広大な土地で多くのクオリティーワインを生み出す一大産地、アメリカ・カリフォルニア州。世界的シェフも惚れ込んだ「マーティン・レイ」と「アンジェリーニ」のワインを、「東京エディション虎ノ門」ヘッドソムリエの矢田部匡且氏と、ワインエキスパートの資格を持つお笑いコンビ「髭男爵」のひぐち君がテイスティング。その魅力と最新&最旬カリフォルニア・ワイントレンドを語り合う!

画像: ひぐち君 お笑いコンビ「髭男爵」のメンバー。2015年にワインエキスパート取得(一社 日本ソムリエ協会)、同会名誉ソムリエ

ひぐち君
お笑いコンビ「髭男爵」のメンバー。2015年にワインエキスパート取得(一社 日本ソムリエ協会)、同会名誉ソムリエ

画像: 矢田部匡且氏 「東京エディション虎ノ門」ヘッドソムリエ 「パークハイアット東京」、カリフォルニア専門のワインバー「ワイン蔵TOKYO」、「ジャンジョルジュ東京」ソムリエを経て20年より現職

矢田部匡且氏
「東京エディション虎ノ門」ヘッドソムリエ
「パークハイアット東京」、カリフォルニア専門のワインバー「ワイン蔵TOKYO」、「ジャンジョルジュ東京」ソムリエを経て20年より現職

誰もが「おいしい!」と思えるワインがそろうカリフォルニア

ひぐち君 ズバリ聞いちゃいます。カリフォルニア・ワインの魅力とは?
矢田部 いきなり直球ですね。でも、すごくいい質問です(笑)。カリフォルニア・ワインの魅力、一番は「選びやすさ」にあります。カベルネ・ソーヴィニヨンならナパ・ヴァレー、シャルドネやピノ・ノワールならソノマ・コーストというように、広大なカリフォルニア州の中にそれぞれの品種の個性をストレートに映し出す銘醸地があり、素晴らしいワインが生まれています。
一方で、カリフォルニアを代表する品種ジンファンデルは、産地の気候によって果実味豊富なワインからスパイシーなものまで多彩にそろう。
飲み手にとって飲みたいワイン、好みのワインが、カリフォルニアには必ずあると言っていいでしょう。だから、選びやすいし、さらには期待を裏切らない。
ひぐち君 確かに! 僕は、ワイン初心者の方から「何を飲んだらいいですか?」と聞かれると、まずはカリフォルニア・ワインをお勧めしているんです。それは、純粋に飲みやすいから。ワインを飲み慣れていない人は酸味に苦手意識を持つことが多いようなのですが、カリフォルニア・ワインの多くは酸が穏やかで、果実味が豊か。甘やかな果実味は幸福感を感じさせてくれますよね。それが飲みやすさにつながって、初心者の方にはすごくいい入り口になるんじゃないか、と。
矢田部 ボリュームはあるのですが、アルコールやタンニンの強さではなく、ひぐち君が表現したように果実味からくるものです。だから、ボリュームはあるのに飲みやすい。これはほかの産地にはなかなかない、カリフォルニア・ワインならではの個性であり魅力だと思います。
ひぐち君 以前は、果実味バーン、樽香ドーン!と、どちらかという重厚な印象もあったのですが、最近のカリフォルニア・ワインは本当に飲みやすいなぁと感じていて。
矢田部 世界的にもよりエレガントなワインを目指す生産者が増えていて、カリフォルニアもまさにその方向にシフトしています。より冷涼な地域を探したり、その地域に適したブドウに植え替えたりと、さまざまな試みによって、ひぐち君がおっしゃるように飲みやすいワインが増えているのです。
ひぐち君 カリフォルニア・ワインって満足度も高いんですよね。料理と合わせてもいけるけど、ワインだけでも贅沢な時間が過ごせる。
矢田部 アウトドアのバーベキューで仲間とワイワイするのも、ワインバーで1人でじっくり向き合うのも、どんなシチュエーションでも活躍してくれる。その間口の広さもカリフォルニア・ワインの選びやすいポイントです。また、旧世界のワインほどヴィンテージを気にしなくてもいい。%%{bgyellow}
ひぐち君 いい年、良くない年で差がないということですか?
矢田部 厳密に言えば、当然年によって違いはありますが、ヨーロッパのように長雨が続くようなことは基本的になく、灌漑設備を活用しブドウの状態を見ながら最適な時期に収穫します。結果、質が安定するので、ヴィンテージにそれほど神経質にならなくていいのです。
ひぐち君 それもまた、選びやすさにつながっているんですね。

