アルプス、レマン湖、チーズに高級時計……
スイスと聞いて、そんなイメージを抱く人は多いはず。
え、スイスのワイン!?
そうなんです!
かなりのワイン好きでも、未知なる味に出合えます。

画像1: ピュアな魅力がいっぱい!  スイスワインという“新”選択肢

〈スイスワインの秘密〉
スイスワイン、日本でレアなそのわけは?

画像: 〈スイスワインの秘密〉 スイスワイン、日本でレアなそのわけは?

椎名 当社はプロ用撮影機材を輸入販売している会社です。なかでも「ブロンカラー」という高級ストロボのメーカーがスイスにあるのですが、そんなご縁もありスイスワインの輸入を始めたのです。
情野 ワインの輸入を始めてどのくらい経つんですか?
椎名 10年以上になりますね。当初、私たちはまったくの未経験。ワイン輸入のノウハウもありませんでした。日本ではスイスワインを飲める機会が少なく、前々からお客さまをスイスにお連れした時に「日本ではどこで買えるんですか?」と聞かれることが多くて。
情野 そうですよね。スイスワインは生産量自体が少ない上に、国民がけっこうワインを飲むお国柄でもあるので、スイスで造られたワインは自国で消費してしまえばそれで市場が成り立ってしまう。海外にまでワインを輸出する余裕がないんですよ。
椎名 そのようですね。外国からもワインを輸入して飲んでいます。
情野 となると、国外で飲むスイスワインは“わけてもらったもの”という感じに近い。
椎名 はい。私たちも、普段輸出はしていないワイナリーと契約し、日本向けに特別に確保してもらって直輸入しています。

〈スイスワインのポイント〉
スイスワイン 5つの特徴

1. 高品質な原料ブドウ
スイスと言えば山。ブドウ畑が450〜1100メートルと、ヨーロッパ有数の標高の高いエリアにあり、気温の寒暖差が大きい。そのためブドウの糖度が上がりやすく、白ワイン、赤ワインともにアルコール度数が高めで、ボディにボリューム感のあるワインが生まれる。

画像1: 〈スイスワインのポイント〉 スイスワイン 5つの特徴
画像2: 〈スイスワインのポイント〉 スイスワイン 5つの特徴

2. 認証がなくても自然派
自然環境保護への意識が高い国民性もあり、自然農法や有機農法に積極的。EU加盟国でないスイスでは、フランスのような認証マークがあまりないが、認証の有無にかかわらず自然なワイン造りを行う生産者が多い。

画像3: 〈スイスワインのポイント〉 スイスワイン 5つの特徴

3. 味わいがピュア
自然環境に恵まれた畑で健全に育ったブドウ本来の味わいを生かすため、過度なプレス(圧搾)を行わないため、エグミや雑味が出にくい。そのため、飲み疲れしないピュアな味わいのワインが生まれる。

画像4: 〈スイスワインのポイント〉 スイスワイン 5つの特徴

4. ハンドメイド
国内販売、自家消費を目的とした家族経営の小規模生産者が多く、ブドウ栽培から収穫、醸造、出荷まで一貫して手作業で行うワイナリーが多い。

画像5: 〈スイスワインのポイント〉 スイスワイン 5つの特徴

5. 希少価値が高い
スイスを代表する白ワイン品種シャスラーや、交配品種マレシャルフォシュなど、相当なワイン通でもなじみの薄い品種のワインを産出。生産量の少なさと国外輸出の少なさもあり、目先の変わった贈答品にも最適。

画像6: 〈スイスワインのポイント〉 スイスワイン 5つの特徴

スイスの北と南
個性溢れる〈2つのワイナリー〉

ゲシュビント ワイナリー
Gschwind Winery

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スイス北部、バーゼル=ラント準州の「セルビル」と「クルース」の2カ所に畑を持ち、家族経営でワイン造りを行う小規模ワイナリー。今や造る人がいない珍しい品種のワインを生産したり、安心を追求した革新的な有機栽培に切り替えたり、エチケット(ラベル)デザインを母が手描きしたりするなど、温かみある雰囲気と真面目さが感じられるピュアなワインがそろう。

