ワインコンサルタントのミシェル・ロラン氏と、ボルドーの6生産者の共同プロジェクトとしてスタートした「クロス・デ・ロス・シエテ」。
アルゼンチンの標高の高いエリアに可能性を見出したロラン氏は1988年、ボルドーのようなエレガントなワインを造ることを目指し、荒野での畑作りを開始した。クロス・デ・ロス・シエテは、850ヘクタールという広大な畑の中で、ロラン氏が最高品質だと判断したワインだけを集めてブレンドして造る。
この度『クロス・デ・ロス・シエテ』の2017年(今年秋入荷予定)、16年、15年、13年、09年を、モダンベトナム料理店「An Di(アンディ)」の料理とマリアージュさせるセミナーが開かれた。料理を考案したのは、ワインテイスターで店主の大越基裕氏。
最も古いヴィンテージの2009年からスタートした。合わせた料理は「パパイヤのサラダ」。
「09年は熟成して軽やかになってきているので、コース最初の料理に合わせました」と大越氏。刻んだパパイヤにチャーシューがのったサラダを、ベトナム産コーヒーで作った酢を使ったドレッシングで和えている。ドレッシングの苦味と香ばしい香り、チャーシューの焼き目が、熟成したワインと寄り添う。
若さがまだ残る2015年には、「生春巻き」を合わせた。
「15年はフルーティーでエレガント。繊細で軽やかなので、野菜を多用した春巻きを考えました。ブリッジ食材として、煮アナゴ、ワサビ、タマリンド、赤味噌を使っています」
野菜料理なのに赤ワインの深みとコクに負けない味わい、そしてパイナップルやブラッドオレンジなど隠し味に使った果実が、繊細な赤ワインにマッチしたのは新しい発見だった。
現行の2016年には「海苔とカキの揚げ春巻き」をマリアージュさせた。
「熟成していない若いワインには、ヨードを含んだ料理が合います」と大越氏。ブリッジ食材として唐辛子、黒酢、タマネギなどを使ったソースが添えられた。
タンニンが豊富で熟成感が出始めている2013年は「仔羊のロースト」と。黒ニンニクのピュレと黒系スパイスがいっそう複雑な相性を生み、骨太なマリアージュを生み出した。
年の個性、そして熟成の段階がはっきりと表れる、クロス・デ・ロス・シエテ。大越氏は「ロラン氏の力の結集であり、アルゼンチンの可能性が詰まったワインです」と語った。
クロス・デ・ロス・シエテ 2016 年
Clos de los Siete
問い合わせ:(株)JALUX
TEL: 03-6367-8756
価格:3,800円(税別)