あの世界的シェフも認めたワインが日本初上陸!
7/13~7/19まで「伊勢丹 新宿店」グランドカーヴにて販売予定

画像: 左から、アンジェリーニ『ソーヴィニヨン・ブラン 2020年』、マーティン・レイ『シャルドネ 2020年』、アンジェリーニ『ロゼ オブ ピノ・ノワール 2021年』、同『ピノ・ノワール 2020年』、マーティン・レイ『カベルネ・ソーヴィニヨン2018年』

左から、アンジェリーニ『ソーヴィニヨン・ブラン 2020年』、マーティン・レイ『シャルドネ 2020年』、アンジェリーニ『ロゼ オブ ピノ・ノワール 2021年』、同『ピノ・ノワール 2020年』、マーティン・レイ『カベルネ・ソーヴィニヨン2018年』

矢田部 今回は「マーティン・レイ」と「アンジェリーニ」のワインをテイスティングしながらカリフォルニア・ワインの魅力に迫ってみましょう。
ひぐち君 どんなワイナリーなんですか?
矢田部 「マーティン・レイ」は1943年、ワインメーカーのマーティン・レイ氏によってカリフォルニア北部に設立されたワイナリーです。現在はナパ・ヴァレー、ソノマ・コースト、ドライ・クリーク・ヴァレーといった、気候が異なる産地でさまざまなブドウを栽培し、バラエティー豊かなワインを生み出し続けています。「アンジェリーニ」は姉妹ブランドです。
これらのワインに惚れ込んだのが、世界的な人気レストラン「NOBU」のオーナー松久信幸氏。30年前に出合い、そのクオリティーの高さに感動し、オリジナルキュヴェを依頼。現在も『MATSUHISAオリジナルワイン』として、レストランで提供されています。今回、このワイナリーのワインは日本初上陸となります。
ひぐち君 世界の松久シェフのお墨付きワイナリーなんですね。期待が高まります。
矢田部 女性ワインメーカーが担当していることもあってか、繊細でエレガントな味わいが人気を博しています。
まずは『アンジェリーニ・ソーヴィニヨン・ブラン 2020年』から。ソーヴィニヨン・ブランはハーブ香などが強いものも多いですが、このワインは青々としたトーンが強くなく、とてもクリーンな印象。とはいえ、カリフォルニアならではのしっかりとした厚みのある果実味を感じます。
ひぐち君 きれいなソーヴィニヨン・ブランで、飲みやすいですね。シードルを思わせるような果実味が心地いい。リンゴのタルトなどスイーツとも合わせても美味しいかも。
矢田部 次はシャルドネ『マーティン・レイ シャルドネ ソノマ・コースト 2020年』。トロピカルフルーツのアロマにクレーム・ブリュレやカスタードクリーム、樽から来るヴァニラなど、とてもリッチな香りが調和します。クリーミーでコクがあり、丸みと柔らかさも感じられる、非常に奥行きのあるシャルドネです。
ひぐち君 濃縮感はありつつとてもエレガント! 口当たりが滑らかで、高級感のある味わいです。でも、酸が穏やかで果実味が豊かなので、このワインもとても飲みやすい。
矢田部 栽培に冷涼な地域を選び、ブドウもしっかりと選果していることでエレガントに仕上がっているのでしょう。ボリュームがあるのに、重たさを感じさせませんよね。そして料理と合わせやすいのも魅力。フレッシュなグリーンサラダも、ハーブやスパイスを効かせた料理も、王道のクリームバターソースを使った魚料理とも。お寿司も合いそう。アペリティフからメインまで1本を通して楽しめます。
ひぐち君 これからの季節、トウモロコシの天ぷらと合わせてみたいなぁ。熱々の揚げたてにバターをちょっと乗せて……。
矢田部 いいですねぇ。
カリフォルニアでは、ロゼワインも素晴らしいものが生まれています。中でもピノ・ノワール100パーセントのロゼは、あえて「ロゼ・オブ・ピノ・ノワール」と銘打つ商品が多い。自信の表れでしょう。『アンジェリーニ・ロゼ オブ ピノ・ノワール 2021年』はまさにその一つで、グラスから自然な花の香りがふわっと立ち上り、ストロベリーキャンデーのようなやさしい甘味が伸びていきます。でも決して甘ったるくはなく、透明感のあるピュアでフルーティーな味わいが広がります。
ひぐち君 まるでバラの花びらを浮かべたバスタブに浸かっているような……。ロマンチックな気分になれるロゼですね。和食にも合いそうなので、真夏に京都の川床でハモの梅肉和えと、なんて、「はんなり」なペアリングを楽しんでみたいなぁ。
矢田部 いいですね! ピノ・ノワールならではの気品があるロゼなので、繊細な和の食材とは非常に相性がいいでしょう。対して、赤ワイン『アンジェリーニ・ピノ・ノワール2020年』は、ラズベリーやブルーベリーなどの果実味が際立つピノ・ノワール。それでいてフローラルな香りと生き生きとした酸味があることで、全体としてはスムーズでエレガントに仕上がっています。
ひぐち君 果実感は豊かですが、これまでカリフォルニアのピノ・ノワールに抱いていた印象と違い、柔らかくてやさしいですね。
矢田部 果実味からのボリュームはありながら、産地のソノマ・コーストは海からの風の影響によって冷涼で、とてもエレガントに仕上がっているのです。さらにタンニンが穏やかなので、このワインもまたとても飲みやすい。そして、ピノ・ノワール本来の個性がストレートに表現されていて、味わいがつかみやすい。カリフォルニアのピノ・ノワールの最旬の魅力をきれいに表現していますね。
最後は『マーティン・レイ カベルネ・ソーヴィニヨン 2018年』。これぞナパ・ヴァレーと言える、高品質カベルネ・ソーヴィニヨン! 非常にリッチで力強い味わいです。
ひぐち君 この果実味の豊かさ! それでいてカカオのような濃厚な香りも広がります。チョコレートにも合いそう。
矢田部 カカオ、ヴァニラやクローヴ、スギなど、フルーツのトーン以外の要素もどんどん出てくる。これがカリフォルニア・ワインならではの特徴です。果実味がありながら、同時にブラックオリーヴやなめし革などの複雑な要素も加わり、香りが一気に花開き、余韻まで心地よく続く。
ひぐち君 ワインバーでじっくり時間をかけて向き合いたい、スペシャルなワインです。
矢田部 ワイン単体でも十分満足できる味わいですよね。もちろん、料理とのペアリングの幅も広く、特に肉料理とは鉄板。ステーキやグリルした肉もいいし、煮込みも合う。ミ・キュイという半分火を入れた調理法の肉料理もいいと思います。

