チリの名門ワイナリー「コンチャ・イ・トロ」を経営し、躍進させたアガスティン・ヒュネイアス氏が、1989年カリフォルニア州ナパ・ヴァレーに創設した「クインテッサ」。ナパ・ヴァレー北部のラザフォードの放牧地を購入してワイン造りを始めた。ゼネラルマネジャーのロドリゴ・ソト氏と『クインテッサ2020年』 を試飲した。

画像1: 希少なワインとなった「クインテッサ」 2020年ヴィンテージ

クインテッサは西側にナパ川、東側にシルバラード・トレイルに挟まれたエリアに約113ヘクタールの敷地を有する。平地だが敷地内には丘や池などがあったり、土壌もバリエーションに富んだエリアだ。特に近くを流れるナパ川が重要な役割を果たしており、湾から吹く風と堆積土壌のおかげで、ソフトで丸みのあるワインに仕上がる。

「さまざまな土壌や畑の向きなど、この多様性が重要。30年かけて土壌や環境を調査し、またビオディナミ農法を実践するうえで最適な品種を植えています」とソト氏。

2020年は乾燥した冬の後、春は温暖だったため3月下旬の芽吹きが起こった。6月は比較的穏やかな気候で、ブドウの糖度が蓄積されはじめ、8月第3週にはフレーバーが成熟しはじめた。

日本でもニュースになったが、20年は9月下旬に大規模な山火事があった年だ。9月3日から始まった収穫は火事が起こる27日の前まで行われ、収穫できた分だけワインにすることができた。例年なら10月後半まで収穫が続くので生産量は約60~70パーセントほど減少したという。「20年はどのようなワインになるかわからなかったため醸造も慎重に行った」(ソト氏)

温暖な年だったので、比較的柔らかな印象。カシス、ブラックチェリーの黒系果実にクローヴのスパーシーさとわずかにハーブ香も。テロワールから来る骨格を持ったタンニンと印象的なミネラルが洗練した味わいを演出している。

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