フォトグラファー富山義則氏が国内外を巡り歩いて体験したことを写真とともに紹介していきます。ビールの泡のように消え去る前に一瞬の輝きを放つ、出会った旅の記憶をたどっていきます。

沖縄編

 1975年に沖縄海洋博覧会の映像担当のスタッフとして半年ほど沖縄で暮らしたことから、すっかり沖縄の自然に魅了されてしまい、以来沖縄通いが続いて気がつけば半世紀が経ってしまいました。

 特にビーチ巡りと琉球王朝時代にハマり、沖縄にある有人島はいうまでもなく、無人島もほとんど歩き回って撮影を続けていたのです。というのも、誰もいない南の島のビーチで冷たいビールを飲みながら、コーラルブルーの海と波の音に癒される時間は何者にも変えられない至高の瞬間でした。

 これまでに出会った沖縄のビーチは600余り、その中でも印象的なビーチをこれから紹介したいと思います。これを読んだらクーラーボックスにビールを入れて出かけたくなることでしょう。

 

第一回
竹富島(八重山諸島)

「白い砂浜と夕陽の島」

画像: 第一回 竹富島(八重山諸島)

 八重山諸島で人気の離島といえばまず竹富島が思い浮かびますね。石垣島から定期船でおよそ15分、便数も多いので気軽に行けるのも人気の理由の一つでしょうか。ご存知の方も多いと思いますが、竹富島は島民の努力で島の自然や街並みを維持している美しい島。島内では自動車は使われておらず、牛車が観光客を乗せてのんびり歩くのどかな風景に心が和みます。

画像: 青い海と青い空、まさに独り占めとはこのことだろう。

青い海と青い空、まさに独り占めとはこのことだろう。

 島にはシマンチュ(島人)自慢のビーチがいくつもあるのですが、中でも筆者が心地よいビーチと感動したのがコンドイ浜です。まず砂質が素晴らしいのです。真っ白でサラサラの細かな砂浜,そしてフカフカなので雲の上を歩いているような錯覚さえ覚えました。

画像: この海の色を見てみたくなりませんか?

この海の色を見てみたくなりませんか?

 また海の色も素晴らしいコバルトブルー。青い海と空、そして白い砂浜はまさに南の島の魅力満載のビーチなのです。

画像: 観光シーズンには海の家ならぬ海のキッチンカー?も

観光シーズンには海の家ならぬ海のキッチンカー?も

画像: 遠浅のため干潮時には沖にみえる高速船の近くまで歩けるそうだ

遠浅のため干潮時には沖にみえる高速船の近くまで歩けるそうだ

 もうひとつシマンチュに教えてもらったのが西桟橋です。ここは桟橋なので砂浜のあるビーチというわけではありませんが、この桟橋から見る夕陽が絶景だそうで、夕方になると観光客が集まる人気スポットになっていました。残念ながら筆者が訪れた時に夕日の写真は撮れませんでしたが、確かにこの桟橋で夕陽を眺めながら飲むビールは格別だろう。竹富島を訪れてビール片手に夕日の観賞という八重山の旅もあると思った。

画像: 何もない桟橋だけれど夕方になると観光客が集まってくる

何もない桟橋だけれど夕方になると観光客が集まってくる

画像: 桟橋北側にある浜では芭蕉布を洗っていたそうでヌヌシャーの浜と呼ばれていた

桟橋北側にある浜では芭蕉布を洗っていたそうでヌヌシャーの浜と呼ばれていた

画像: イチャンダビーチ(自然の浜)でビーチコーミング

イチャンダビーチ(自然の浜)でビーチコーミング

 

著者プロフィール

富山義則(とみやま よしのり)

写真家。自然や歴史をテーマに数多くの作品を手掛ける傍ら、雑誌や商品撮影など、その活躍の場は広い。沖縄はライフワークとして、40年にわたり撮り続け、「琉球古道」(河出書房新社)は、沖縄の歴史遺産を、「沖縄ビーチ大全505」(マガジンハウス)は沖縄のビーチの空気感を見事に切り取った作品として評価が高い。ともに、現代写真の研究機関として世界的に知られるアリゾナ大学CCP ( Center for Creative Photography)にアメリカのコレクターを通じアーカイブされている。

 

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