イタリア・トスカーナ州ボルゲリにある「オルネッライア」が12年前から行っているプロジェクト「ヴェンデミア・ダルティスタ」。ワインと現代美術の融合を目指し、芸術作品をモチーフにした記念ボトルを慈善オークションで販売、収益金を世界の美術館や財団に寄贈してきた。今年は9月に開催された「サザビーズ」のオンライン慈善オークションに出品し、総額31万5000ドル(約3344万円)の収益金を得た。

 オルネッライアは昨年からソロモン・R・グッゲンハイム財団が立ち上げた「マインズ・アイ」プロジェクトに、同団体と共同参画。同プロジェクトの基金としてオークションの全収益金を寄付した。

「マインズ・アイ」は、視覚が不自由な人でも全身の感覚で芸術を楽しむことを目指し、活動するプロジェクト。「芸術作品は、上質のワインを楽しむ時と同様に、すべての感覚を研ぎ澄まして鑑賞する」という考えのもと、ヴェンデミア・ダルティスタの収益金寄贈を行っている。

画像: ロザリア・フレスコバルディ侯爵夫人(左)と、ソロモン・R・グッゲンハイム財団のディレクター、キャロル・ヴァイル女史

ロザリア・フレスコバルディ侯爵夫人(左)と、ソロモン・R・グッゲンハイム財団のディレクター、キャロル・ヴァイル女史

 2017年ヴィンテージの名前は『ソラーレ』。「眩い」という意味だ。最高醸造責任者のアクセル・ハイツ氏は「この年は圧倒的な陽光に恵まれ、非常に暑かった。力に溢れ、スケールの大きいヴィンテージの特徴をうまく生かすことができた」と語る。

 アート作品を担当したのは、現代美術家のトマス・サラセーノ氏。太陽と生命をはぐくむ人間社会の関係に着目し、地球にとって最も重要なエネルギー源である太陽をケアすることを喚起している。『ソラーレ』では日食のさまざまな瞬間を切り取り、太陽を表現。ラベルには温度を感知する素材を使用し、手で触れると体温に反応して色が変わり、自然環境と共存する社会を表している。

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