地中海に面した南仏ラングドック地方モンペリエ近郊の港町セットから北西に約25キロ。サン=フェリクス=ド=ロデに本拠を構える「アドヴィニ」は、この地で1872年よりワイン造りを行ってきたジャンジャン家をオリジンとする。今やフランス企業としては五指に入る売上を誇り、フランス国内とチリや南アフリカなど計15のワイナリーを所有するワインカンパニーだ。

1872年に「ジャンジャン」として創業以来、契約農家からブドウやワインを購入するワインビジネスはヨーロッパの鉄道網の発達とともに大きく軌道に乗り、その後も国内外のワイナリーを買収するなどして世界的なビッグビジネスを展開してきた。

そんなアドヴィニの原点であるジャンジャン家の6代目であるブリジット・ジャンジャンさんは、現在、100パーセントオーガニックでワインを造る九つのドメーヌを束ねる「ヴィニョーブル・ジャンジャン」のCEOである。来日に際し「私たちにとってゆりかごであり根っこ」というドメーヌの一つ「マス ド リュネス」とそのワインについて語ってもらった。

画像: 「ヴィニョーブル・ジャンジャン」CEO のブリジット・ジャンジャンさん。南フランスを代表するネゴシアン(ワイン商)であるジャンジャン家に生まれる。1992年にファミリーが経営する会社に入り、その後数年間をカナダのケベック州で過ごす。2000年に輸出マネジャーに就任。現在は、ラングドックにある九つのドメーヌを有するヴィニョーブル・ジャンジャンのCEOとして、ラングドック・ワインの素晴らしさを世界に伝えている


「ヴィニョーブル・ジャンジャン」CEO のブリジット・ジャンジャンさん。南フランスを代表するネゴシアン(ワイン商)であるジャンジャン家に生まれる。1992年にファミリーが経営する会社に入り、その後数年間をカナダのケベック州で過ごす。2000年に輸出マネジャーに就任。現在は、ラングドックにある九つのドメーヌを有するヴィニョーブル・ジャンジャンのCEOとして、ラングドック・ワインの素晴らしさを世界に伝えている

生物多様性を保つ環境で
オーガニック栽培を徹底

マス ド リュネスはジャンジャン家がラングドック内に九つ所有するドメーヌのうち、2番目に大きい45ヘクタールのブドウ畑を持つ。AOPグレ・ド・モンペリエ内に位置し、標高100 〜150メートル、灌木が茂るラングドック特有の丘陵地帯に、小石が散らばった粘土石灰質土壌の畑が広がる。地中海の陽光と海からの涼しい風に恵まれ、年間約300日が晴天という乾燥した気候。そのためブドウに病害が少なく、オーガニック栽培に最適な土地だ。

ジャンジャン家はかねてより自然な手法でブドウやオリーヴを栽培し、養蜂を行い、羊を育ててきた。化学的農薬や肥料をいっさい使用しない栽培で、2013年にEUのオーガニック認証「ユーロリーフ」を取得。19年には環境に配慮した取り組みが評価され、フランス国内の環境保全認証「HVE」最高レベル3を取得している。

画像: 自然に囲まれた「マス・ド・リュネス」のワイナリー。リュネスは「月」という意味で、丘の上に広がるこの地は月が美しく見えることからこの名前が付けられたという

自然に囲まれた「マス・ド・リュネス」のワイナリー。リュネスは「月」という意味で、丘の上に広がるこの地は月が美しく見えることからこの名前が付けられたという

「ラングドックは、1980年代は国内に向けた大量生産のワイン産地でしたが、90年代に輸出が増え、次第に量より質が求められるようになりました。高品質志向への転換は私たちも同様です。ラングドック各地の地質を徹底的に調査し、伝統的な品種であるシラーやグルナッシュだけでなく、国際マーケットで求められるシャルドネやピノ・ノワールに適した土地を選別、オーガニック栽培を実践してきました。醸造に際しても自生する300もの野生酵母を採取し、土地の個性を味わいに表現しています」とブリジットさん。

