イタリア国内とヨーロッパで圧倒的な支持を集めるルガーナ・ワイン。その清冽な味わいは和食に間違いなく合う!ということをイタリアワインに造詣の深いワインジャーナリストの宮嶋勲さんと、ソムリエの若原美紀さんと検証した。
![画像: 和食と相性抜群のイタリア、ルガーナ・ワイン](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783513/rc/2019/12/24/47c93cadef541775d64ca6175558590a0fe0af40_xlarge.jpg)
![画像: イタリアワインに精通するワインジャーナリストの宮嶋勲さんと、「アンティカ・オステリア・デル・ポンテ 東京」ソムリエであり『第9回イタリアワイン・ベスト・ソムリエ・コンクール』チャンピオンの若原美紀さん](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783513/rc/2019/12/24/4555d91e15ad2992523a383c2ae55e0f3aabae87_xlarge.jpg)
イタリアワインに精通するワインジャーナリストの宮嶋勲さんと、「アンティカ・オステリア・デル・ポンテ 東京」ソムリエであり『第9回イタリアワイン・ベスト・ソムリエ・コンクール』チャンピオンの若原美紀さん
イタリアが誇るルガーナワインの産地は?品種は?
ルガーナDOCが位置するのは、イタリア北部。ミラノとヴェネツィアの間にあるイタリア最大の湖・ガルダ湖の南湖畔に広がっている。「古くから保養地やバカンス地として人々に愛されてきたエリアで、上質のワインが造られているんですよ」と宮嶋さん。畑と湖を往来する風のおかげで乾燥するため、病害のリスクが少なく、ブドウがじっくり成熟するという。
使用されている品種は、酸とミネラルが豊かなことで知られる地元固有品種のトゥルビアーナ(またはトレッビアーノ・ディ・ルガーナ)。粘土質の土壌には、ガルダ湖を削り取った氷河が堆積させたミネラルが多く含まれ、ブドウの個性と相まってワインにミネラル分が強く、塩味を感じる味わいが表現される。
ルガーナ・ワインは、基本の『ルガーナ』と熟成期間が違う『スペリオーレ』『リゼルヴァ』、遅摘みの『ヴェンデンミア・タルディーヴァ』、そして『スプマンテ』と合計5つのタイプがある。
酸味がしっかりしているため熟成するのもルガーナの特徴だが、今回は2018年ヴィンテージのスタンダードクラスから造り手の異なる6本を用意した。
![画像: 左から『モントナーレ ルガーナ モントゥナル』 『カンティーナ コッリ モレニチ ルガーナ』 『カシーナ レ プレセリエ ルガーナ アムサ』 『オリヴィー二 ルガーナ』 『ヴィッラベッラ ルガーナ』 『カシーナ マッダレーナ カポテスタ ルガーナ』](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783513/rc/2019/12/24/15ae8c5aa8d937cc11070b16c4b2252cf5d05d01_xlarge.jpg)
左から『モントナーレ ルガーナ モントゥナル』
『カンティーナ コッリ モレニチ ルガーナ』
『カシーナ レ プレセリエ ルガーナ アムサ』
『オリヴィー二 ルガーナ』
『ヴィッラベッラ ルガーナ』
『カシーナ マッダレーナ カポテスタ ルガーナ』
和食の繊細な味わいを酸とミネラルで受け止める
合わせた日本料理は「寿司」「天ぷら」「煮物」の3種類。「典型的なルガーナワインは、『モントナーレ ルガーナ モントゥナル』ですね。すべて和食と合うけれど、これは特に万能でしょう」(宮嶋さん)。
「確かに。酸とミネラルがしっかり、果実味控えめなところは全アイテム共通ですが、それぞれで微妙に個性が違います。そこと料理の相性をみていきたいですね」と若原さん。
![画像: 小ぶりで肴としても楽しめる握りは、インド鮪中トロ、平鱸、インド鮪赤身、あおり烏賊、平貝、穴子の8種](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783513/rc/2019/12/24/cbd6d8a85122894814b47d96f9c466c69094b9c2_xlarge.jpg)
小ぶりで肴としても楽しめる握りは、インド鮪中トロ、平鱸、インド鮪赤身、あおり烏賊、平貝、穴子の8種
寿司といっても白身、赤身、貝と多彩。「どんなネタがきても、土台の酢飯とワインの酸味で合うから大丈夫」(宮嶋さん)。若原さんからは「烏賊の食感と『ヴィッラベッラ ルガーナ』のとろっとした感じが重なり、ミネラル柔らかめの『カンティーナ コッリ モレニチ ルガーナ』は鮪の鉄っぽさを包んでくれます」のコメントも。
![画像: 衣薄めのクリスピーな天ぷらは、才巻海老、あおり烏賊、鱚、甘長唐辛子、舞茸の盛り合わせ](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783513/rc/2019/12/24/8fa26a7eaf7aed04d23a3e70258e1c776ebb7538_xlarge.jpg)
衣薄めのクリスピーな天ぷらは、才巻海老、あおり烏賊、鱚、甘長唐辛子、舞茸の盛り合わせ
お次は天ぷらと。ワインのレモンのような酸味が口中の油分を調え、食欲が進む組合せ。「ほのかな気泡が認められる『カシーナ マッダレーナ カポテスタ ルガーナ』は、衣のサクサク感と合いますね」(若原さん)。「『オリヴィー二 ルガーナ』の繊細な果実味が海老の旨味に寄り添います」(宮嶋さん)。滋味の深い『カシーナ レ プレセリエ ルガーナ アムサ』は、甘唐や舞茸の野菜の天ぷらと好相性だ。
![画像: ほくほくとした大根が冬を感じさせる煮物。柚子と芽葱が香りを豊かに表現している。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783513/rc/2019/12/24/7e4011c6f75695d8d6a6faf0195b5a8b69468737_xlarge.jpg)
ほくほくとした大根が冬を感じさせる煮物。柚子と芽葱が香りを豊かに表現している。
次は田楽味噌のふろふき大根に焼牡蠣、芽葱をあしらい、柚子を天振りした煮物だ。料理自体にいろんな味の要素があって、どのルガーナもぴったり。その中でも若原さんは、「酸もミネラルも穏やかめな『ヴィッラベッラ ルガーナ 』が、味噌のまろやかさはそのままに焼牡蠣の旨味を引き立てています」
今回6本のワインを試飲してみて「幅広い味わいに対応できるルガーナは、年末年始に向けてぜひ飲んでいただきたい1本」(宮嶋さん)、「和食の繊細な味わいを持ち上げてくれるワインだと思います」(若原さん)。和食フレンドリーなルガーナワインをぜひ和食と堪能してほしい。
取材協力/『神田明神下みやび本店』
繊細な日本料理を提供してくれた『神田明神下みやび本店』は、江戸前天ぷらと寿司を中心とした“新江戸前料理”でもてなす店。日本酒、焼酎はもちろん、ワインも幅広くそろえている。
住所:東京都千代田区外神田2-8-9
TEL:03-3251-0155
営業時間/ランチ11:30~14:30(L.O.14:00)ディナー17:30~22:00(L.O.21:00)
http://myojinshita.edomiyabi.com/
![画像: 取材協力/Consorzio Tutela Lugana DOC](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783513/rc/2019/12/24/324d6952b6e9eee5779c5b0c76bc8442f664c40c_xlarge.jpg)
取材協力/Consorzio Tutela Lugana DOC
text by Atsushi TOGAMI photographs by Kentaro TAKIOKA