コロナ禍における再生事業支援の影響もあってか、国税庁によると2022年度のビール/発泡酒の製造免許の交付は200件を超えたという。
もちろん、そのすべてのブルワリーがビールファンをうならせるクラフトビールを造っててくれるとは限らないが、いずれにしても、マイクロブルワリーによるクラフトビール醸造が活況を呈しているのは、ビールファンとしては大いに歓迎すべきことだろう。
ここでは、そんな注目すべきマイクロブルワリーの活動を紹介したい。
岡山県内5地区をイメージしたクラフトビールを展開
◆KURASHIKI BREWING COMPANY
まずひとつ目は、岡山県・早島町にある「KURASHIKI BREWING COMPANY」。50年以上にわたり岡山県を中心にレンタルおしぼり事業や業務用資材卸事業を展開してきた、「一倉」が運営するブルワリーだ。
同社はコロナ禍で大きなダメージを受けた外食産業を盛り上げるために、2022年10月にブルワリーを開業。地元応援ビールとして、岡山県内5地区をイメージした5種類のクラフトビール「OKAYAMA JIMOTO BEER 086」を醸造し、県内の飲食店で好評を得ている。
「OKAYAMA JIMOTO BEER 086」は、各地区で見られる景観などの特色をそれぞれビアスタイルやテイストで表現。ボトルのラベルに描かれた、市外局番「086」と各地区の市内局番の頭数字が個性的だ。
開業から半年経ち、2023年5月からは卸販売先を県内から全国へと拡大。全国各地の飲食店でこのビールを味わえるようになった。また、同社WEBサイトでも購入可能だ。岡山の情景に思いを馳せながら、商品ごとに異なる味わいを楽しんでいただきたい。
●OKAYAMA JIMOTO BEER 086 ラインナップ
#2 OKAYAMA PALE ALE
岡山市をイメージした都会的なテイストのアメリカン・ペールエール。柑橘系ホップを使った、いつまでも飽きのこない味わいのビールだ。「ジャパングレートビアアワーズ2023」銅賞受賞作品。
#4 KURASHIKI HAZY IPA
倉敷の白壁の街並みをイメージしたヘイジーIPA。ホップを大量に使い、フルーティーでとってもジューシー。アルコール度数はやや高めで、濁り(霞≒ヘイジー)が最大の特徴。
#6 KIBIJI AMBER ALE
吉備路をイメージしたアンバーエール。五重塔に沈む夕日の色味を表現。香ばしい麦の香りと深いコクが特徴の、通好みの逸品だ。
#8 TSUYAMA CHOCOLATE STOUT
津山をイメージしたスタウト。ダークチョコレートのような風味のとても飲みやすい黒ビールで、肉料理と相性抜群。
#48 HAYASHIMA IGUSA PILSNER
醸造設備がある早島町をイメージしたジャーマン・ピルスナー。日本でお馴染みのピルスナーに、早島町特産のい草のお茶を副原料に使用。さっぱりとした味わいのなかに、ほのかにい草の香りが感じられる。
KURASHIKI BREWING CO.(一倉株式会社)
オンラインショップ https://kbccraftbeer.base.shop
インスタグラム https://instagram.com/kurashiki_brewing?igshid=YmMyMTA2M2Y=