イタリアのシチリアより「プラネタ」のオーナーで醸造責任者であるアレッシオ・プラネタ氏と
エキスポート・ダイレクターのペニー・マレーさんが来日。創業当時から造っている『ラ・セグレタ』のリスタイリングお披露目を、目黒・白金の「庭園美術館」で行った。
「ラ・セグレタ」=秘密の場所
1995年、プラネタ最初のワイナリーは、かつてアラブ人の要塞であった「マッツァラッカール」という森と、アランチョ湖を囲むオリーブ畑の間に位置する「ウルモ・エステート」に設立された。このウルモ地区には、ナラと月桂樹の森が広がっており、木々の中を歩くと、かつて旅人たちに癒やしを提供していた泉にたどり着くという。そこは知る人ぞ知る、秘密の場所だった。
「ラ・セグレタというワイン名は、ウルモのエステートを囲む森の名前『ラ・セグレタ』から名付けました。英語でいうと『シークレット』という意味です」
とアレッシオ氏。この秘密の場所は、プラネタ家にとっても魔法のような場所。大人も子どももテントを張り、自然の宝探しをしながらキャンプをする場所だったという。
![画像: 庭園を散策中、銀杏の木の前で「銀杏は、恐竜の時代から地球にあったんだよ」と話すアレッシオ・プラネタ氏。植物について話すアレッシオ氏はとても楽しそう。その語り口調は、幼いころから森や自然が身近な存在だったことが伝わってくる](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783513/rc/2024/05/30/ac5938fe7c622cdeed41cff6ed6e3ef108f741b1_xlarge.jpg)
庭園を散策中、銀杏の木の前で「銀杏は、恐竜の時代から地球にあったんだよ」と話すアレッシオ・プラネタ氏。植物について話すアレッシオ氏はとても楽しそう。その語り口調は、幼いころから森や自然が身近な存在だったことが伝わってくる
「ラ・セグレタ」はシチリアらしさがボトルに詰まったワイン
ラ・セグレタは、プラネタを代表するワインだ。国際品種と土着品種のブレンドである『ロッソ』『ビアンコ』に加え、2017年より『グリッロ』と『ネロ・ダーヴォラ』の単一品種が加わり全4アイテムになった。そのころは、この地域の18世紀の地図がエチケットに描かれており、ワインが地域の古い歴史に深く根差していることを表現していたという。
![画像: 「ラ・セグレタ」はプラネタ家が何世紀にもわたって所有してきた家族のブドウから造られている。こちらは以前のエチケット](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783513/rc/2024/05/30/a06485af4dcb3e57d44ab36e639902d896f496e6.jpg)
「ラ・セグレタ」はプラネタ家が何世紀にもわたって所有してきた家族のブドウから造られている。こちらは以前のエチケット
そして、創業30周年を迎える今年、シチリアの美しい原風景に対する崇敬を表現した、エチケットとなった。
![画像: 新しいエチケットには、シチリアに生息するハーブや美しい花々が](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783513/rc/2024/05/30/67800fc4d69edc87c480553a9a33bae16b10f7a9.jpg)
新しいエチケットには、シチリアに生息するハーブや美しい花々が
アレッシオ氏が大切にしているもの
「私は大切にしていることが二つあります。ワインはもちろんですが、一つ目は自然、そして二つ目は本です」
とても読書家だというアレッシオ氏。この新しいデザインは「19世紀にシチリアの有名な自然学者であるジュゼッペ・リッジョ氏が手掛けた詩的で美しい植物学の図鑑にインスパイアされた」と言う。
![画像: イタリアから持ってきた植物図鑑を広げるペニー・マレーさん](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783513/rc/2024/05/30/d8031189efac316e435e41e9234d262e7bdc23bd_xlarge.jpg)
イタリアから持ってきた植物図鑑を広げるペニー・マレーさん
「シチリア原産のハーブや花々など美しい植物を採用したグラフィックデザインは、自然の力強い美しさを表現。シチリアが誇る自然の美と生物多様性の象徴です」
![画像1: アレッシオ氏が大切にしているもの](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783513/rc/2024/05/30/1acb08de6babdebaa83f572248ed2a11c2fc9855.jpg)
ビアンコのラベルに描かれているのは、野原や森林地帯に自生するカタバミ科の小さな黄色い花や、ウチワサボテンサボテン、夜の女王ともいわれるサボテン科の熱帯植物セレウスグランディフロラス。
「この黄色い花は小さなころ、よくミツを吸っていました。すっぱくて美味しい」とアレッシオ氏。
![画像2: アレッシオ氏が大切にしているもの](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783513/rc/2024/05/30/ffa514d08ac955be0d1a2146e94ba0d34b125378.jpg)
ロッソにはポピーやヒナゲシなどのケシ科の花やヤグルマギクが。グリッロには、アメリカンナデシコや初夏になるど枝先に蝶の形をした黄色い花を咲かせるレダマ、マツバギクのほか名もなき花たち、そしてネーロ・ダヴォラには ずんぐりとした幹と丸い葉が特徴的な多肉植物モロキニエンシスなどが描かれており「なかには睡眠効果のある花や、解熱効果のあるものも。サボテンの花やアジアなど他国からの柑橘類もあり、シチリアは天然のボタニカルガーデンです。私たちはラ・セグレタを通じてシチリアの豊かな大地を表現しました」と話す。
![画像3: アレッシオ氏が大切にしているもの](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783513/rc/2024/05/30/f417c363276fb71fba642258c12568dd0c2a0e35.jpg)
リスタイリングはエチケットの図柄だけではない。
「エチケットの素材は100%再生紙とリサイクル素材を使用。また、ワインボトルは、シチリアのリサイクルガラスを使用してシチリアのマルサラで作っています。ボトルも軽量化(410g)しました。これにより、輸送時の二酸化炭素排出を抑制することが可能です」
![画像: 価格はすべて2300円(税別)](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783513/rc/2024/05/30/2c90ebfc2174c340f975292f9d2e3e42463fc920.jpg)
価格はすべて2300円(税別)
2月のパレルモから始まったこのリスタイリングのお披露目会。ニューヨーク、ノルウェー、日本として6月のロンドンと、会場はどの国でも植物園のあるところ。自然の雄大さに触れた後は、自然への敬意とサステナビリティに思いを馳せながらラ・セグレタを1杯。フードフレンドリーなワインはどの食文化とも合うに違いない。
プラネタについてもっと知りたい方はこちら(日欧商事サイト内)
「ワイン王国」では、2022年に醸造責任者のアレッシオ・プラネタ氏と「銀座レカン」シェフソムリエの近藤佑哉氏の対談を行いました!
唯一無二のワイン産地として、世界から熱い視線を集めるイタリア・シチリア島。フロントランナーである「プラネタ」の歴史や哲学とは。醸造責任者のアレッシオ・プラネタ氏との対談を通して「銀座レカン」シェフソムリエの近藤佑哉氏がその秘密に迫る。