ワイン産地・山梨県北杜市で、山梨の料理とワインを堪能できる「星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳」。今年4月、メインダイニングの「OTTO SETTE(オットセッテ)」がリニューアルオープンした。より極上なワイン体験が楽しめるよう進化したOTTO SETTEの秘密に加え、お勧めのステイプランなども紹介する。

新宿駅から特急電車で2時間弱かけて、山梨県の小淵沢駅へ。駅から車で5分ほど、南アルプス連峰、八ヶ岳、富士山をはじめ雄大な自然を眺めながら坂を上ると「星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳」に到着する。
リゾナーレ八ヶ岳は、国内外7カ所に展開するリゾートホテルブランド「リゾナーレ」の第1号だ。季節ごとのイベントや子どもから大人まで楽しめるアクティビティーが充実する一方、日本で初めてワイン特区に認定された山梨県北杜市というロケーションを生かし、ワインを飲むだけでなく知って楽しめる「ワインリゾート」としての一面も併せ持つ。

ワインと野菜により特化すべく「OTTO SETTE」全面リニューアル!

ワインラヴァーにぜひ足を運んでほしいのが、宿泊者限定で利用できるメインダイニング「OTTO SETTE(オットセッテ)」だ。2007年のオープン当初から地元生産者との繋がりを大切にしてきたOTTO SETTEが、地域らしさ、生産者の思いをより伝えるため、4月30日に全面リニューアルオープンした。
新コンセプトは「Vino e Verdura(ヴィノ エ ヴェルデュ―ラ)」。イタリア語で「ワインと野菜」を意味し、今後さらにワインと野菜にこだわり抜くという思いが込められている。

リニューアルに当たり、料理長の鎌田匡人氏は「八ヶ岳野菜のポテンシャルをしっかり表現し、それを遠方から訪れた方だけでなく、地元の方にも広めていきたい」と思いを語った。今後は、地元農家と協力しながら国内生産量の少ないイタリア野菜も育て、八ヶ岳ならではのイタリア料理をより幅広く展開していく予定だという。

画像: 料理長の鎌田匡人氏。1981年長野県生まれ。山梨県内のホテルで修業を重ね、2012年に星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳へ。21年7月より現職

料理長の鎌田匡人氏。1981年長野県生まれ。山梨県内のホテルで修業を重ね、2012年に星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳へ。21年7月より現職

料理は前菜からデザートまで、すべての皿に野菜を使ったコース料理へと生まれ変わった。

「畑の前菜」は、オープン当初から作られ続けてきたOTTO SETTEのシグネチャーだ。野菜や花で彩られた八ヶ岳の畑をイメージし、30種類の野菜を使用するこの一皿は、新コンセプト「ヴィノ エ ヴェルデューラ」を最も端的に表現している。野菜一つ一つの個性が際立っており、濃厚な味がする野菜のパワフルな生命力に驚かされる。

画像: 「畑の前菜」に合わせたのは、イタリア・カンパーニア州の「クイントデーチモ」が造る『ジャッロ・ダルレス グレコ・ディ・トゥーフォ 2022年』。アプリコットの熟した果実味や塩っぽいミネラル感が野菜とよく合う

「畑の前菜」に合わせたのは、イタリア・カンパーニア州の「クイントデーチモ」が造る『ジャッロ・ダルレス グレコ・ディ・トゥーフォ 2022年』。アプリコットの熟した果実味や塩っぽいミネラル感が野菜とよく合う

ブドウ畑をイメージした「野菜のアソルティメント」はコルクやミュズレを使った器に盛りつけられ、その可愛らしい姿に心が躍る。

「野菜のアソルティメント」。右から「発酵大豆と猪肉のウチェレット」「セロリと鶏レバームースのブルスケッタ」「パッパ・コル・ポモドーロ」「そら豆のクロケット」。アソルティメントを構成するさまざまな要素に寄り添うように『グレイス・ロゼ 2023年』(中央葡萄酒)を合わせた

「山菜とイワナのガルムージャ」には、「ドメーヌ ミエ・イケノ」の『ミエイケノ 月香シャルドネ 2022年』をペアリング。発売と同時に売り切れてしまう幻のような造り手だが、ここリゾナーレ八ヶ岳では、06年からドメーヌ ミエ・イケノと提携を結んでいる。ここを訪れればドメーヌ ミエ・イケノのワインが必ずいただけるのは見逃せないポイントだ。ダイニングのワインセラーで、「キスヴィン・ワイナリー」や「ボー・ペイサージュ」ほか地元のワインとともに大切に保管されている。

