール取手工場、滋賀工場、岡山工場(予定)
パンチ力を高めた「本麒麟」
次は2021年1月製造品から順次切り替えとなる「本麒麟」。
各社から新ジャンル飲料の新商品が多発する中、2018年3月に新発売されてから、わずか3カ月で1億本(350ml缶換算)を出荷。キリンビールとしては、同じ新ジャンルの「のどごし<生>」発売以来、ビール類では待望の大型ヒット商品だ。
消費税増税や新型コロナウイルスの影響をもろともせず、発売2年目以降も前年同月の売り上げを超え続け、2020年の販売数量は、前年比約3割増の快進撃を続ける「本麒麟」。今回のリニューアルでは、「本麒麟」の特長である「飲み飽きない味わい」に加え、大麦とキリンビール伝統のドイツ産ヘルスブルッカーホップを増量することによりコクと飲みごたえを向上させ、より完成度の高いうまさを実現しているという。
リニューアル期のパッケージでは「新」デザインを強調して「聖獣麒麟」がより精緻に描かれ、上質感が強調されている。
見た目、注いだときのアロマに大きな差は感じないが、飲んでみると穏やかな苦味とハーバルな香りが鼻から抜ける。まさにラガービールらしい、爽やかなすっきり感が味わえる。従来のモデルに比べて、新商品の方はよりすっきり感が増しつつも、麦芽由来のコクや全体的なパンチ力が向上。飲みごたえはあるのに料理の邪魔をすることはなく、スパイスがきいた中華や濃い味付けの肉料理とも調和してくれそうだ。
「力強いコク・飲みごたえ」を強化し、完成度の高いうまさを実現しました。
大麦増量によって、麦由来のコクと飲みごたえを高めました。
良質な苦味が特長のドイツ産ヘルスブルッカーホップを増量し、コクを高めました。
(プレスリリースより引用)
【「本麒麟(ほんきりん)」商品概要】
発売地域:全国
発売日:2021年1月製造品より順次切り替え
容量・容器:350ml缶、500ml缶
価格:オープン価格
アルコール分:6%
酒税法上の区分:リキュール(発泡性)
販売予定数:約2,230万ケース(282,000KL)※大びん換算
製造工場:キリンビール北海道千歳工場、仙台工場、取手工場、横浜工場、名古屋工場、滋賀工場、神戸工場、岡山工場、福岡工場(全9工場)
麦のうまみ×飲みやすさが高バランスになった「一番搾り」
最後は2月製造品から順次切り替えられるキリンビールのフラッグシップブランド「キリン一番搾り生ビール(以下、一番搾り)」。
2017年、2019年のリニューアルでは、 麦本来のうまみが感じられる、調和のとれた飲みやすい味わいを目指しておいしさを進化。2年ぶりとなる今回のリニューアルでは、「麦のうまみ」をより感じやすくするために仕込条件と発酵条件を見直し、「澄んだ味わい」を引き出したとか。
リニューアルしたパッケージでは、ロゴがやや大きくなったことで力強さが出ている。しずくマークのデザインも新しくなり、よりおいしそうなイメージが強化された。
飲んでみると、シンプルにおいしい。
これぞビール、これぞ一番搾り、という飲みやすさと、麦のうまみの両方をバランスよく感じられる。従来のものバランスの良さが特徴だったが、新商品ではそのバランスがより高い位置で実現されている。新旧で大きな差を明確に体感できるレベルではないが、慎重に飲み比べてみると、より味わいの「きれいさ」を感じることができる。この調和のとれたクリアな味わいは、一番搾りが大切にしている「飲み飽きない」おいしさそのものだ。
コロナ禍で在宅時間が長くなるにつれ、家で過ごす時間を充実させるためのアイテムにニーズが集まる中、おいしいビール類を飲みたいというマインドも加速している。家で飲むからこそ、おいしいものを選びたいもの。キリンビールの主力ブランド刷新は、2026年のビール類酒税一本化を前にした気合も感じられる。飲み手にとっては、デイリーで飲めるビール類の品質アップは願ってもないことだ。
【「キリン一番搾り生ビール」商品概要】
発売地域:全国
発売日:2021年2月製造品より順次切り替え
容量・容器:135ml・缶、250ml・缶、350ml・缶、500ml・缶、大びん、中びん、小びん、慶祝ラベル中びん、7L・樽、15L・樽、20L・樽
価格:オープン価格
アルコール分:5%
販売予定数約:約2,500万ケース(317,000kl)※大びん換算
製造工場:キリンビール北海道千歳工場、仙台工場、取手工場、横浜工場、名古屋工場、滋賀工場、神戸工場、岡山工場、福岡工場(全9工場)