近年、増加傾向にあるクラフトビールの醸造所。全国各地ではブルワーたちが地域活性化を目指して新たなプロジェクトに挑戦中だ。地域住民から観光客まで交流できるビアスタンドの併設などブルワーが取り組むさまざまな活動から、クラフトビールの潮流を学ぼう。

観光スポットとして、人々の交流の場として
人気を集めるクラフトビールとブルワリー

画像: クラフトビールが新たな出会いや交流の場をもたらしてくれる

クラフトビールが新たな出会いや交流の場をもたらしてくれる

現在、クラフトビールの醸造所は国内におよそ700カ所あるといわれている(※)。その土地の特色を取り入れたオリジナリティあふれるビールが魅力で、各地のブルワリーやブルーパブは、旅行者の観光スポットや地域住民の交流の場として人気を集めている。

クラフトビールがもたらす集客力や経済効果に期待し、地域活性化につなげようという想いを胸に、ブルワーたちがさまざまなプロジェクトをスタート。クラウドファンディングで仲間や資金を募り、街の未来を創造するクリエイティブなチャレンジに乗り出している。

石巻産クラフトビールを味わいながら交流できる、ビアスタンドを造りたい!

宮城県石巻でクラフトビール醸造所「ISHINOMAKI HOP WORKS」を運営する、「イシノマキ・ファーム」代表の高橋由住さんもそのひとり。東日本大震災で大きな被害を受けた石巻を盛り上げようと、かつて石巻随一の文化の中心地であった「文化通り」の映画館の跡地を醸造所として整備。2022年に石巻初となるクラフトビール醸造所を稼働させた。

画像: 「イシノマキ・ファーム」代表の高橋由住さん

「イシノマキ・ファーム」代表の高橋由住さん

2016年に創業してから最初につくったビールが「巻風エール」。2017年に県内唯一となるホップ農場をつくり、県内の醸造所で自ら栽培したホップを使ったビールを醸造。石巻初のクラフトビールとして誕生した巻風エールは地域内外で人気を博し、当初20株だったホップ畑は現在1,000株を超える規模に拡大した。

画像: 左から、しっかりとした苦みとジューシーな味わいが特徴の「巻風IPA」、看板商品の「巻風エール」、バナナのようなフルーティさとスパイシーな香りの「巻風WHEAT」

左から、しっかりとした苦みとジューシーな味わいが特徴の「巻風IPA」、看板商品の「巻風エール」、バナナのようなフルーティさとスパイシーな香りの「巻風WHEAT」

今年の秋には、醸造所の隣に交流型ビアスタンドのオープンを計画している。この実現のために、CAMPFIREでのクラウドファンディングにも挑戦。人々が気軽に交流できるビアスタンドを完成させ、クラフトビールの力で石巻から失われた“文化の灯”をもう一度灯すことを目指す。

画像: 訪れた⽅同⼠が⾃然とお互いの顔を⾒ながら交流ができるようなビアスタンドの建設を計画中だ

訪れた⽅同⼠が⾃然とお互いの顔を⾒ながら交流ができるようなビアスタンドの建設を計画中だ

●CAMPFIREプロジェクトページ
https://camp-fire.jp/projects/view/655793

⼀般社団法⼈イシノマキ・ファーム
https://ishinomaki-farm.com/

※国税庁から免許を受けた醸造所数。従いまして、開業準備中や外販していないブルワリーも含まれます。

函館にクラフトビールを介してつながれるビアバーをオープン

人気観光名所・函館で、クラフトビールでさらに地域を盛り上げていきたいと語るのが、ファントムブルワー(※)の平松祐太郎さん。札幌北口駅前のクラフトビアバー「ヒニニツカ」の店長代理を務める彼は、自身で醸造したビールや国内外のおいしいビールを昼間から楽しめ、人々の息抜きや交流の場となるようなビアバーをつくりたいと言う。

画像: 札幌のクラフトビアバー「ヒニニツカ」店長代理を務める、若手ブルワーの平松祐太郎さん

札幌のクラフトビアバー「ヒニニツカ」店長代理を務める、若手ブルワーの平松祐太郎さん

店は函館西部地区・レンガ倉庫街にある歴史的建造物をリノベーションしてオープンする。近年、若者のIターンやUターンが活発化するこのエリアで、観光客から地域住民まで皆がつながれる場所づくりを目指している。

画像: ビールの管理や注ぎ方、グラスの選定までこだわり、おいしいビールを最高のコンディションで味わえる店にしたいと言う

ビールの管理や注ぎ方、グラスの選定までこだわり、おいしいビールを最高のコンディションで味わえる店にしたいと言う

店では北海道に来ないとなかなか飲めないビールや、函館では珍しい海外樽のクラフトビールなども提供するそう。人々がクラフトビールを介して交われる素敵な場所が誕生しそうだ。

●CAMPFIREプロジェクトページ
https://camp-fire.jp/projects/view/659541

※レシピを設計し、その特徴をもっともよく現わせる醸造所で委託醸造をするブルワー。

地域内外をつなぐ存在として、カフェ併設の醸造所を新設

国際的ビアコンテストで受賞歴を持つ「チョウシ・チアーズ」の新たな試みが、新醸造所「銚子ビール藤兵衛醸造所-Choshi Good Beer Café」の設立だ。「クラフトビールで銚子を世界一“チョウシいい”まちに!」を目標に、200年以上続く「藤兵衛」本店跡地にビアカフェを併設した醸造所を新設する。

画像: ChoshiGoodBeerCafeを併設した新しい醸造所を新設。つくりたてのフレッシュな銚子ビールを提供していく

ChoshiGoodBeerCafeを併設した新しい醸造所を新設。つくりたてのフレッシュな銚子ビールを提供していく

商品は国際的な賞を受賞した「犬吠WhiteIPA」「犬吠BlackIPA」のほか、「 銚子ビールを代表する「銚子エール」を中心に、季節ごとの限定クラフトビールなどを缶で製造。新鮮さやおいしさを保ったまま、瓶よりも低コストで冷蔵宅配でき、さらにリサイクル率96%を超える缶を採用する「サステナブルワリー」を目指す。

画像: これまでの瓶で提供していたビールを、缶充填機を整備することで缶ビール化する

これまでの瓶で提供していたビールを、缶充填機を整備することで缶ビール化する

また新しい醸造所が整い次第、銚子ビールを銚子電鉄の列車で飲める「銚子ビール列車」や、ビアフェスなどのイベントへの出店など、地域産業を盛り上げる企画も実施予定とのこと。地域内外をつなぐ存在として、世界を視野に入れた挑戦を続けていく。

画像: 「街もみんなもチョウシよくしたい!」という想いから、銚子ビール事業を中心に展開するチョウシ・チアーズ株式会社

「街もみんなもチョウシよくしたい!」という想いから、銚子ビール事業を中心に展開するチョウシ・チアーズ株式会社

●プロジェクトページ
https://camp-fire.jp/projects/view/654447

チョウシ・チアーズ株式会社
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ブルワーたちの活動から、地域に賑わいをもたらす存在としてクラフトビールに注目が集まる、多様な理由が見えてくる。

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