アサヒビールの主力ブランド「アサヒスーパードライ」が今春大幅なリニューアルを遂げる。中味、パッケージ、コミュニケーションを同時に刷新するフルリニューアルは、1987年3月17日の発売以来36年目にして初めて。2022年2月中旬製造分から順次切り替える見通しだ。
レイトホッピング製法でホップ香を付与&酵母由来の香りを向上
日本のビール市場が成熟して商品の差別化が難しくなる中、スーパードライのもつ唯一無二の価値を高めるため、今回のフルリニューアルでは、特長である「辛口」のコンセプトはそのままに、発売以来初めて中味設計を変更。“キレのよさ”を維持しながら“飲みごたえ”を向上させた。
中味設計の中身としては、煮沸の終了直前にホップを投入する「レイトホッピング製法」によってビールにほのかなホップの香りを付与。発酵時の酸素量を制御し、酵母の働きを調整することで“発酵由来のビールらしい香り”を向上させている。これまでのすっきりした後味はそのままに、飲んだ瞬間の飲みごたえを向上させることで飲み飽きない味わいを実現した。
新パッケージのデザインでは、これまで通りベースのシルバーを守りつつも、これまで以上にシンプルで洗練されたデザインを意識。「スーパードライ」の味の特長を視覚的に分かりやすく表現した“辛口カーブ”をデザインすることで、新しくなった辛口のうまさを訴求している。
プロモーションでは、史上最大規模の広告投資を行い「スーパードライ」の誕生日である2022年3月17日を中心に「新スーパードライ、始まる。」というメッセージを通じて、フルリニューアルをPR。TVCMやYouTuberとのタイアップ企画なども加え、発売翌年の1988年以来となる飛行船「新スーパードライ号」による広告展開なども予定している。2020年の酒税税率改正で減税となったビール需要を取りこぼさないよう、さまざまな販促活動が活発化する見通しの「新スーパードライ」。
今春のフルリニューアルではビールファンから大いに注目を浴びそうだ。
『アサヒスーパードライ』のこれまでの取り組み
1987年:3月17日発売
1993年:鮮度向上活動「フレッシュマネジメント委員会」発足
2005年:製造後3日以内で出荷する「鮮度実感パック」を発売
2009年:地球環境への負担が少ない自然エネルギー「グリーン電力」を製造に活用
2010年:“氷点下のスーパードライ”「エクストラコールド」を展開
2013年:高度な酵母管理技術により“キレ”と“泡のきめ細かさ”を従来より1割向上
2018年:新たな醸造管理技術の導入によりビールの泡もちに寄与する成分を従来品に比べ約1割向上、脂質酸化物の低減により“キレ”を向上
2020年:「鮮度実感パック」をリニューアルし、新たに製造日を記載した「工場できたてのうまさ実感パック」を毎月月末金曜日に発売
2021年:ブランド初の常設施設「スーパードライ ミュージアム」をオープン、「スーパードライ 生ジョッキ缶」を発売