2022年4月2日(土)18:00~19:30、「ファンも実践! よなよな料理部 ポテトサラダ編」がオンラインで開催された。イベントの主催・運営は、ヤッホーブルーイングのファン活動支援プロジェクト「よなよな乾杯委員会」で採用された企画案を考えた一人の「ファン」。第1回目となる今回の主催者は、神奈川県在住のtwitterネーム、かなぱぱ(@kanapapa913)さんだ。
かなぱぱさんは、これまでオン・オフ問わず数々のヤッホーブルーイングのイベントに積極的に参加し、2019年5月には北軽井沢で開催された「よなよなエールの超宴」に参加できないメンバーを東京都内の公式レストラン「YONA YONA BEER WORKS」に集めた「サテライト宴」を同時開催するなど、自他共に認める根っからのヤッホーブルーイングファンだ。イベント当日は社員も含めておよそ20名がモニター越しに集まり、各自好きなビール(当然のようにヤッホーブルーイングのビール率100%)を手にポテサラ愛を語り、ビール談義に花を咲かせた。
当記事では、「ビールメーカーが公式に支援するファンイベント」開催に至るまでの経緯とイベントの様子をレポートする。
ファン活動支援プログラム「よなよな乾杯委員会」とは?
ヤッホーブルーイングといえば、熱量のあるファン自身が企画するファンイベントが活発なことでも知られ、「ファン宴」を代表とするファン主催イベントが各地で実施されている。2020年以降のコロナ禍では「よなよナイト二次会」、「あちこち宴」などオンラインの催しも増えた。飲み会イベントの他に、ロゴやパッケージをモチーフにしたイラストやハンドメイド作品制作など、飲むだけに留まらないビールの楽しみ方もSNSを通じてたびたび目にすることができる。
そういった熱心なヤッホーファンの活動をメーカーとして公認してサポートしていくことで、全国に「乾杯の輪」の広げていくために発足されたのが「よなよな乾杯委員会」。メーカーによるファン活動支援プログラムだ。
この支援活動の一環として、第1回の支援対象企画の募集期間(2021年6月~8月)に提出された企画案の中から選ばれたのが、かなぱぱさんが企画したオンラインイベント「ファンも実践! よなよな料理部 ポテトサラダ編」。ビールに合うおつまみレシピの配信や、リアルでもペアリング料理教室を開催している公式活動「よなよな料理部」のトークテーマとして「ポテサラ」を掲げ、ヤッホーブルーイングの公式SNSやメールマガジンを通してイベントが告知された。メーカーではなくファン主催でありながらイベントは告知直後に満員御礼! 注目度と期待値の高さが伝わってくる。
王道から意外な進化系まで、とっておきの「ポテサラ強化案」が集まる
イベント当日は、ホスト役かなぱぱさんの自己紹介からスタート。
ペアリング料理のレシピ開発や料理教室の講師も務める「よなよな料理部」部長のブルワー「なおG」のビデオメッセージで盛り上がった後は、参加者を少人数のセッションにチーム分けするZoomのブレイクアウトルームを活用して、グループごとに語り合うセッションタイムへ。じゃがいもの品種名からチーム名は「メークイン」「キタアカリ」「男爵」「インカのめざめ」と名付けられ、それぞれの小部屋で濃密なポテサラトークが繰り広げられた。
あるチームでは「ポテサラ強化案」として「いくらをトッピング」「海鮮系の具材を混ぜる」「大量のタバスコ」「隠し味に味噌」「追いオニオン」など、おすすめの隠し味やトッピングについて盛り上がり、別のチームでは、好きなじゃがいも料理の話からポテトチップスの簡単な作り方、「インドの青鬼」に合う味付けの傾向など、ポテサラからさまざまな話題が展開。
じゃがいもの潰し方はゴロゴロかマッシュか。
コンビニのポテサラはどれがおすすめか。
お惣菜なら小パックで楽しむか、ファミリータイプでアレンジするか。
ビールはどんなスタイルが合うか、飲み方は?