画像: スイスの北と南 個性溢れる〈2つのワイナリー〉
画像: 山の斜面での収穫は大変だが、昼夜の寒暖差が美味しいワインを造る

山の斜面での収穫は大変だが、昼夜の寒暖差が美味しいワインを造る

画像: 地元のファンが愛飲している、ピュアで飲み疲れしない味わい

地元のファンが愛飲している、ピュアで飲み疲れしない味わい

ドメーヌ パショー
Domaine Paschoud

画像3: ピュアな魅力がいっぱい!  スイスワインという“新”選択肢

スイスを代表する白ブドウ品種シャスラーの銘醸地で、2千年前からワインを造っていると言われる世界文化遺産のラヴォー地区(レマン湖畔)にある造り手。代々土壌を守り、希少性の高い最高品質の白ワイン造りを行う。この世界的にも有名な特別な畑で「日光」「湖面反射」「地中の石垣の輻射熱」の“3つの太陽”がブドウの成熟を促し、厚みのあるワインを生み出している。

画像: レマン湖のほとり、ラヴォー地区の中でも日当たりのいい南向きの最高の畑でシャスラーを生産している

レマン湖のほとり、ラヴォー地区の中でも日当たりのいい南向きの最高の畑でシャスラーを生産している

画像: 斜度が高く栽培条件が厳しい畑。手摘みで収穫し、ブドウはヘリコプターで運ぶ

斜度が高く栽培条件が厳しい畑。手摘みで収穫し、ブドウはヘリコプターで運ぶ

画像: 醸造所も歴史ある古い建物で、畑とともに大事に引き継いでいる

醸造所も歴史ある古い建物で、畑とともに大事に引き継いでいる

画像: スイスは時計も有名。高級ブランド時計の贈答にワインが選ばれることも

スイスは時計も有名。高級ブランド時計の贈答にワインが選ばれることも

スイスのワイン!

画像1: スイスのワイン!

①『ゲシュビント ワイナリー/シュタイバングラー 2019年』
② 『ドメーヌ パショー/クレ・ド・プラン シャスラー 2020年』
③ 『ゲシュビント ワイナリー/シャルモア オーク 2019年』
④『ゲシュビント ワイナリー/ウイユ・ド・ペルドリ 2019年』
⑤『ゲシュビント ワイナリー/シュタイバングラー ピノ・ノワール 2018年』
⑥『ゲシュビント ワイナリー/クルース ピノ・ノワール 2016年』
⑦『ゲシュビント ワイナリー/シュタイシュライファー 2019年』

画像2: スイスのワイン!

フランス料理「レストラン アピシウス」シェフソムリエ
情野博之氏
国際ソムリエ協会認定インターナショナル・ソムリエ。女子栄養大学非常勤講師。シャンパーニュ騎士団認定オフィシエ、第3回「全日本最優秀ソムリエコンクール」第3位、『ゴー・エ・ミヨ2019』のベストソムリエ賞受賞

画像3: スイスのワイン!

アガイ商事(株) ワイン事業担当
椎名めぐみさん

白ワイン

① ゲシュビント ワイナリー『シュタイバングラー 2019年』
品種:リースリング、シルヴァネール
価格:5940円(税込)

椎名 私が現地で飲んだ時には、少し発泡を感じるくらいフレッシュな味わいでした。
情野 確かにピチピチ感がありますね。マスカットやライチのようなフレーバーがよく出ています。酸味が豊かでキリッとしたリースリングの味わいと、研ぎ澄まされたシルヴァネールのスッキリとした味わいがうまく融合している。シーザーサラダやケーク・サレなど、塩味の効いた料理をつまみながら飲みたいワインです。
椎名 贅沢な話なんですが、現地に行った時はチーズフォンデュにこのワインを入れながら、ワイワイいただいたんですよ。
情野 チーズには絶対に合いますよね! 特にラクレットなど焼いたチーズの香ばしさとは最高です。酸が豊富なので、脂肪分があるチーズ料理もさっぱりといただけそうですね。ケレン味のないピュアな白ワインです。

