世界のワインコレクターが収集することでも知られる『マッセート』は、しばしばフランス・ボルドーの『ル・パン』と比較されることもある極上のワインだ。今年の収穫は終了したが、マッセートのセラー「カヴォー」で寝かせた2021年が、先日世界に向かって旅立った。21年は、地中海の奇跡とも言える素晴らしい生命力と妖艶なアロマを見せている。

画像: 『マッセート』※写真は2015年ヴィンテージ

『マッセート』※写真は2015年ヴィンテージ

2021年ヴィンテージについて、マッセートの親会社である「マルケージ・フレスコバルディ」社のランベルト・フレスコバルディ社長は、こうコメントしている。
「豊かで力強い天候に恵まれた21年ヴィンテージに感謝しています。マッセートでは、人間にできることとして、畑を小さい区画に分割し、細やかに手を入れてきました。これに加えて自然の偉大な力、すなわち豊かな陽光とティレニア海の潮風がなければ、21年の素晴らしいヴィンテージにはなり得なかったでしょう」

画像: 「マルケージ・フレスコバルディ」社のランベルト・フレスコバルディ社長(左)と、「マッセート」生産管理マネージャーのマルコ・バルシメッリ氏

「マルケージ・フレスコバルディ」社のランベルト・フレスコバルディ社長(左)と、「マッセート」生産管理マネージャーのマルコ・バルシメッリ氏

凄腕生産管理マネジャー、マルコ・バルシメッリ氏が語る2021年

今年、生産管理マネジャーに就任したマルコ・バルシメッリ氏は、このヴィンテージについて次のように説明している。
「畑では、2021年の特徴を忠実に表現しました。マッセートの個性である美しさと完璧なバランスを見せただけでなく、春の雨を十分にキープし、晴天が続いて乾燥した、長く厳しい夏をしっかりと乗り切ったのです」

バルシメッリ氏はまた「ブルークレイ(青色粘土層)のおかげで、今年もブドウ樹は過度のウオーターストレスを回避でき、凝縮感のある果実が育ち、高品質のブドウを収穫できました。マッセート2021年は、世界を驚かせるワインになるでしょう。試飲を重ねる度に、豊かな存在感と引き締まったフィニッシュを見せ、21年ヴィンテージの特徴を明確に示しています」と語った。

画像: 凄腕生産管理マネジャー、マルコ・バルシメッリ氏が語る2021年

二つのヴィンテージにブレンドされたカベルネ ・フラン

メルロの超高級ワインとして知られるマッセートだが、過去にカベルネ・フランがブレンドされた年がある。2019年(10パーセント)と20年(15パーセント)だ。21年は2年ぶりにメルロ100パーセントに戻ったが、カベルネ・フランのことが気になり、バルシメッリ氏にカベルネ・フランについて聞いてみた。

「私の大好きな品種の一つです。偉大な結果を出すためには、特定の条件が必要な品種ですが、条件が合った時は、素晴らしくなるのです! マッセートでは、理想的なスポットに2区画のカベルネ・フランを植えており、主に『マッセティーノ』のブレンドに使用しています」

メルロについて

画像1: メルロについて

温暖化の影響で、メルロについて危惧する意見が多々あるが、この品種についてもバルシメッリ氏の意見を聞いた。
「熟すのが最も早い品種なので、温暖化がメルロに与えるインパクトを心配する声が多くあるのは事実です。マッセートで私が観察したのは、夏の暑い盛りにも水分を保持できるブルークレイなど、多くの自然要素のコンビネーションです。私たちの畑が海に近く、標高が高いということは、メルロの栽培とブドウがゆっくりと熟すのに重要です」

画像2: メルロについて

さらに、畑での作業についてこう加えた。
「仕立ては株仕立てを好み、新しく植える時は的確なルートストック(台木)を選択します。またヴィンテージのコンデイションにより、キャノピー(樹冠)を管理します。これらによって、ブドウ樹の成長のサイクルを遅らせることができます。ほかに大事なことは、収穫日のチョイスです。20年前よりずっと早くなっています。これから先もずっと、マッセートではメルロを栽培し続けます。フレッシュさとエレガントさにおいて卓越した結果を出し続けることに、疑問の余地はありません!」

生産管理マネジャーに就任したマルコ・バルシメッリ氏がこれからどのような変化をもたらすか、マッセートからますます目が離せない。

https://www.masseto.com/en/

text by Mami

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