飛び交うアイディアを集結したら、ヤッホーファンによるポテサラ専門店ができそうだ。
「山の上ニューイ」や「裏通りのドンダバダ」など、参加者のテーブルには話題の新製品も並び、気づけばあっという間に終了時間。最後はメインルームに集合し、かなぱぱさんによる締めの挨拶と最後の乾杯でイベントはお開きに。「よなよな乾杯委員会」初のファンイベントは、週末の夜のリラックスタイムを心地よい余韻で満たしてくれた。
「ファンイベントだからこそ、目の届く少人数で回数を増やしたい」
イベント終了後、主催者のかなぱぱさんに応募のきっかけや手ごたえをヒアリングした。
―― 「よなよな乾杯委員会」に応募した理由を教えてください。
かなぱぱ:これまで参加したヤッホーブルーイングのイベントを通じて、社員がファンを大事にして信用していることを目の当たりにしてきました。ファンの意見を取り入れ、すぐに反映する傾聴力と判断・行動の早さ。他社ではなかなか見られないと思います。そんな企業風土にも惚れ込んで、もっとイベントが増えたらいいなと思っていたときに「よなよな乾杯委員会」の記事を見ました。「開催してほしい」じゃなくて、自分で開催すればイベントが増えると思ったんです。
私は神奈川県西部に住んでいるので、軽井沢や都内のイベントには参加しづらかったのですが、オンラインイベントなら私のように距離がネックで参加を断念していた人も参加しやすいですよね。普段見ることができない場所を見れたり、直接話せないような人とコミュニケーションできるメリットもあります。そこで思い切って応募してみました。
―― どのような企画案を提出したのでしょうか?
かなぱぱ:当初考えていたのは、オンラインで一緒に料理を作り、クラフトビールを飲みながら料理のこだわりを話し合う、という案。少人数で料理テーマを変えて何度も開催したり、コロナ禍が落ち着いたらリアルイベントとしてレンタルスペースで実際に料理を作ったり、「よなよな料理部」の冊子コーナーへの掲載を目指すというものです。ファンイベントだからこそ目が届く少人数、少人数だからこそ準備が少なく回数がこなせると思いました。
―― ポテトサラダをテーマにした理由は?
かなぱぱ:ヤッホーブルーイングのインターネットラジオ番組『よなよなエールの空想ビアパブ』で扱った話題のひとつにポテトサラダがあったんです。そのとき、社員同士の会話に入って「こんなポテトサラダが好きって言いたい!」と思ったのがきっかけです。ポテトサラダは具材のバリエーションが豊富でこだわりを反映しやすい料理。居酒屋にあるポテトサラダも鉄板メニューでありながら個性がありますよね。日持ちするので作りおきもできるし、オンラインイベントにはもってこいだと思いました。
―― 当日に向けて準備したことは?
かなぱぱ:本やネットでポテトサラダのレシピを調べ、当日に使う資料や参加者の応募フォームの制作、Zoomのホスト機能を使いこなす練習をしました。
―― 準備中にヤッホーブルーイングスタッフからどのようなフォローがありましたか?
かなぱぱ:社員スタッフとオンラインミーティングやメールのやり取りを重ねて、企画案をブラッシュアップしていきました。他にはイベント告知の手伝いや、スタッフからのメッセージビデオや参加者特典の提供なども。当日もご厚意で社員に参加していただけることになったのは安心しましたね。イベント後に行ったアンケートでも、社員参加を希望する声が多かったです。
―― イベントの手応えはどうでしたか?
Zoomの有料プラン契約の関係でブレイクアウトルームの設定がぶっつけ本番になってしまったのは反省点でしたが、イベント終了後に自然と二次会が始まるなど、皆さんに楽しい時間を過ごせていただけたようで安心しました。皆さんポテトサラダや料理への知識が豊富で驚きましたね。開催前は不安もありましたが、やってみて良かったと思います。
ただ、ファン主催のイベントをメーカー公式のSNSやメールマガジンから周知する、というスタイルは珍しいようで、メーカー主催のイベントだと勘違いされやすいので、今後はわかりやすく周知する工夫が必要かもしれません。
リアルな飲み会イベントと違い、リラックスできる環境でビールやおつまみを楽しみながら、じっくり語り合えるのがオンラインの良さ。居住地に関係なく、全国各地、世界中とリアルタイムにつながることができることも醍醐味だ。
中の人=社員では気づかないような斬新なアイディアや意見を取り込み、今後もオン・オフ使い分けながらファンと一緒になって楽しむことで、ヤッホーブルーイングの「乾杯の輪」は大きく広く、ますます広がっていくに違いない。
(イベントバナー、ロゴ提供:ヤッホーブルーイング)