スペイン、ペデネス地方の中心、サンタ・フェ・デル・ペデネスの生産者「ジロ・リボ」のエクスポートディレクター、マーク・クラぺ氏が来日し、セミナーを開催した。
ジロ・リボは1950年代はブランデー「レミー・マルタン」用に蒸留酒を造っていたが、1980年にはレミーマルタンとのジョイント・ベンチャーでカバ造りを開始。2000年に独立した3代続く家族経営の生産者だ。
ワイナリーのあるサンタ・フェ・デル・ペデネスは地中海に近く、暖かな地中海気候と北にあるモンセラートという山から冷涼な風が吹き、ミクロクリマを生み出す。
所有する二つ、合計100ヘクタールの畑はワイナリーから5キロ圏内。「収穫してから搾汁までをスピーディーに行うことができ、酸化させないという好条件を有しています」
2021年からは有機認証も取得したという。
今回三つのワインをテイスティングした。
(左から)
『マーレ グラン・レセルバ 2017年』(3080円)。ワイン名は“偉大なる母へ”という意味を持つ、5年熟成のブリュット・ナチュール(糖度2g/ℓ)。チャレロ65%、マカベオ30%、パレリャーダ5%。主体となるマカベオは「ペデネスの土着品種で、しっかりしたストラクチャ―をワインに与えます」
『ウーマ グラン・レセルバ ブリュット・ナチューレ 2015年』(2640円)はチャレロ40%、シャルドネ40%、ピノ・ノワール20%のブリュットタイプ(糖度5g/ℓ)。きめ細かい泡が心地いい。熟成由来のコンポートした果実、程よい酸味と果実の甘味のバランスが取れている。
シルクプリントしたボトルが美しい『アンプラグド 2015年』(3960円)はピノ・ノワール主体のロゼ・カバ。赤い果実のアロマにほんのり樽由来のヴァニラが混じる。チャーミングだが複雑さもあり「ガストロノミックなカバ」(クラペ氏)。
また試飲しながら、「バル デ エスパーニャ ムイ 東京店」のピンチョスとワインを合わせてみた。
手前から「カマンベールチーズ フリット 花梨のジャム」「海老のゴイスアルギ」「ドライフルーツとクリームチーズのピンチョス ミルフィーユ仕立て」の3種類。
『マーレ』はエビの甘さ引き立て、カマンベールチーズのフリットと『ウーマ』は衣の香ばしさとワインの熟成感が相乗。クリームチーズをハムでサンドしたピンチョスは、添えられたドライフルーツの甘さがアクセントとなり、ロゼの華やかさをより引き出した。
長期熟成ながら値段はリーズナブルで、高品質のカバを造る「ジロ・リボ」。幅広い料理を受け止めるのでレストランでも家庭でも幅広く楽しめる。
ワインに関する問い合わせ先:ミリオン商事 03-3615-0411