「カーゼ・バッセ」はジャンフランコ・ソルデラ氏と妻のグラツィエッラさんがトスカーナのモンタルチーノに創業したワイナリー。ヴェネトに生まれたジャンフランコ氏がトスカーナに移り、土地を購入し始めたのが1972年。「自分が造りたいワインを造れる場所」を探してこの地に畑を開墾した。

「父はピエモンテのバローロやアマローネ、タウラジなどが好きだった。これらに通じるようなワインを造りたいと、土地選びから栽培、醸造まで“自然との共生”を軸にワインに情熱を傾けてきたのです」と来日した息子のマウロ氏は言う。「2世代目の私たちも全く同じ考えです」

所有する24ヘクタールのうち、ブドウ畑は10ヘクタールほど。サンジョヴェーゼだけを植えている。ブドウ畑のほかは森林やボタニカルガーデンなどが広がり、動植物の多様性と生態系を保存している。除草剤などの化学薬品は一切使用しない。
「これによりワインがよりリッチ(さまざまな要素が重なった複雑なワイン)になり、難しいヴィンテージへの対応もできるのです」とマウロ氏は穏やかに語る。

画像: イタリア・トスカーナ、サンジョヴェーゼの巨匠が醸すワインとは

収穫量はヴィンテージごとに変化する。より良いブドウを得るために、まずは冬季の仕立てで収穫量のコントロールを図る。収穫も厳しく行い、発酵は天然酵母のみ、温度コントロールは基本的には行わない。熟成は4年以上行い、スラヴォニアンオークで寝かせる。
手と時間をかけて生まれるワインは1万5000本あまり。年によって大きく変わることもある。

画像: 左から『ソルデラ』2013年、2016年、2018年

左から『ソルデラ』2013年、2016年、2018年

2019年に逝去した「ジャンフランコ氏の最後のヴィンテージ『ソルデラ 2018年』。気温が低く、降雨量も少なかった年だ。熟成は44カ月、瓶内熟成は6カ月以上行われた。
グラスからは可憐な花の香りがふわりと浮かぶ。みずみずしくたっぷりとしたテクスチャー。酸や果実が完全に溶け込み、得も言われぬトロリとした飲み心地。時間がたつとわずかな苦味と塩の粒のような変化が加わる。

『ソルデラ 2016年』は2018年とは対照的に、降雨量が平均よりやや多く、ブドウが順調に成熟したヴィンテージ。45カ月の樽熟成と6カ月以上の瓶熟成を行った。フレッシュ感が発揮され、引き締まった酸が若々しさを感じさせ、透明感のある赤い果実味に目が覚める。

『ソルデラ 2013年』は天候としては平均的な気温で、降雨量は平均よりやや多めだった年。48カ月樽熟成、6カ月以上瓶熟成させた。ワインは茶色に近いオレンジ色まで熟成が進み、コーヒーやキャラメルのような煮詰めたニュアンスがあるが、味わいは極フレッシュ。ほんのりと甘さを思わせ、同時にシャープな酸味、タンニンが現れる。一口飲むごとに変化する、いつまでも飲んでいたくなるワインだ。

すべては「自然の力」とマウロ氏は繰り返し話す。フォロー・ザ・ネイチャー。自然に逆らわず、人間は自然を敬いワインが生まれる手助けをする。ソルデラ家が貫く意思と強い心が生む、唯一無二のサンジョベーゼ・ワインがあることを知るのは、ワイン愛好家にとってこのうえない喜びとなるだろう。

画像: マウロ・ソルデラ氏と、妻でブランドコンサルタントのヴァレリア・ファリーナさん。マウロ氏は今回が初来日。「日本の料理や文化にとても感激しています」と笑顔で語った

マウロ・ソルデラ氏と、妻でブランドコンサルタントのヴァレリア・ファリーナさん。マウロ氏は今回が初来日。「日本の料理や文化にとても感激しています」と笑顔で語った

ワインの問い合わせ先:エノテカ㈱ (フリーダイヤル)0120-81-3634

This article is a sponsored article by
''.