幸せ感じる豊かな果実味とエレガンスに魅せられて

矢田部 「マーティン・レイ」「アンジェリーニ」5種のワインをテイスティングしました。いかがでしたか?
ひぐち君 それぞれの品種の個性が、ストレートかつきれいに表現されていますね。いずれも太陽を感じるような豊かな果実味で満足度が高いのに、重さはまったく感じず、とにかく飲みやすい。このクオリティーのワインだとかなり高価格かな?と思いましたが、4000円台からラインナップしていると聞き驚きました。%%{bgyellow}
矢田部 ワインは税金や仲介など、どうしてもコストがかかってしまう商品です。現地で25ドル程のワインも、日本では小売りで6000円くらいになる。仕方ないことなのですが、しかしこれらワイナリーに関しては、長く現地で暮らすワイン好きの日本人女性2人がインポーターを立ち上げ「本当に美味しいカリフォルニア・ワインを届けたい」という情熱のもと、企業努力でリーズナブルに提供している。「超コスパワイン」と言えると思います。
ひぐち君 価格って大事ですよね。贈り物としてちょうどいい価格帯だし、普段ワインを飲みなれない人にも、ワイン通の方でも、どんな方にも喜んでもらえそう。もちろん、自分へのちょっとしたごほうびにもピッタリ。「今日はちょっといいワインを開けたいな」という家飲みシーンにもバッチリですね。すべてスクリューキャップですが、これがまた便利! それこそ初心者の方も簡単に抜栓できるし、バーベキューなどアウトドアでも楽しめそうですね。
矢田部 ヴィンテージによるブレをほとんど気にしなくていいと冒頭にお話ししましたが、基本的には飲みごろも深く考えなくてもいいと思います。いつ開けてもいいし、飲む温度もそんなに神経質にならなくていい。それがカリフォルニア・ワインならではの魅力であり実力なのです。
ひぐち君 もっともっとカリフォルニア・ワインの世界を知りたくなりました!

