ビール王国で掲載したビールにぴったりなレシピを紹介していくこの企画。特定のビールやビアスタイルにバッチリとペアリングするレシピや、プロの料理人や料理研究家が腕によりをかけたメニューを、ぜひご自宅で再現してみてください。第4回目は、箕面ビールのブルワー、大下香緒里さんです。

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素材のおいしさをとことん引き出す
万能調理鍋バーミキュラが強い味方

大下香緒里さんには、強い相棒がいた。それは、万能無水鍋として知られるバーミキュラだ。
「もう、2代目なんです」と見せてくれたそのフタには「MINOH BEER」と刻まれている。これを駆使した煮込み料理が得意だ。
「炒め物などは短期決戦ですが、煮込みは長期戦。出来上がるまでに、いろいろ実験的にあれこれできるのがいいですね。たぶん、性格的に向いているのだと思います」
 そのほか、ローストビーフもお手の物で、時には直営の各店で提供されることもあるそうだ。そして、料理のポイントを伺うと──。
「やっぱりビールを使うことかな。ビールに漬けたり煮込んだりすると酵母と炭酸の活躍で、お肉が本当に柔らかく、そして風味豊かになるんです。でも、ついつい入れすぎちゃって苦くなる、ということも多々あります」と笑う。

自宅だからこそつくれる
時間をかけた鶏料理

画像: 桃ヴァイツェンで煮込んだ料理を、桃ヴァイツェンとともに

桃ヴァイツェンで煮込んだ料理を、桃ヴァイツェンとともに

さて、そんな大下さんが本日作ってくれたのは「骨付き鶏の桃ヴァイツェン煮込み」だ。
使用する「国産桃ヴァイツェン」は、毎年ファンが楽しみにしているシーズナルビール。和歌山県の八旗(はっき)農園が生産したブランド品種「あら川の桃」を使用する。
果たしてでき上がった「骨付き鶏の桃ヴァイツェン煮込み」は、大下さんの言葉通りビールをたっぷり吸い込んで煮込まれた鶏肉が、口の中ではらりとほぐれた。そこに野菜や桃の香りも重なり、シンプルな調理法だが実に奥深い味わいとなっている。これ、グランドメニューに載らないですか?
「煮込むのに15~20分はかかってしまうので、客さんをお待たせしちゃいますから……」
いやいや、このひと皿であれば、20分はおろか30分だって待ちますとも。

骨付き鶏の桃ヴァイツェン煮込み

■材料(2~3人前)

骨付き鶏(手羽元)…8本
タマネギ…中1個
ニンジン…中1本
パプリカ…2個(赤/黄色)
セロリ…1本
ニンニク…1片
桃ヴァイツェン…1本
ローリエ…1枚
たまり醤油(濃口醤油でも可)…適量
オリーブオイル…適量
塩・コショウ…適量

■つくり方
1. 野菜をそれぞれ適当な大きさに切り、セロリは軸と葉を分けておく。br> 2.一晩桃ヴァイツェンに漬け込んだ鶏肉に塩、コショウを振る。
3.バーミキュラを中火にかけにオリーブオイルとニンニクを入れる。
4. ニンニクの香りがしてきたら2を皮目から焼く。皮から出た油はキッチンペーパー等で拭きとる。
5.焼き目が付いたら野菜を入れさらに炒める。 6.野菜に油が回ったら、鶏肉を漬け込んでいた桃ヴァイツェンたれを適量とローリエを入れて、   フタをして15~20分煮込む。
7.仕上げにたまり醤油(濃口醤油でも可)とオリーブオイル、塩、コショウで味を調整してセロリの葉を散らして出来上がり

画像: 鶏肉は、肉の旨味が流れ出ないように皮目から焼く。出てきた油は必ずふき取る。そうすることで、すっきりとした味に仕上がる

鶏肉は、肉の旨味が流れ出ないように皮目から焼く。出てきた油は必ずふき取る。そうすることで、すっきりとした味に仕上がる

画像: 大下さん愛用のバーミキュラのオーブンポットラウンド。「これひとつで、ほとんどの料理ができます」と、絶対的な信頼をおく

大下さん愛用のバーミキュラのオーブンポットラウンド。「これひとつで、ほとんどの料理ができます」と、絶対的な信頼をおく

取材:編集部 写真:渡部健五
※この記事の内容は『ビール王国20号』(2018年10月発売)に掲載したものです。

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