②ドメーヌ パショー『クレ・ド・プラン シャスラー 2020年』
品種:シャスラー100%
価格:1万450円(税込)

情野 「ドメーヌ パショー」は、ボトルの形やエチケットのセンスも抜群ですよね。スイスのシャスラーというと、一般には軽い白ワインのイメージがありますが、このシャスラーはちょっと違う。一般的なシャスラーと違って味わいに厚みがあり、ボリューム感があります。特筆すべき1本です。骨太の甲州のようなイメージも。醸造はブドウに強くプレスをかけないことで、ブドウ本来のピュアな味わいを出しているのでしょう。
椎名 私はハチミツ香も感じます。「甘いワインは苦手」というお客さまがけっこういらっしゃるのですが、そういう時はどうやってお勧めしたらいいでしょうか?
情野 「果実味がある」と僕らソムリエはお伝えしますね。リンゴのミツやパイナップルのようなフルーツ感が感じられる、と。
椎名 なるほど! 残糖がある甘さではないですしね。上品な余韻が残ります。
情野 値段は高いですが、ブルゴーニュのプルミエ・クリュ(1級畑)やグラン・クリュ(特級)のような格が感じられる。味わいにグリップがあり、食中酒としても充分に楽しめます。海がないスイスではありますが、味わいにミネラルを感じるのも特徴ですね。中国料理のホタテの塩炒めなどといただいたら、味わいに素敵なハーモニーが生まれるでしょう。

③ゲシュビント ワイナリー『シャルモア オーク 2019年』
品種:シャルドネ、シャスラー
価格:7150円(税込)

情野 こちらの白は、シャルドネの厚みのある味わいにシャスラーの軽やかさが共存している印象です。樽の香ばしさもより華やかに感じられます。
椎名 熟成期間はそんなに長くなく、半年から10カ月くらい。無理に樽香を付けようという発想ではないので、味わいも重すぎない印象を受けます。
情野 そうですね。ほんのり樽、という程度のさじ加減がちょっとしたアクセントになっていますよね。
椎名 オーナー夫妻の息子のデイヴィッド氏が造り始めたワインで、これからもっと有機栽培に力を入れていくそうです。
情野 酸味が豊かなわりには果実味とのバランスがいい。年末に、ソーロンタン(牛の肉や骨を煮込んだスープ)や豆腐チゲなど、韓国風鍋とともにいただきたいですね。

ロゼワイン

④ゲシュビント ワイナリー『ウイユ・ド・ペルドリ 2019年』
品種:ピノ・ノワール100%
価格:6600円(税込)

情野 辛口で、苦味やタンニンは強くない。ロゼではありますが、まろやかさを伴う白ワインのようです。冷やしてよし、常温でもよし。
椎名 このウイユ・ド・ペルドリは“ヤマウズラの眼”という意味。ピノ・ノワールを直接圧搾法で淡いロゼに仕上げたワインです。
情野 これはソムリエでも、知ってはいるけど飲んだことはない、という人が多いでしょうね。生産量は少ないんでしょう?
椎名 はい、おっしゃる通り、ごく少量生産です。
情野 ピノ・ノワールは高貴品種なので、ロゼを造るのはもったいないと考えるのが普通なんですけどね。この生産者はあえて赤ではなくロゼを造っている。気前の良さを感じます!
椎名 出張でスイスに行った時、ホームパーティーに招待いただいたのですが、野菜も肉も魚も……といろいろなお料理が並んでいて、そんなシチュエーションでいただくのにピッタリでした。
情野 となると、家庭料理のおうち飲みにもいいですよね。豚の生姜焼きを前に、ロゼを飲む。男性がロゼを飲んでいるのってカッコ良くないですか?
椎名 モテそうですよね!
情野  滴のしたたるグラスを手に、ゴクッとセクシーにいきたいですね。(笑)

赤ワイン

⑤ゲシュビント ワイナリー『シュタイバングラー ピノ・ノワール 2018年』
品種:ピノ・ノワール100%
価格:4620円(税込)