画像: 矢田部「ブドウの個性をストレートに表現しながら、繊細でエレガント! これぞ最旬カリフォルニア・ワインです」 ひぐち君「この価格でこのクオリティーにびっくり。超コスパワインですね。幸せ感じる豊かな果実味に笑顔が止まりません!」

矢田部「ブドウの個性をストレートに表現しながら、繊細でエレガント! これぞ最旬カリフォルニア・ワインです」
ひぐち君「この価格でこのクオリティーにびっくり。超コスパワインですね。幸せ感じる豊かな果実味に笑顔が止まりません!」

画像: 幸せ感じる豊かな果実味とエレガンスに魅せられて

マーティン・レイ
1943年設立。寒暖差の激しい北カリフォルニアの気候によって良質なブドウに恵まれ、中でもピノ・ノワールが人気を博してきた。現在はサンタ・ローザにあり、ナパ・ヴァレーやソノマ・コースト、ドライ・クリーク・ヴァレーなど異なるテロワールでさまざまなブドウを栽培し、バラエティー豊かなワインを生み出している。

オーナーのコートニー・ベンハム氏

『シャルドネ 2020年』
品種:シャルドネ100%
希望小売価格:6800円(税別)
黄桃、パイナップル、トロピカルフルーツのアロマに、クレーム・ブリュレ、カスタードクリーム、ヘーゼルナッツ、アーモンドの香りと樽熟成によるヴァニラのトースト香などリッチな香りが広がる。丸みがありやさしい口当たり。味わいはクリーミーで濃縮感があり、オイリーな印象の力強く厚みのあるシャルドネ。マッシュルームなどキノコのパスタや、サフランとバターを使ったリゾット、ニョッキなどがクリーミーな印象と調和する。

『カベルネ・ソーヴィニヨン 2018年』
品種:カベルネ・ソーヴィニヨン100%
希望小売価格:7800円(税別)
香りはブラックベリー、プラムのコンポートフルーツのトーンがしっかりと感じられ、スギ、ハーブ、タバコ、土、樽由来のヴァニラ、トーストも。非常に複雑性がありリッチ。タンニンは力強く緻密。トリッパのトマト煮込み、ブッフ・ブルギニオン(牛肉の赤ワイン煮込み)、ボロネーゼパスタなど、王道の和牛ビーフステーキとも。付け合わせには素材の甘味や旨味が感じられるマッシュルームのソテー、ズッキーニのフリット、新タマネギのグリルなどを添えて。

アンジェリーニ
「マーティン・レイ」の姉妹ブランド。

ワインメーカーのレーミー・パターソンさん(左)、レズリー・レナウドさん

『ソーヴィニヨン・ブラン 2020年』
品種:ソーヴィニヨン・ブラン100%
希望小売価格:4800円(税別)
黄色いリンゴ、洋ナシ、パイナップルなど熟したフルーツのトロピカルなアロマに、レモンバームやカモミールの香りが加わる。口当たりは滑らかでライチ、黄桃のフレーバーがふくよかながら、生き生きとした酸味が清涼感を与えている。フレッシュさとコクのバランスがいいソーヴィニヨン・ブラン。スズキや真ダイのグリルにアスパラガス、グリーンピースやソラマメ、インゲン、春菊やクレソンを合わせ、和風だしのソースとともに。

『ロゼ オブ ピノ・ノワール 2021年』
品種:ピノ・ノワール100%
希望小売価格:4800円(税別)
ストロベリーやクランベリーなどフレッシュな赤系果実に、スミレ、ベルガモットの花が華やかに香る。スムーズな飲み口で、チェリーやピンクグレープフルーツを思わせるピュアでやさしい果実味が広がる。夏らしい透明感のあるフルーティーなロゼ。前菜と好相性。サーモン、甘エビ、トマトとカッテージチーズ、トマトの冷製ガスパチョなどと。

『ピノ・ノワール 2020年』
品種:ピノ・ノワール100%
希望小売価格:4800円(税別)
明るい色調のルビーカラー。ラズベリー、ブルーベリー、ボタンやスミレなどフローラルな香りが広がる。しっかりした酸味が生き生きとしていて、スムーズでしなやかながら、ふくよかなピノ・ノワール。豚肉のリエットなどのシャルキュトリー類はもちろん、魚介を使った中国料理とも好相性。サーモン、カツオ、マグロ、真ダコのグリルに、チミチュリ(*)やサルサといった酸味のあるスパイシーなソースを添えて。
*アルゼンチン発祥のソース。パセリとニンニクのみじん切りを、オイル、酢、塩で和えたもの

★ワインは7/13~7/19まで「伊勢丹 新宿店」グランドカーヴにて販売予定

問い合わせ先:㈱かりふぉるにあ商事 TEL.0557-88-0007

㈱かりふぉるにあ商事 オーナー Yoko(左) & Meg

取材協力:東京エディション虎ノ門

text by Asako NAKATSUMI
photographs by Shoichi NOSE

This article is a sponsored article by
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