唐辛子の効いた辛い鍋には、果実味豊かな赤を
大相撲2020初場所、ますます熱くなってきました。
テレビ観戦はぜひ鍋とワインで!
コクと辛味が後を引き、たまらなく美味しい「韓国風辛味鍋」。青唐辛子、ニラ、ゴマ、長ネギ、ニンニクなどを合わせた韓国の代表的な辛味噌「タテギ」(これがミソ。辛くて旨い!)を鶏ガラだしに溶かしたスープがベース。ここに真鯛、秋鮭、ワタリガニ、ハマグリなどの魚介類と、豆腐に葉野菜、キノコ類などを入れて煮込む。魚介のミネラル分、旨味がたっぷり溶け込んだ鍋。でもこの辛味にワイン、合うの!?田邉さん。
<田邉> 合います! 僕はキムチにワイン、合うと思いますので。この鍋はスープが主張するタイプなので、スープとの相性からワインを選ぶといいですね。スープの味わいとの相乗効果で両方の味わいが深まるのは、赤ワインでしょう。ただ、あまり香りが強いワインだとバッティングしてしまうし、酸味が強いものだと鍋が酸っぱくなってしまいます。
そう考えると『ライマット クラモール ティント 2017年』は軽やかで、スープとちょうどいい力加減でマッチします。甘やかな果実味が、唐辛子のピリッとした辛さを受け止めますね。ほんのりヨード香もあるので、魚介との相性もバッチリ!
白ワインでも『グランポレール 長野シャルドネ』などはよく合いますね。主張の強い鍋と合わせた時に、うまく支えてくれます。魚介の旨味が溶け込んだピリリと辛いスープと、日本ワインの滋味深さがよく合い、ワイン単体で飲んだ時とは違う味の深まりが感じられます。
家庭ならチゲ鍋などが辛い鍋の代表ですが、ワインはぜひフルーティーで赤系果実の甘さがあるタイプを試してみてください。辛さとのバランスが取れて、お箸が止まらなくなります!
2020年初場所、横綱が休場となるちょっぴりさみしい場面もありましたが、前頭勢などの大活躍でそんな気持ちも吹き飛びました。鍋とワインとお相撲と。素敵な1年の始まりです!
田邉ソムリエの「どすこい!ちゃんこポイント」
★スープと具材、どっちが主役? 主役に合わせてワインを選ぼう
「ちゃんこはつけだれや調味料を添えず、鍋の中で味が完成する。スープ・だしに合わせるか、具材に合わせるかが決め手に! スープの色とワインの色味を合わせるのも近道です」
相撲の決まり手で例えるなら「とったり」か。。。。スープとワイン、具材とワイン、手に手を取って決まります!
★ワインの温度で相性が変わる
「火を入れて熱々の状態で食べる鍋は、ワインの温度帯も重要。少し冷やしたワインとアツアツの鍋、温度差を楽しむのもいいですが、ワインによっては温度を上げると香りに広がりが出て複雑味が加わりるものも。それがちゃんこ鍋との相性をますます高めてくれる場合もあります。
最初はちょっと冷やし気味で、箸が進んできたら、白ワインなら10〜15℃でトライしてみてください。赤ワインなら17℃くらいで」
決まり手で例えるなら「寄りきり」。鍋とワインの温度差、離れて寄って、寄って離れて楽しんじゃいましょう!