椎名 こちらは「ゲシュビント ワイナリー」が持つ2つの畑のうち「セルビル」の畑で造られる、軽い味わいのピノ・ノワールです。
情野 世界的に見たらアルコール度数が高くて濃厚な味わいのピノ・ノワールが人気ですが、これは軽やかでスッキリとした味わいですね。粘土質土壌から来ると思われる苦味が少しあり、渋味の要素もある。昔のピノ・ノワールってこんな味わいだったなあと思わせる、無理に造っていないピュアな味わいがいいですね。かんぴょう巻きなんかのお寿司とさらっと楽しめそう。
椎名 造り手も「赤ワインは重くないと!」という固定観念を持っていないようです。
情野 この軽やかな味わいにもまた、個人経営のワイナリーの良さが出ているようで好感が持てます。
椎名 このイラストはワイナリーのお母さんのクラウディアさんの手書きによるものなんですよ。
情野 センスいいですね!
椎名 家庭的な雰囲気がいい感じに出てますよね。(笑)
情野 赤ワインですが、江戸前のお寿司にも相性がいいですし、赤身の多いローストビーフのような、肉汁のあるものも合いそうですね。

⑥ゲシュビント ワイナリー『クルース ピノ・ノワール 2016年』
品種:ピノ・ノワール100%
価格:5940円(税込)

椎名 こちらは「ゲシュビント ワイナリー」のもう1つのピノ・ノワール、「クルース」の畑で造られるワインです。
情野 畑違いで味わいの差が明確ですね。まるでブルゴーニュのニュイ・サン・ジョルジュのような果実感に溢れ、ボディがしっかりしています。先ほどのピノ・ノワールに比べ、価格差はそれほどないですが、濃厚さは1.5倍くらいの印象です(笑)。アルコール度数も15.8%!
椎名 ブドウの糖度が急上昇することがあり、アルコール度数が高くなるのには、造り手もなかなか苦労しているようです。
情野 これなら、いい感じに焼き色を付けたステーキはもちろん、麻婆豆腐のようなしっかり系中国料理といけそうですね。 
椎名 同じワイナリーが造るピノ・ノワールなのに、畑の土壌の違いでこれだけ味わいに違いが出ます。どちらも透明感ありお勧めですが、ぜひ『シュタイバングラーピノ・ノワール』と飲み比べして、好みを見付けてほしいです。

⑦ゲシュビント ワイナリー『シュタイシュライファー 2019年』
品種:マレシャルフォシュ100%
価格:7150円(税込)

椎名 初めて現地で試飲した時に、一番印象深かったワインです。このマレシャルフォシュという品種をご存じでしたでしょうか?
情野 あまりなじみがないですよね。日本でこの品種が飲めるのは、このワインくらいではないでしょうか? アルザスの研究機関が開発した、ヴィティス・ヴィニフェラとヴィティス・ラブルスカの交配品種で、フランスではAOC法(原産地呼称制度)やEUのワイン法により栽培が認められていないですが、スイスはEU加盟国ではないので規制がありません。カベルネ・フランのような青っぽさや、ボルドーやチリのカルメネールのような茎っぽい印象があるので、日本料理の野菜の炊き合わせにちょうどいいでしょうね。抜け感があって、押しが強くなく、飲み疲れしない。僕はこういうの、けっこう好きです。焼き鳥屋さんやBBQには重宝しそうな赤ワインですね。
椎名 実は……当社が輸入するスイスワインの中でも1番人気のワインが、このマレシャルフォシュなんですよ。
情野 そうなんですね。やはりスイスワインでしか味わえない目新しさが、ワイン好きの心をくすぐるのでしょう。デパートや酒屋さんで、通販で、飲食店でと、スイスワインに出合える機会がこれから少しずつ増えていきそうで楽しみです。あまり市場に出回らない希少なスイスワインに出合えて、長くソムリエをやってて良かった!と思えた瞬間でした。

問い合わせ先:アガイ商事(株)
TEL. 0120-862-886
https://www.swisswine-shop.com/

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text by RyoTAMURA
photographs by Kentaro TAKIOKA

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