画像: 年間300日が晴天という恵まれた気候のおかげで、オーガニック栽培に適している。ブドウだけでなくオリーヴや羊も育てている

年間300日が晴天という恵まれた気候のおかげで、オーガニック栽培に適している。ブドウだけでなくオリーヴや羊も育てている

「アペリティフ(食前酒)にはもちろん、プラトー・デ・コキヤージュ(貝の盛り合わせ)やブイヤベースなどの魚料理、チーズにもぴったり」という『スクレ ドリュネス シャルドネ 2021年』。フローラルで、程よい樽香が味わいに厚みを持たせ、ペアリングの汎用性が高い。

『スクレ ド リュネス ピノ・ノワール2021年』は「冷やして飲んでも美味しい繊細で軽やかな赤ワイン。ブルゴーニュ・ワインにはない太陽の恵みが存分に感じられる、ふくよかさが魅力です。もちろん手に入れやすい価格もね(笑)」とブリジットさん。昨今の異常ともいえる気温上昇を考慮し、北斜面の比較的涼しい畑のピノ・ノワールを使用する。

『スクレ ド リュネス シラー 2018年』はブラックペッパーのスパイシーな香りとブルーベリーの濃厚なジューシーさが口中いっぱいに広がる、ラングドックの本領を発揮した1本。家庭料理の腕も評判のブリジットさんは「このワインに合わせる私のお勧め料理はコトレット・ダニョー(骨付きラム肉のグリル)ですね」と教えてくれた。

「私たちが目指すのはコストパフォーマンスに優れたワインではありません。〝品質と喜びに満ちたワイン〞を皆さまにお届けすることです。そしてラングドックの恵まれた自然環境を次世代へと引き継いでいきたいと思っています」言葉通り、ブリジットさんの表情は、終始笑顔と生きる喜びに満ち溢れていた。

画像: 左から 『スクレ ド リュネス シャルドネ 2021年』 Secret de Lunès Chardonnay 品種:シャルドネ100% 価格:2112円 フレンチオークの古樽を1/3使用することにより華やかに、樽由 来のヴァニラ香も現れる。陽光を感じさせるふくよかな果実味と、 心地いいまろやかな酸。魚介料理全般、パエリア、チーズと。 『スクレ ド リュネス シラー 2018年』 Secret de Lunès Syrah 品種:シラー100% 価格:2112円 ブルーベリーのような黒い果実の濃厚な香りに、ブラックペッパー のスパイシーさが加わる。滑らかなタンニンと渋味を持ったフル ボディ。仔羊料理、ジンギスカン、うなぎのかば焼きと。 『スクレ ド リュネス ピノ・ノワール 2021年』 Secret de Lunès Pinot Noir 品種:ピノ・ノワール100% 価格:2112円 チェリーの軽やかな香り。繊細でフレッシュな酸、フルーティー さが前面に出たジューシーな果実味、まろやかなタンニンのミディ アムボディ。豚のショウガ焼き、お好み焼きとも。

左から
『スクレ ド リュネス シャルドネ 2021年』
Secret de Lunès Chardonnay
品種:シャルドネ100%
価格:2112円
フレンチオークの古樽を1/3使用することにより華やかに、樽由
来のヴァニラ香も現れる。陽光を感じさせるふくよかな果実味と、
心地いいまろやかな酸。魚介料理全般、パエリア、チーズと。

『スクレ ド リュネス シラー 2018年』
Secret de Lunès Syrah
品種:シラー100%
価格:2112円
ブルーベリーのような黒い果実の濃厚な香りに、ブラックペッパー
のスパイシーさが加わる。滑らかなタンニンと渋味を持ったフル
ボディ。仔羊料理、ジンギスカン、うなぎのかば焼きと。

『スクレ ド リュネス ピノ・ノワール 2021年』
Secret de Lunès Pinot Noir
品種:ピノ・ノワール100%
価格:2112円
チェリーの軽やかな香り。繊細でフレッシュな酸、フルーティー
さが前面に出たジューシーな果実味、まろやかなタンニンのミディ
アムボディ。豚のショウガ焼き、お好み焼きとも。

 

text by Ryo TAMURA,photographs by Hiroshi INOMATA

問い合わせ先:問い合わせ先:サントリー㈱ 0120-139-380(お客様センタ-)

This article is a sponsored article by
''.