第三回
与那国島
「太平洋の荒波に洗われた隠れ家ビーチ」

与那国島は太平洋に浮かぶ日本最西端の国境の島です。面積はおよそ29平方キロメートル、自転車でも3時間ほどで一周できるといわれていますが、体力に自信のない方はやめておいた方が無難でしょう。というのも意外に坂道がきついからです。人口は2020年度の国勢調査によると1625人、現在は1割ほど増えていると予想されています。
与那国島はカジキマグロ漁が有名です。ヘミングウェイの「老人と海」を思い起こしますね。ここでは小説と同じようにオジイのリアルなカジキ漁の世界が繰り広げられています。久部良漁港では大きなカジキを計量している場面に出会うこともあるそうです。が、筆者が行った時はその大きなカジキは残念ながら見られませんでした。
さて、その久部良漁港の向かいの丘の上に日本最西端の碑があります。また漁港近くには「日本最後の夕陽が見える丘」というなかなかのネーミングの観光スポットもあり、日本最西端は観光資源になっているのですが、海底遺跡?が発見されて世界中に注目されることになりました。日本にありながら、どこかミステリアスな雰囲気のある国境の島ということで人気なのでしょう。
しかしながら、ビーチという点ではなかなか良いビーチがありません。外海に面していることもあり潮の流れが複雑で遊泳には向かないビーチが多いからです。でも久部良漁港に面したナーマ浜は入江になっているので穏やかな海のビーチと言えます。ビール片手に白い砂浜に寝転びながら、漁港に出入りする船や丘の上の灯台を眺めるのは気持ちが良いものです。

久部良漁港の入口にある岬「西崎」の全景。フェリーや漁船の出入りを眺めていると、ゆったりとした時間が過ぎていく。
また与那国島にはDr.コトー診療所というドラマのロケ地がオープンセットになって残されていて人気観光施設の一つになっています。オープンセットの下にある浜が比川浜です。歩いてみましたが、広い砂浜の状態は今ひとつというところでした。近くに比川小学校があり、子供達の遊び場となっているのでしょうか。ロケ地巡りの際に一休みしたくなったら隣の「カタブル浜」がお勧めです。何もない浜ですが、入江になっている海は穏やかで青く、白い砂浜とのコントラストに癒されます。

「比川浜」。休み時間になると子供達が現れた。

「カタブル浜」。誰もいない南の島のビーチ、静寂の中の波の音が心地よい。
じつはタイトルにした隠れ家ビーチは遊泳禁止の浜なのです。それがツア浜とウブドゥマイ浜、隣り合っている浜です。なぜここが隠れ家なのか?というと簡単には見つからない崖下にある浜だから。たどり着くには牧場の中を抜けていくのですが、牛が番人のように立ちはだかっている時もあり、先に進むのに勇気がいります。それでも行く価値はありました。水平線を眺めながら飲むビールは格別でした。

「ツア浜」浜に降りるには立て看板の先の牧場を通り過ぎていく。

「ツア浜」。遊泳はできないが、釣り人の姿はみられた。

「ウブドゥマイ浜」。ツア浜と隣り合う浜なので遊泳は禁止。しかし海は美しいのだ。

島を巡っていると小さな与那国馬の愛くるしい光景に出会う。