画像: 「カマチ陶舗」の作る有田焼にのせられた「山菜とイワナのガルムージャ」。リニューアルに合わせて皿も一新した。『ミエイケノ 月香シャルドネ 2022年』は、洋ナシやアカシアのハチミツなどの豊かなアロマ、口に含むと凝縮した果実味が口いっぱいに広がる。ぴんと張った酸が感じられるため、ボリューム感がありながらも上品な印象を保ち続ける

「カマチ陶舗」の作る有田焼にのせられた「山菜とイワナのガルムージャ」。リニューアルに合わせて皿も一新した。『ミエイケノ 月香シャルドネ 2022年』は、洋ナシやアカシアのハチミツなどの豊かなアロマ、口に含むと凝縮した果実味が口いっぱいに広がる。ぴんと張った酸が感じられるため、ボリューム感がありながらも上品な印象を保ち続ける

ワインセラーには山梨、イタリアから約500種類、2000本のワインが並ぶ

画像: OTTO SETTEでは、ノンアルコールペアリングも用意しているので、ワインを飲めない人や控えている人とも気軽に訪れることができる。左から『プロローグ プレミアムぶどうジュース メルロ』と『同 ソーヴィニヨン・ブラン』(ともに「小牧ヴィンヤード」)

OTTO SETTEでは、ノンアルコールペアリングも用意しているので、ワインを飲めない人や控えている人とも気軽に訪れることができる。左から『プロローグ プレミアムぶどうジュース メルロ』と『同 ソーヴィニヨン・ブラン』(ともに「小牧ヴィンヤード」)

画像: OTTO SETTEソムリエの長久保正邦氏。温かなサービスでゲストを迎え入れる

OTTO SETTEソムリエの長久保正邦氏。温かなサービスでゲストを迎え入れる

地下カーヴをイメージした心地いい空間

また、今回のリニューアルにあたりOTTO SETTEの空間も一新された。デザインを担当した「KDa クライン ダイサム アーキテクツ」代表のアストリッド・クラインさんは「非日常が体験できるリゾートで、素敵な料理に合わせた美味しいワインを特別な空間で楽しんでほしい。そこで、昔の地下カーヴをイメージしてデザインしました」と設計の意図を語った。隣の客席とは程よい距離が保たれ、天井がやや低めに設計されているおかげで、どの席に座ってもプライベートで居心地のいい時間を過ごすことができる。

この特別な空間で大切な人とグラスを交わせば、忘れられないひと時となるはずだ。

画像: ワインの樽をイメージして木材をメインに使用。プライベートルームを含み、全83席が用意されている

ワインの樽をイメージして木材をメインに使用。プライベートルームを含み、全83席が用意されている

屋外を思わせるスペースも。グレーのカーペットを使用して砂利を表現した。木漏れ日をイメージしたオリジナルカーテンは、本物の葉をフロッタージュ(*)して作成したもので、外から日が差すと壁や床に葉の影が浮かび上がる
*凹凸のあるものの上に紙を置き、鉛筆などの描画材でこするように描くことで、対象の凹凸や形状を写し取る技法

【COLUMN】八ヶ岳の自然をピュアに表現する「ドメーヌ ミエ・イケノ」

4月、星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳と提携を結んでいる「ドメーヌ ミエ・イケノ」を訪れた。こちらはフランスでワイン造りを学んだ池野美映さんが2007年に開業したワイナリー。計3.6ヘクタールの自社畑でシャルドネ、ピノ・ノワール、メルロを育てている。
「この地は日照条件に恵まれていて、畑に満遍なく光が当たります。それに、開放的な自然の中でリラックスしてワインを造れる。そんな魅力にひかれたのもあって、八ヶ岳にワイナリーを構えました」と池野さん。

画像: 『ミエイケノ 月香シャルドネ』用のブドウ樹およそ600本が植えられている区画。ここは西日も当たるので、ほかの区画より早めにブドウが熟すそうだ

『ミエイケノ 月香シャルドネ』用のブドウ樹およそ600本が植えられている区画。ここは西日も当たるので、ほかの区画より早めにブドウが熟すそうだ

「芽吹きの時期が一番可愛らしい。まるでバレリーナが躍っているかのよう」と池野さん。愛おしそうにブドウを見つめて語る。24年は、暖かい冬の後、3月に6回も雪が降ったが、芽吹きのタイミングは平年並みだったという

目指すのは、八ヶ岳の自然を純粋に映したワインだ。
「年によって味わいが異なるのがワインの良さですから、ヴィンテージの違いを表現したいと思っています。グレートヴィンテージと言われるような年はもちろん、梅雨の長い年、台風の多い年も、すべて含めて“自然”です。それを純粋にワインにして、ボトリングする。ブドウのポテンシャルをそのまま生かすには、想像力が必要です」
先の読めないワイン造りにおいて、それでもこの先何が起こるかを常に想像し、思いつく対策は必ず行う。キャノピーマネジメント、遅霜対策としての焚火。一切手を抜くことなく、とにかく丁寧にブドウを育てあげる。その結果が、八ヶ岳の凛とした雰囲気を湛えたドメーヌ ミエ・イケノのワインなのだろう。

