新型コロナウイルス対策による営業自粛に伴い、料飲店やメーカーではビールの在庫を大量に抱える事態になっている。東京に自社蒸溜所をもつ木内酒造合資会社(以下、木内酒造)では、そのような行き場のないビールを無料で蒸溜して「クラフトジン」に替え、瓶詰めにして返送するというコロナ支援策を打ち出した。
廃棄せざるを得ないビールが長く楽しめるクラフトジンへ
ビールは未開封樽20Lから受け付ける。
料飲店は事前相談のうえ、在庫のビールを千代田区にある同社の東京蒸溜所に送るとジンに蒸溜・瓶詰め。往復配送料のみの負担で、蒸溜からパッケージングにかかるボトルやラベル代も無料でジンに生まれ変わるという仕組みだ。このサービスを利用すれば、賞味期限の短いビールが保存のきくクラフトジンになるため、長期間の休業を経て営業再開したときに顧客に提供できる。
長引く新型コロナウイルスの影響で自粛や休業を求められるビアバーや飲食店が増える中、仕入れたビールが消費できる見込みもなく、賞味期限が迫った大量の在庫を抱える店舗には、木内酒造の蒸溜技術を活かした支援策、「SAVE BEER SPIRITS」プロジェクトは渡りに船といえるだろう。
消費者としても、お気に入りのビールをジンとして楽しめるというメリットになる。各方面から既に問い合わせが入り、同社がもつ他の蒸溜施設でも受け入れを開始する見通しだ。
【プロジェクト概要】
「SAVE BEER SPIRITS」
住所:東京都千代田区神田練塀町13-10-1区画
電話:029-212-5111(平日9:00~17:00)
Mail:kiuchi@kodawari.cc
HP:木内酒造「SAVE BEER SPIRITS」詳細
https://kodawari.cc/news/20200410.html