『シャトー・ムートン』や『オーパス・ワン』を手掛けた経験を持ち、現在はチリでワインを造るパスカル・マーティー氏が来日。日本酒酵母を使用して造った『ぎんの雫』のお披露目が行われた。

画像1: 日本酒酵母を使用したワインが登場

このワインの特徴は日本酒酵母(清酒7号酵母)を使用し、低温発酵により醸造されるという点だ。通常のワイン酵母の場合、12℃程度で発酵が行われるが、日本酒酵母だと10℃以下でも発酵が起こる。そして100日間という長時間かけて発酵が進むという。タンク内では大量のオリが発生し、このオリがタンク内を回遊するため自然にバトナージュ(攪拌)されるかのような効果が表れる。2018年はソーヴィニヨン・ブランのみ、2019年はシャルドネも日本酒酵母で醸造した。

構想から7年かけて、低温発酵で醸すワインの実現にこぎつけたマーティー氏は「このワインを日本の皆さまに届けることができて本当にうれしい」と笑顔で話す。

ただ、日本酒酵母であるからこそ、大変なこともあり「日本酒酵母はSO2に弱いので、SO2の量を減らす必要がある。そのためにカーヴを1日5回清掃し清潔に保ち、ブドウを運搬している際の酸化にも気を配らなければならない」とマーティー氏。

来年1月からは六本木のフレンチ「ル・プティ・マルシェ」でワインテイスターの大越基裕氏が監修したマリアージュメニューも登場。

画像2: 日本酒酵母を使用したワインが登場

大越氏は『ぎんの雫 ソーヴィニヨン・ブラン』について「ソーヴィニヨン・ブラン独特の香りが控えめです。ブドウ本来の香りに加え吟醸香のようなニュアンスも感じます」とコメント。テイスティングしてみるとフレッシュな味わいでほのかな塩味も感じた。幅広い料理に合いそうだ。

ソーヴィニヨン・ブランには「鮑と帆立のセビーチェ」「エビのフリット、マイクロコリアンダー、バジルとパイナップルのサラダ仕立て」、シャルドネには「生春巻き An Di Style」「塩麹でマリネしたビゴール黒豚の低温調理 クレソンと日向夏のサラダ添え」を考案。ワインの控えめなハーブ香とほのかな塩味に着目したマリアージュメニューとなっている。

今後はピノ・ノワールを日本酒酵母で醸造してみたいというマーティー氏。また新しいワインを発表してくれるのが楽しみだ。

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