ボルドーの常識を覆す異端の造り手、グザヴィエ・コペル氏が追求する"オートクチュールワイン"
フランスワインの中心地ボルドーのワイン産業は今、大きな転換期を迎えている。そんな中、既成概念にとらわれず新たな価値を創造する異端の造り手がいる。4月中旬のボルドー・プリムール試飲会の際、異彩を放つ醸造家グザヴィエ・コペル氏の興味深い試飲会に参加した。
テロワール至上主義のワイン造り
コペル氏は、ボルドー、カオール、スペインの複数の銘醸地にまたがり、厳選された区画から「オートクチュール」と評される極少量生産のワインを生み出すコンサルタント兼醸造家だ。
彼のワイン造りの根幹には、ブルゴーニュのクリマ(特定の畑)的な考え方に通じるテロワールへの深い敬意がある。ワインの個性と品質を決定づける最も...