10月、『ワイン王国』で人気を博した連載「イサオとクミコの あっ!ビナメント (abbinamento)」が雑誌を飛び出してイベントを開催した。
本誌連載では、イタリアワインとさまざまなジャンルの料理を合わせて、その組み合わせの魅力やポイントを探ってきたこの企画、今回は舞台を「資生堂パーラー ザ・ハラジュク」に移し、宮嶋勲氏と山田久扇子さんが「アッビナメント」(ワインと料理の相性)をナビゲートした。

講師
宮嶋勲氏
ジャーナリスト。日本とイタリアを行き来し、ワインと食について執筆活動を行っている。『イタリアワインランキング』監修・翻訳、『イタリアワイン』監修(ともに「ワイン王国」刊)、「グランディ・クリュ・ディタリア最優秀外国人ジャーナリスト賞」受賞

山田久扇子さん
イタリアワインを主とするトータル・ワイン・コーディネーター。イタリアのホテル、ワイナリーのPRを手掛けている

アッビナメント①
『ミッレジマート・スプマンテ・パドゼ 2019年』(生産者:コントラット)×アミューズ「ブラックオリーヴと生ハムのキッシュ」

乾杯は、人気上昇中のイタリアンスパークリング「アルタ・ランガ」。48カ月以上の熟成を経て造られる。ゆっくりと熟成させるため、きめ細かい泡と複雑な香り、フレッシュかつふくよかな味わいが広がる。
アミューズとして供されたキッシュの香ばしさ、生ハムの熟成した香り、オリーヴの塩気とよくマッチ。

画像: ワイン 『ミッレジマート・スプマンテ・パドゼ 2019年』 品種:ピノ・ネーロ80%、シャルドネ20% 格付:DOCGアルタ・ランガ

ワイン
『ミッレジマート・スプマンテ・パドゼ 2019年』
品種:ピノ・ネーロ80%、シャルドネ20%
格付:DOCGアルタ・ランガ

アッビナメント②
『ソアーヴェ“セレオーレ” 2022年』(生産者:ベルターニ)×冷前菜「サーモンのマリネ アネット風味」

冷前菜に合わせたのは、ヴェネトのソアーヴェ。このワインが生まれる畑「セレオーレ」は石灰質土壌で、やさしくデリケートな味わいとなる。程よく脂がのったサーモンのまろやかさやハーブ類と、さわやかなアッビナメントに。

画像: ワイン 『ソアーヴェ“セレオーレ” 2022年』 品種:ガルガーネガ100% 格付:DOCGソアーヴェ

ワイン
『ソアーヴェ“セレオーレ” 2022年』
品種:ガルガーネガ100%
格付:DOCGソアーヴェ

アッビナメント③
『“オンニサンティ・ディ・ノーヴァレ”ヴァルポリチェッラ・クラシコ・スペリオーレ 2018年』(生産者:ベルターニ)×温前菜「イタリア産 ポルチーニ茸のソテー カボチャとクルミ」

秋の味覚、ポルチーニ茸の料理に合わせたのは、ヴァルポリチェッラ。エレガントで食事に合わせやすい1本。ポルチーニの奥深い味わい、香ばしいクルミ、ぽってりとしたカボチャのペースト、ジャガイモのニョッキなど、さまざまな食材が組み合わさった一皿にも合う、万能ワインだ。

画像: ワイン 『“オンニサンティ・ディ・ノーヴァレ”ヴァルポリチェッラ・クラシコ・スペリオーレ 2018年』 品種:コルヴィーナ・ヴェロネーゼ、ロンディネッラ 格付:DOCヴァルポリチェッラ

ワイン
『“オンニサンティ・ディ・ノーヴァレ”ヴァルポリチェッラ・クラシコ・スペリオーレ 2018年』
品種:コルヴィーナ・ヴェロネーゼ、ロンディネッラ
格付:DOCヴァルポリチェッラ

アッビナメント④
『アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラシコ 2012年』(生産者:ベルターニ)×メインディッシュ「豚フィレ肉のロティ エメンタールチーズと生ハム、にんにくのポム・ド・フィーヌ」

ベルターニは古典的な味わいのアマローネの代表格。ブドウを陰干しして水分を飛ばした果実で造るため、深みとコクのある味わいとなる。
「ビロードのような口当たりで、火山性土壌からくるほんのりとした塩味がポイント。かすかに感じるドライフルーツの風味が重要です」と宮嶋氏。
「焦がし砂糖のような風味が特徴的で、そのためテンメンジャンを使った中国料理などにも合います」と山田さんはアッビナメントの広さを語った。

画像: ワイン 『アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラシコ 2012年』 品種:コルヴィーナ・ヴェロネーゼ、ロンディネッラ 格付:DOCGアマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ

ワイン
『アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラシコ 2012年』
品種:コルヴィーナ・ヴェロネーゼ、ロンディネッラ
格付:DOCGアマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ

「ベスト あっ!ビナメント (abbinamento)」発表!

美味しいワインと料理を満喫し、いよいよ会はクライマックスへ。「イサオ」と「クミコ」、そしてゲストの皆さまが語る「本日のベスト あっ!ビナメント」を発表した!

「アマローネと豚フィレ肉のロティです! ワインはアマローネが最も印象に残りました。お料理ととてもよく合いました」

「しっかりした味わいのワインが好きなので、アマローネがとてもよかったです。最初のアルタ・ランガ(スパークリングワイン)も美味しかったですね。酸が強いワインが苦手なのですが、これはまろやかで、キュッと口中が締まる感じがないのが好きです」

「ワインはアマローネに大満足しました! ベストアッビナメントは、サーモンマリネが特に美味しく、ソアーヴェとの相性がとてもよかったです」

「アマローネと豚フィレ肉のロティがベスト! また、熟成感のあるアルタ・ランガとキッシュの組み合わせも絶妙でした」

「ヴァルポリチェッラとポルチーニの一皿が印象的でした。カボチャと赤ワインが合うというのが新しい発見でした!」

「サーモンとソアーヴェがベスト! やさしい白ワインと、サーモンマリネのバランスがとても良かったです」

「アミューズのキッシュとアルタ・ランガ、最高でした。最後のアマローネと豚肉のロティ、想像以上にいい組み合わせでした」

「ベストはアマローネとポルチーニ料理です。添えてあるジャガイモのニョッキもワインによく合いました」

「スパークリングワインは最初の一口目で感動! キッシュとよく合いました。アマローネと豚肉料理も好きでした」

「全部、ベストアッビナメントでした!」

宮嶋氏は「特にアマローネがとても美味しかったです。山田さんもおっしゃっていましたが、美味しいワインと食事の時間は“誰と過ごすか”が重要ですよね。でもベストな食事というのは“今日は楽しかったね! ところで何を食べたのだったかな?”となることですよね(笑)」と笑顔で語った。

山田さんは「ポルチーニとヴァルポリチェッラがベストアッビナメントです。バランスが良く、味わいのボリューム、強弱が合っていました。アマローネと豚フィレの組み合わせも良かったですが、お料理がやさしかったぶん、ワインとの強弱の差があったかもしれません。しかし今日のラインナップすべて、とてもいいアッビナメントでした!」

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