7月26日、「Japan Wine Competition 2022」(日本ワインコンクール)の審査結果が発表された。

コロナ禍により、2019年以来3年ぶりに開催された本コンクール。今年は全国から706点のワインが出品され、過去最多となる108ワイナリーが参加した。そのうち金賞24点、銀賞71点、銅賞109点、奨励賞56点の合計260点が受賞した。

「日本ワインコンクール」とは

2003年から開催されている、日本ワインを対象としたコンクール。日本ワインの品質や認知度の向上を図るとともに、それぞれの産地のイメージと日本ワインの個性や地位を高めることを目的とする。今回で18回目を迎えた。

「日本ワインコンクール 2022」の概要
出品ワイン数:706点(108ワイナリー ※過去最多)
審査員:25名(国内のワインジャーナリスト、ソムリエ、産地組合の代表など)
審査方法:
1.部門別に5グループに分かれて審査
2.視覚、香り、味わい、ハーモニーなどの各項目により審査
3.100点満点で採点

パワーアップする日本ワイン

実行委員会会長の奥田徹氏(山梨大学大学院総合研究部附属ワイン科学研究センター教授)は「最近は700点超のエントリーが安定して続き、日本ワインコンクールが各ワイナリーにとって目標の一つとして浸透してきたと感じています。日本ワインは飲食店のみならず、在外公館のレセプションでも扱われることも多く、海外でも高い評価を受けています。これからも生産者の皆さんには、品種や風土の特性を生かしたワイン造りを続けてほしい。そして、本コンクールに出品し、日本ワインを国内外にアピールしてほしいと思います」と激励した。

実行委員会審査委員長の恩田匠氏(山梨県産業技術センター ワイン技術部部長)は、今回のトピックスは三つあるとし、まず、過去最多の108ワイナリーが出品したことを挙げた。また「欧州系品種(白)部門」では、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランのほか、ケルナー、アルバリーニョが受賞。特に、アルバリーニョの金賞受賞はコンクール初の快挙だ。「日本における欧州系白ワイン用品種が多様化している」と語った。三つ目のトピックスは、甲州のオレンジワインの飛躍だ。オレンジワインの金賞受賞も初で、甲州の多様化と品質の向上がうかがえる結果となった。
恩田氏は「出品されたワインはどれも高品質で、審査員を悩ませました。2019年~2021年ヴィンテージが中心にそろい、厳しい年がある中でも欠点のないワインが多く、醸造技術の高まりを感じました」とコメントした。

表彰式と生産者向けセミナーは、8月27日(土)に「ホテル談露館」にて行われる。

主な受賞ワイン

★は部門最高賞(各部門で銀賞以上かつ最高点のもの)
☆はコストパフォーマンス賞(各部門で銀賞以上かつ2000円未満のものの中で、最高点のもの)

【欧州系品種(赤)】
153点エントリーのうち64点が入賞(金賞8、銀賞17、銅賞28、奨励賞11)

★金 『ソラリス 千曲川 メルロー 2018年』(長野県/マンズワイン 小諸ワイナリー)
金 『サントリーフロムファーム 登美 赤 2017年』(山梨県/サントリー)
金 『ソラリス 小諸 メルロー 2018年』(長野県/マンズワイン 小諸ワイナリー)
金 『ソラリス ラ・クロワ 2018年』(長野県/マンズワイン 小諸ワイナリー)
金 『ソラリス マニフィカ 2015年』(長野県/マンズワイン 小諸ワイナリー)
金 『シャトー・メルシャン 椀子シラー 2019年』(長野県/シャトー・メルシャン)
金 『ミュゼドゥヴァン リミテッド塩尻メルロー 2020年』(長野県/アルプス)
金 『DOMAINE HIROKI ルヴェ デュ ソレイユ 2020年』(長野県/ヴィニョブル安曇野)

【欧州系品種(白)】
158点エントリーのうち69点が入賞(金賞8、銀賞22、銅賞32、奨励賞7)

