Far Yeast Brewing(山梨県小菅村)が蒸留酒製造に本格的に着手した。

新ブランドの名は「Off Trail - Azeotrope(オフテイル アゼオトロープ)」。
クラフトスピリッツ市場の世界的な需要の高まりを受け、コロナ禍におけるロスビールを活用してSGDsを実践しつつ、モルト由来のオリジナル蒸留酒を追求するブランドを立ち上げた。

第1弾として、10月29日に限定発売する商品がクラフトジンの2種類。
限定45本の「Beer DistilledGin - New Pot」と、限定370本の「Malt Gin - NewPot Blended」が10月26日(火)13時から同社オンラインストアで予約販売受付を開始している。

ジンの原型、穀物由来の蒸留酒「ジュネヴァ」スタイルを追求

Far Yeast Brewingから誕生する「Off Trail – Azeotrope」。
この聞き慣れない言葉、Azeotrope(アゼオトロープ)は、直訳すると「共沸混合物」という意味で、蒸留酒においてはエタノールと水の混合物を示す。既存ブランドであるバレルエイジングシリーズ「Off Trail」の派生ブランドという位置づけが示す通り、「Off Trail - Azeotrope」は、ビール製造で培ったノウハウを活かして蒸留酒の領域に新風を送り込むことを目指している。
クラフトビールとスピリッツのクロスオーバーに挑戦する蒸留酒ブランドだ。

画像1: ジンの原型、穀物由来の蒸留酒「ジュネヴァ」スタイルを追求

ブランド立ち上げの背景として、同社の山田司朗社長は次の3点を挙げた。

まずは、企業としての社会的貢献。
「排水口を流れるビールを目にするのは悲しいものです」と語るように、コロナ禍でなくてもビールの醸造工程上、ある程度のロスは避けられない。さらに緊急事態宣言等の影響によって行き場を失った大量のビール(ロスビール)を活用することで、企業として環境負荷削減に貢献するというSDGsの実践だ。蒸留酒の製造で発生する熱エネルギーは麦汁の煮沸など、ビール製造にも活用できる。

2つ目は、「麦の酒」のルーツの再構築。
ベルギーやオランダが起源とされるモルト由来の蒸留酒「ジュネヴァ」は、ジンの原型といわれるクラシックスピリッツ。広く飲まれているロンドンドライジンは、原料の風味を排除したニュートラルなものをベースとしているが、ジュネヴァはモルトの香りを強く残しているのが特徴だ。さらに、バレルエイジングもされている。

「Off Trail -Azeotrope」は、このジュネヴァスタイルのジンに注目し、ビール製造で培った香気成分の抽出技術や知見を活用してクラフトビールメーカーだからこそできる、ユニークなスピリッツづくりに取り組む。

3つ目は、クラフトスピリッツの世界的な人気だ。
近年ではクラフトビールメーカーも参入しているように、世界的な健康志向の高まりを受けて、クラフトスピリッツ市場が急成長を遂げている。とりわけ低糖質、低カロリーでプリン体を含まない蒸留酒は日本でも注目度が高まっており、小規模蒸溜所が増えるなどクラフトジンがブームとなっている。そのような社会的ニーズに応えるためにも、クラフトビールメーカーならではのオリジナルスピリッツ製造に参入することを決意した。

画像2: ジンの原型、穀物由来の蒸留酒「ジュネヴァ」スタイルを追求

ビールのフレーバーを活かした2種類のジン

こうして豊富なビール原酒と醸造ノウハウをもつFar Yeast Brewingが立ち上げた「Off Trail – Azeotrope」では、原料のモルト風味とホップなどのボタニカルアロマが融合したビールメーカーならではの個性的なクラフトスピリッツ造りを目標としている。

画像: 国内外のカクテルコンテストでの受賞歴を持ち、 国内外のセミナー講師や審査員を務める中垣繁幸氏

国内外のカクテルコンテストでの受賞歴を持ち、 国内外のセミナー講師や審査員を務める中垣繁幸氏

アドバイザーとして岐阜県の「BAROSSA cocktailier」のオーナーバーテンダーである中垣繁幸氏を招き、商品企画、製造、品質面でのアドバイスを受け、ロスビールを活用した2種類のクラフトジンが完成した。

Beer Distilled Gin New Pot

画像: Beer Distilled Gin New Pot

2020年の緊急事態宣言等で行き場を失った大量の業務出荷用ビールを、木内酒造の八郷蒸溜所で2回蒸留。ジュニパーベリーとゆずを加えて香り豊かなクラフトジンへと再生している。清涼感のある上品で華やかな香りをもち、加水するとその香りがやわらかな余韻として広がっていく。

【商品概要】
商品名: Beer Distilled Gin New Pot
原材料:国内製造(スピリッツ)
アルコール度:47.0%
品目:スピリッツ
容量:500ml
醸造所:Far Yeast Brewing源流醸造所(山梨県小菅村)

Malt Gin New Pot Blended

画像1: Malt Gin New Pot Blended

蒸留酒用に特別に醸造したモルト原酒を自社のポットスチルで2回蒸留。
ボタニカルをふんだんに使って香り付けしたベースジンと、看板商品のビール「KAGUA」を蒸留したスピリッツをブレンドしたもの。ボタニカルにはジュニパーベリー、コリアンダー、ホップ(ネルソンソーヴィン)、ゆずを使い、モルトとボタニカルのバランスが最適化されたブレンド比率で仕上げている。試飲すると、まず甘い余韻のモルトの豊かなアロマを感じることができる。複雑で重厚な味わいが特徴のモルトジンだ。

【商品概要】
商品名: Malt Gin New Pot Blended
原材料:国内製造(スピリッツ)
アルコール度:47.0%
品目:スピリッツ
容量:500ml
醸造所:Far Yeast Brewing源流醸造所(山梨県小菅村)

画像2: Malt Gin New Pot Blended

「ビールと同じモルトフレーバーを活かしたことで、ビールファンにも喜ばれる味わいに仕上がっている」と語った山田司朗社長。今後の展開として、赤ワイン樽で熟成したシングルカスクを近日中にリリースするほか、さまざまなバレルで熟成した原酒の製品化、テロワールを意識して小菅村で収穫された梅を漬け込んだ梅酒の販売を予定している。商品は、同社直営飲食店3店舗とオンラインストアで販売される。

さらに、既に製造キャパシティが限界に近いため、将来的には海外展開も見越した新工場設立も視野に入れていると抱負を語った。

道を外れた挑戦=「Off Trail」を冠したFar Yeast Brewingの挑戦。
ここから独創性の高いクラフトスピリッツの未来が切り拓かれてゆくだろう。

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