醸造家の池野美映さん

開業から17年。ブドウの樹齢も上がり、最近のヴィンテージは味わいに落ち着きがでてきたという。『ミエイケノ 月香シャルドネ』はもちろん、海外からの評価も上がってきているというから、今後の発展がますます楽しみだ。

ワインの世界に浸れる客室「ワインスイートメゾネット」

また、ワインラヴァーに一押しの部屋が「ワインスイートメゾネット」だ。ボルドーカラーを基調としたメゾネットタイプのスイートルームで、ゆったりとしたローソファでくつろぎながら、ワインを飲んだり、ワインにまつわる本を読んだりと、思い思いに過ごすことができる。全172室ある客室で限定3室の特別な客室だ。

画像: 定員5名。朝食付きのスタンダードプランで1泊3万2000円~(2名1室利用時1名あたり、税サ込)

定員5名。朝食付きのスタンダードプランで1泊3万2000円~(2名1室利用時1名あたり、税サ込)

2階のリビングルームにはワインセラーが常設されており、こちらの客室限定で飲めるドメーヌ ミエ・イケノのハーフボトルのワインのほか、ソムリエがセレクトしたワインがそろう(別途料金)。ホテル棟1階の「八ヶ岳ワインハウス」で販売されているワインを持ち込むことも可能。OTTO SETTEで料理とワインを堪能した後、皆で気兼ねなくもう1杯、なんて使い方もいいだろう。

画像: 部屋に置かれたグラスやソムリエナイフを使って自分たちだけで楽しむことができる

部屋に置かれたグラスやソムリエナイフを使って自分たちだけで楽しむことができる

画像: ドメーヌ ミエ・イケノのワインをハーフボトルでいただけるのはここだけ!

ドメーヌ ミエ・イケノのワインをハーフボトルでいただけるのはここだけ!

また、八ヶ岳ワインハウスには、常時24種類の山梨ワインと長野ワインが有料で試飲できるサーバーが設置されている。気に入ったワインがあればショップでそのまま購入できるので、お土産探しのお伴にもぴったりだ。

画像: スティルワインの赤、白、ロゼが並ぶ。1杯あたり25㎖、50㎖、150㎖から量を選択できる

スティルワインの赤、白、ロゼが並ぶ。1杯あたり25㎖、50㎖、150㎖から量を選択できる

画像: この日に試飲メニューにあった『ミエイケノ プリヴェ』は日本固有のヤマブドウ系品種、やまとなでしこを使用した、リゾナーレ八ヶ岳限定のアイテムだ。時期によっては『ミエイケノ 月香シャルドネ』が試飲できることも。サーバーは宿泊しなくても利用できるので、リゾナーレ八ヶ岳を訪れた際はぜひ立ち寄ってほしい

この日に試飲メニューにあった『ミエイケノ プリヴェ』は日本固有のヤマブドウ系品種、やまとなでしこを使用した、リゾナーレ八ヶ岳限定のアイテムだ。時期によっては『ミエイケノ 月香シャルドネ』が試飲できることも。サーバーは宿泊しなくても利用できるので、リゾナーレ八ヶ岳を訪れた際はぜひ立ち寄ってほしい

OTTO SETTEのリニューアルにより、ますますワインリゾートとしての魅力が増したリゾナーレ八ヶ岳。今後は、雨を楽しむイベント「八ヶ岳ふれふれスカイ2024」(6月1日~7月7日)や、地元の生産者が集う「八ヶ岳マルシェ2024」(7月13日~8月25日)などのイベントも予定している。ワインとともに、八ヶ岳の夏を楽しみに出掛けたい。

施設概要

星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳

画像: 星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳

山梨県北杜市小淵沢町129-1
TEL. 050-3134-8093(リゾナーレ予約センター)
料金:1泊2万4000円~(2名1室利用時1名あたり、税サ込、朝食付)
URL:https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/risonareyatsugatake/

OTTO SETTE

画像: OTTO SETTE

2007年に、この地域ならではの食材との出合い、素材本来の持ち味を生かしたイタリア料理を提供したいとの思いでオープン。イタリア語で「8」を意味する「OTTO」で八ヶ岳を、「7」を意味する「SETTE」で食材を提供する7人の生産者(オープン当時)を表現。

料金:1名1万5730円 *ペアリングコースは別途9500円(いずれも税サ込)
営業時間:17:30-20:15LO
対象:宿泊者
予約:0551-36-5200(9:00-18:00)
URL:https://hoshinoresorts.com/jp/sp/ottosette/

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