text by Isao MIYAJIMA
photographs by Hiromichi KATAOKA
「“ポッジョ・ロンブローネ”は私が最も好きなワインです。ブルネッロに負けないワインをモンテクッコで造るという私の夢を実現してくれました」と話すのはオーナーのクラウディオ・ティーパ氏。ブルネッロの著名ワイナリーを所有する氏の口から出た言葉だから説得力がある。
「モンタルチーノとモレッリーノ・ディ・スカンサーノという二つの有名なワイン産地に挟まれたモンテクッコ地区は、あまり知られていませんでしたが、偉大な潜在力があると直感しました」とも。
農園は1200ヘクタールと広大で、120ヘクタールのブドウ畑はすべてチニジャーノ村にあり、森に囲まれている。アミアータ山まで25キロ、ティレニア海まで30キロで、海と山の両方の影響を受ける。夏は35℃まで温度が上がっても、夜には20℃近くまで下がる。日照に恵まれブドウが完璧に成熟するので、若い段階から開いた華やかな果実味を持つワインができる。畑の標高は300 ~360
メートル。創設時から有機栽培で、2001年から認証を得ている。土壌は大きく5種類に分かれ、砂岩が砕けた土壌、海洋性の小石を含む土壌、粘土石灰泥土土壌、赤い粘土質土壌、粘土ローム土壌と複雑だ。火山性土壌はなく、純粋な果実がストレートに表に出てくるテロワールだ。
トップワインの『ポッジョ・ロンブローネ モンテクッコ・サンジョヴェーゼ・リゼルヴァ 2016年』は赤い果実やチェリーの凝縮感のある香りを持つ雄大なワインだ。ブルネッロに感じる硬いタンニンや酸はなく、より甘い果実を感じさせる。ただ、奥に堅固なミネラルとみずみずしさがあり、引き締まった味わいだ。ある種の荒々しさが感じられ、野性的な魅力に溢れている。ブルネッロとはまた異なる個性がとても興味深い。畑に残るモンテクッコ独自のサンジョヴェーゼのクローンは色が濃く、少しスパイシーで、ワインに複雑さと奥行きを与える。2016年は偉大なヴィンテージで「ようやく私が望んでいるレベルに到達しました」とティーパ氏も大満足だ
問い合わせ先:モンテ物産㈱ 0120-348566