ビール王国連載「Let’s シュフBEER」でお馴染みの料理家の和田明日香さんに、新しいレシピ開発にご協力いただきたい──、という老舗和食店からの相談を受け紹介した同店のマネージャーと後日会った際「あんなに素のままな方は、会ったことがありません」としみじみと語った。
よくよく聞くと、商売がら著名なタレントさんや俳優さんも多数訪れるそうだが、往々にしてテレビを通じてみる姿とのギャップを感じることが少なくない、というのだ。もちろん、週刊誌が得意に報じる“裏の顔”のようなことではなく、言葉の端々に感じる微妙なニュアンスだったりちょっとした表情の変化に、「普段見ている顔(表情)」との差異を感じるというのだ。それが、明日香さんには全くなかったそうだ。
まぁ、それは客商売のエキスパートならではの独特の感覚だろうし、そもそも明日香さんはタレントでも俳優でもなく、料理家ゆえ、そういったいわゆる芸能人と一括りにするのはいかがなものか、とも思うが、彼の言わんとすることもよくわかる。
たとえば「10年かかって地味ごはん。」とその続編である「楽ありゃ苦もある地味ごはん。」(ともに主婦の友社刊)は、レシピ本としては類例を見ない累計30万部以上のヒット作となっている。『地味ごはん』のタイトルの通り、その多くは茶色がベースでいわゆる“映える”料理ではい。しかし、そこに並ぶ料理は子供の健やかな成長のための食事を作る──、という母としてのまっすぐな想いでしかない。そこに余計な飾りは要らないのだ。
そしてこの本に倣って作ったならば、その滋味深い味わいに誰もが「こういう料理を毎日食べたい」と思うに違いない。
そんな料理の数々で明日香さんがゲストをもてなすトーク番組「和田明日香とゆる宅飲み」がBSテレ東で毎週火曜日の夜10時からのレギュラー番組となった(初回は10月8日。お客さまは俳優の八嶋智人さん)。
放映に先立ち行われた発表会の会場で、司会進行が初めてという同局の新人アナウンサー古旗笑佳さんの、いささか緊張されている様子を察したのか、彼女とのかけ合いで「お酒好きなの?」と振り「はい、大好きです」と答える古旗さんにすかさず「なら、(現場に)遊びにおいでよ」と声をかける。
そう言われた瞬間、緊張が解けたのか古旗さんは満面の笑みを浮かべた。明日香さんは自分が作る料理を食べる人同様、語りかける人へも慮ることを忘れない。
この番組を通じて、そんな明日香さんとぜひ一緒に宅飲みしていただきたい。
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