アール・ヌーヴォーの巨匠エミール・ガレがボトルにアネモネを描いて今年で120年。その節目を記念し、シャンパーニュメゾン「ペリエ ジュエ」最高醸造責任者のセヴリーヌ・フレルソンさんが来日し、120thアニバーサリーエディションお披露のための特別な会を催した。
『ペリエ ジュエ ベル エポック2013 120th ア二バーサリー・エディション』
メゾンが誇るグラン・クリュ(特級畑)のシャルドネを木樽で熟成させたリザーヴワインを使って仕上げた、特別なシャンパーニュ。豊かなフローラル感と滑らかなテクスチャーがあり、奥行きのある味わいは、アネモネの白い花びらを連想させる。生物多様性を表現したギフトボックスも見事!
ブドウ品種:シャルドネ50%、ピノ・ノワール45%、ムニエ5%。
ドザージュ:6g/L
価格:4万1613円(税込) ギフト箱入り
ガレが求めた“美の継承”
アール・ヌーヴォーは19世紀末から20世紀初頭のヨーロッパを中心に開花した芸術様式だが、フランスではガラス工芸作家のエミール・ガレが高度な技術を駆使し、卓越した芸術作品を創作していた。1902年には老舗メゾン「ペリエ ジュエ」とのコラボレーションで、ボトルにゴールドで縁取ったアネモネを描き、それがメゾンの象徴になった。
エミール・ガレは芸術家であると同時に著名な植物学者である。
『芸術広場 ミュージアム・アンダンテ』のエミール・ガレの項に、細川いづみさんが「工房の木製門扉には “わが根源は森の奥にあり”との言葉が彫られていた。これは自身の創造の源を示すとともに、循環する生態系をも意味するといわれる」と記述している(*1)。
ガレは所持していた日本庭園に咲くジャパニーズ・アネモネ(秋明菊)をモチーフに選び、ボトルに直接その花を描いた。そして、120年経た今世紀、アーティストデュオの「ミシャー ’トラクスラー」(*2)の手によって、ボトルのアネモネに新たな生命が与えられた。
創作活動において、常に“自然と共に”をテーマにしているアーティストデュオは、ボトルとギフト箱に、シャンパーニュ地方の畑に生息する70種の生き物を色鮮やかに描写した。これは、ガレが生涯をかけた創造の源の継承であり、自然と共に生きるブランドのフィロソフィーを物語るマスターピースだ。
*(1)出典:芸術広場
*(2)カテリーナ・ミシャー氏(1982年生まれ)とトーマス・トラクスラー氏(1981年生まれ)が2009年に設立したデュオアーティスト
寺田信一料理長とアーティスト諏訪綾子氏による食のコラボレーション
「オーベルジュ・ド・リル トーキョー」の寺田信一料理長とフードクリエイション主宰の諏訪綾子氏による創造性溢れるスペシャルメニューは視覚、味覚にとどまらず、エペルネの迎賓館の庭園の空気感やジャパニーズ・アネモネを思い起こさせてくれるひとときになった。
ガレの想いを反映させた料理は、繊細で複雑、そしてフローラルな5種の『ペリエ ジュエ ベル エポック』に合わせて考案・供出され、唯一無二のペアリングになっていた。
詳しくは下記URL参照
ペルノ・リカール・ジャパン http://www.pernod-ricard-japan.com/
text & photographs by Fumiko AOKI