2021年8月6日(金)、サンクトガーレンから、チーズ製造時に出る」ホエイ」と、ブルーベリーを使ったビール「ホエイサワーエール ブルーベリー」がリリースされる。乳酸菌によるフルーティーな酸味にブルーベリーの甘みを加え、泡まで紫色の甘酸っぱいサワーエールだ。
チーズ製造で使われる牛乳の9割は「ホエイ」として廃棄される
サワーエールとは、乳酸菌や野生酵母を取り入れて発酵された酸味の強いビール。伝統的なものでは野生酵母を使ったベルギーのランビックや、乳酸発酵を用いたドイツのベルリーナヴァイセなどがあるが、一般的にビールに「酸」は大敵とされている。工場内に菌が住み着いて他のビールに混入するなど万が一のリスクを考えて、サワーエールは造らないと決めているブルワリーも存在するほどだ。
その大敵とされる「乳酸菌」を使用するため、同商品の製造時は通常業務をストップ。
排気口などタンクの開口部はすべて塞ぎ、製造後は全ての部品を入念に分解洗浄するなど、厳戒態勢のブルワリー内で造られたのがこの「 ホエイサワーエール ブルーベリー」だ。
それだけのリスクと手間をかけたビール開発のきっかけは、厚木市内にある牧場併設のチーズ工房「Bocca(牧歌/ボッカ)」から相談を持ち掛けられたことから。チーズ製造で大量に出る「ホエイ」を活用できないか?と、工房から相談を受けた。
牛乳から製造するチーズだが、実際にチーズになるのは牛乳の1割ほど。
残りの9割はホエイ(乳清)と呼ばれる上澄み液の状態で廃棄される。チーズの副産物であるホエイには、乳酸菌やビタミン、ミネラル、タンパク質などの栄養素が豊富に含まれるため、パウダー加工してプロテインの原料として使われることもあるが、ホエイは日々大量に排出される。加工設備も高額になるため、採算の取れない小さな工房では大量のホエイを廃棄せざるをえないのが現状だ。
そこで、食品ロスの一助として今回はサンクトガーレンがビールとして活用することになった。
ブルーベリーを使い、低アルコールで飲みやすく仕上げた「 ホエイサワーエール ブルーベリー」の甘酸っぱさは、暑気を払いにも良さそうだ。
【「ホエイサワーエール ブルーベリー」商品概要】
アルコール】 4%
価格:506 円(税込)
容量: 330ml
原材料:麦芽、ホップ、ブルーベリー、ラクトース、ホエイ
販売場所:公式ネットショップ、京王百貨店新宿店 酒売場ほか
※ホエイは日本ではビールの原料として認められていないので、この商品は“発泡酒” 扱いとなります。麦芽率は高いので、実際の酒税はビールと同じです。