3月25日、「羽田イノベーションシティ」で「わいんのちから~the power of wine~」(以下「わいんのちから」)のプロジェクト発表会が行われた。発表会後には、全国から49のワイナリーやシードルリー、協会が集まる国内最大級の日本ワインイベント「和韻フライト 2023 日本ワイン・ロック・カーニバル」が開催され、多くのワインファンが駆け付け盛り上がりを見せた。

日本ワインを元気にする「わいんのちから~the power of wine~」

ノンフィクション作家しどせんしゅうさん主宰の「わいんのちから」は、「ワインの力を何かのために 何かの力をワインのために」をスローガンに、日本国内のワイナリー、酒販店、問屋、消費者などとともに日本ワインの力で社会貢献を行うプロジェクトだ。これまでチャリティーワイン会やアプリケーションの開発など、さまざまな活動を展開してきた。

画像: プロジェクトに携わった皆さん。前列は「日本ワインスタンプラリーアプリ実行委員会」メンバー。後列左から「横浜君嶋屋」社長の君嶋哲至氏、「岡永」社長の飯田永介氏、当プロジェクト主宰のしどせんしゅうさん、「サントネージュワイン」醸造責任者の宿澤淳氏、「日本シードルマスター協会」代表理事の小野司氏

プロジェクトに携わった皆さん。前列は「日本ワインスタンプラリーアプリ実行委員会」メンバー。後列左から「横浜君嶋屋」社長の君嶋哲至氏、「岡永」社長の飯田永介氏、当プロジェクト主宰のしどせんしゅうさん、「サントネージュワイン」醸造責任者の宿澤淳氏、「日本シードルマスター協会」代表理事の小野司氏

動物支援プロジェクト

2022年2月に勃発したウクライナ戦争では、多くの動物たちが家族と引き離された。そんな動物たちを日本ワインの力で支援したいとの思いで発足したのが「動物支援プロジェクト」。動物をあしらったラベルのワインを造るワイナリーと酒販店の協力の下、22年5月1日からのおよそ3カ月間で約16万5000円の寄付を集めた(*1)。

*1 消費者が上代に500円を追加で支払う仕組み

23年4月1日からは、当プロジェクトの一環として「横浜君嶋屋」「サントネージュワイン」「林檎学校醸造所」「(一社)アニマル・ドネーション」と協働し、新たな動物支援ラベルのワインを販売する。ワイン1本につき200円が(一社)アニマル・ドネーションに寄付される。各アイテム250~500本ほどの少量生産で、全国の飲食店や酒販店で販売を予定している。

日本ワインに首ったけ♪ スタンプラリーアプリ

画像: 日本ワインに首ったけ♪ スタンプラリーアプリ

22年11月には「日本ワインに首ったけ♪ スタンプラリーアプリ」をリリースした。コロナ禍で打撃を受けた日本経済を、日本ワインの力で活性化することを目的に立ち上がったプロジェクトで、クラウドファンディングで約160万円の開発費用を集め実現。

アプリに登録された日本全国のワイナリー、シードルリー、日本ワインを取り扱う全国の飲食店、酒販店、宿泊施設など約800軒を検索することができる。日本ワインに関するスポットを巡り、現地でQRコードを読み込むとスタンプをゲットできる仕組みだ。アプリにはランキング機能が設けられており、ほかのユーザーと訪問数を競うなどゲーム感覚で楽しむことができる。将来的にはランキング上位3名にプレゼントを贈ることも計画中。

和韻フライト2023

会見後には「和韻フライト 2023 日本ワイン・ロック・カーニバル」が開催された。北海道から沖縄県まで49のワイナリーが一堂に会し、多くの日本ワインファンが駆け付けた。

画像: 来場者は手元のチケットと交換し、気になるワイナリーのワインを試飲。積極的に生産者に質問する様子も見られた

来場者は手元のチケットと交換し、気になるワイナリーのワインを試飲。積極的に生産者に質問する様子も見られた

沖縄固有の野生ブドウ“リュウキュウガネブ”を使った海底熟成ワイン

イベントに出展していた「沖縄県産リュウキュウガネブ管理普及協会」のブースでは、奄美以南の琉球列島に自生する沖縄固有の野生ブドウ「リュウキュウガネブ」を使ったワインを紹介。絶滅危惧に陥っていたこのブドウを協会が保護し、大学などと10年以上研究を重ね、無農薬での栽培・収穫に成功した。ワインは香川県の「さぬきワイナリー」で醸造し、海底熟成にも取り組んでいる。イベントでは今年の3月に出来たばかりの新酒に加え、1年と3年海底熟成させた計3種が試飲できた。「わいんのちから」では海底熟成ワインの引き上げ作業にも参加しており、同時に海洋環境を観測し、サンゴ礁の保護活動も行っている。

画像: リュウキュウガネブの海底熟成ワイン。新酒、1年熟成、3年熟成の順で色調は濃くなる。新酒では酸が強く感じられたものの、熟成を経るごとに味わいに深みが出ていた

リュウキュウガネブの海底熟成ワイン。新酒、1年熟成、3年熟成の順で色調は濃くなる。新酒では酸が強く感じられたものの、熟成を経るごとに味わいに深みが出ていた

画像: リュウキュウガネブの房。スモーキーかつ多彩な香りと、果実のさわやかな酸味が特徴

リュウキュウガネブの房。スモーキーかつ多彩な香りと、果実のさわやかな酸味が特徴

技術革新や「ワイン特区」をはじめとする国政の後押し、世代交代などを背景に伸長し続けている日本ワイン。今後、日本ワインが独自の地位を築き、一つの文化として定着していくことに期待したい。

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