★金 『菊鹿シャルドネ 樽熟成 2019年』(熊本県/熊本ワインファーム)
金 『ソラリス 千曲川 ソーヴィニヨン・ブラン 2021年』(長野県/マンズワイン 小諸ワイナリー)
金 『NAC シャルドネ〔樽熟〕2020年』(長野県/井筒ワイン)
金 『TOMOÉシャルドネ 待月 2020年』(広島県/広島三次ワイナリー)
金 『シャトーマルス 穂坂日之城シャルドネ プライベート・リザーブ 2019年』(山梨県/本坊酒造 マルス山梨ワイナリー)
金 『久住シャルドネCatwalk 2019年』(大分県/久住ワイナリー)
金 『余市ハーベスト ケルナー スペシャルキュヴェ 2019年』(北海道/北海道ワイン)
金 『安心院ワイン アルバリーニョ 2021年』(大分県/三和酒類 安心院葡萄酒工房)

【国内改良等品種(赤)】
116点エントリーのうち23点が入賞(金賞3、銀賞5、銅賞6、奨励賞9)

★金 『NAC マスカット・ベリーA〔遅摘み〕2019年』(長野県/井筒ワイン)
☆金 『NAC マスカット・ベリーA 2021年』(長野県/井筒ワイン)
金 『岩の原葡萄園 ヘリテイジ 2019年』(新潟県/岩の原葡萄園)

【国内改良等品種(白)】
22点エントリーのうち9点が入賞(銅賞4、奨励賞5)

銅 『ソレイユ・ルバン セミドライ 2020年』(山形県/庄内たがわ農業協同組合 月山ワイン山ぶどう研究所)
銅 『風 2021年』(岩手県/岩手くずまきワイン)
銅 『紫波モンドブリエ 2021年』(岩手県/紫波フルーツパーク)
銅 『星 2021年』(岩手県/岩手くずまきワイン)

【甲州】
119点エントリーのうち47点が入賞(金賞3、銀賞16、銅賞22、奨励賞6)

★☆金 『シャンモリ 柑橘香 勝沼甲州 2021年』(山梨県/盛田甲州ワイナリー)
金 『キュリアス タイプOR 2021年』(山梨県/蒼龍葡萄酒)
金 『勝沼甲州樽発酵 2021年』(山梨県/シャトレーゼベルフォーレワイナリー 勝沼ワイナリー)

【北米系等品種(赤)】
5点エントリーのうち2点が入賞(銀賞1、銅賞1)

★☆銀 『北海道限定 おたる キャンベルアーリ 赤 2020年』(北海道/北海道ワイン)

【北米系等品種(白)】
28点エントリーのうち11点が入賞(銀賞3、銅賞3、奨励賞5)

★☆銀 『ナイヤガラ甘口 2021年』(長野県/ぶどうの郷山辺 山辺ワイナリー)
銀 『TOMOÉデラウェア 2021年』(広島県/広島三次ワイナリー)
銀 『ほくとの大地から ナイアガラ NV』(北海道/はこだてわいん)

【欧州・国内改良品種等ブレンド(赤)】
16点エントリーのうち3点が入賞(奨励賞3)

奨励 『ワインセラー No.15 NV』(山梨県/シャトレーゼベルフォーレワイナリー)
奨励 『グランポレール エスプリ・ド・ヴァン・ジャポネ 絢』(岡山県/サッポロビール 岡山ワイナリー)
奨励 『蒼龍 コンチェルト タイプA 2019年』(山梨県/蒼龍葡萄酒)

【欧州・国内改良品種等ブレンド(白)】
10点エントリーのうち3点が入賞(銀賞1、銅賞2)

★銀 『ソラリス ル・シエル 2021年』(長野県/マンズワイン 小諸ワイナリー)

【極甘口】
10点エントリーのうち4点が入賞(金賞1、銀賞2、奨励賞1)

★金 『ソラリス 千曲川 信濃リースリング クリオ・エクストラクション 2019年』(長野県/マンズワイン 小諸ワイナリー)

【ロゼワイン】
28点エントリーのうち11点が入賞(銀賞1、銅賞5、奨励賞5)

★銀 『北島ヴィンヤード ツヴァイゲルト&ピノ・ノワール ロゼ 2019年』(北海道/北海道ワイン)

【スパークリングワイン】
41点エントリーのうち14点が入賞(金賞1、銀賞3、銅賞6、奨励賞4)

★金 『安心院スパークリングワイン 2020年』(大分県/三和酒類 安心院葡萄酒工房)

関連リンク

全受賞ワインはこちらの公式サイトで発表される。
https://www.pref.yamanashi.jp/jwine/

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