ワインと芸術の融合である「ヴェンデミア・ダルティスタ」は今年で18回目を迎え、世界の現代美術界を牽引する巨匠、マリーナ・アブラモヴィッチを迎え、オルネッライア2023年ヴィンテージのテーマ、「ラ・ヴィタリタ (生命力)」をモチーフに、アート作品を制作。サルマナザールを含む限定ビッグフォーマットボトルは、ボナムス主催のオンラインオークションに出品される。

制作に当たり、オルネッライアのテロワールが持つ生命力を映し出す2023年ヴィンテージを起点に、アブラモヴィッチは、「自己」というテーマを追求する。それは、自らの内なる意思と存在を見つめ直し、自身のイメージを主体的に築き上げていくことだと解釈した。これまで、アブラモヴィッチの作品は、自らの身体を表現の中心に据えてきた。今回のオルネッライアとのコラボレーションでは、あえて、「変容」のプロセスの中にある自身の姿を描写することで、芸術と生命の境界線を、絶えず再定義した。

プロジェクトの核となるのが、ギリシャ神話のメドゥーサの姿をしたセルフポートレートだ。この神話的存在を、現代的な視点から再解釈している。本来は髪の毛一本一本が毒蛇だが、恐ろしい毒蛇をブドウの房に置き換え、凄みを「豊穣」へ、恐怖を「生命のエネルギー」へと昇華させた。ヴェンデミア・ダルティスタのための本作品は、芸術を通じて自らを「再生」させ、力強さと活力を再発見する人間の能力を深く表現している。
アブラモヴィッチは次のように語った。
「この作品の制作に着手したとき、まず原点である生の素材、即ち、『ブドウ』を描くことから始めました。顔の周りをブドウの房で埋め尽くした瞬間、ブドウの葉の鮮やかな緑と、果実の深い黒が、命を持って『振動』し始めたのです。精神から開花したエネルギーの花びらのような、生命力そのものでした」
750mlのレギュラーボトル用のラベルには、メドゥーサの姿をしたアブラモヴィッチをシンプルなドローイングで描き、100本限定の3リットルボトル(ダブル・マグナム)のラベルには、顔を完全にブドウの房で埋め尽くした生々しい姿を克明に映した。
ドローイングから、写真へ。生産本数が10本のアンペリアル(6リットル)では、アブラモヴィッチは真のメドゥーサの装いで表れる。首の周りで髪の毛を三つ編みにし、顔を覆うブドウの房は生命力と躍動感にあふれ、飛び出しそうなエネルギーがある。連続した一連のイメージの中で、アブラモヴィッチの顔は徐々にブドウで覆われ、最終フレームでは、片方の目だけになる。この眼差しは見る者に強烈な印象を与え、セルフポートレートは、全てのディテールがエネルギーで脈動し、2023年ヴィンテージのテーマである「ヴィタリタ(生命力)」を祝福する「濃密な視覚体験」へとつながる。

作品群の象徴であり1本の限定制作のサルマナザール(9リットルボトル)では、人間の「五感」と自然の「要素」を融合させた。ボトルの上部には、アブラモヴィッチの代表作、『エナジー・ハット』から着想を得た円錐形の赤いキャンドルを配し、実際に火を灯すことができる。ラベルには、「目を閉じて、ゆっくりとワインを飲み、音楽に耳を傾けて」と刻んである。このボトルの横には、映画、『甘い生活』のサウンドトラックを手掛けた作曲家、ニーノ・ロータの45回転シングル・レコードが添えてあり、音楽を通じて空間そのものを変容させている。全ての要素が、芸術と生命が交錯する一つの「パフォーマンス」へ融合している。
オルネッライアの最高責任者、ランベルト・フレスコバルディ氏は次のように語った。
「畑で、ブドウの生育サイクルの全てのステージは、まさに『変容』のプロセスそのもの。そこには、忍耐が不可欠であり、同時に、機を逃さないことも重要です。マリーナ・アブラモヴィッチ氏は、大自然のエネルギーを見事に捉えて作品にしました。我々の日々の営みを見つめ、我々全員をアブラモヴィッチ氏の世界へ巻き込むことで、私たちの情熱とワインを一つの『芸術』へ昇華させたのです。ワインと芸術のコラボレーションを心から誇りに思うとともに、2023年ヴィンテージの様々な大きさのボトルのためにデザインした特別なラベルを通じて、世界中の全てのオルネッライア愛好家の皆様とこの感動を分かち合えることを、この上なく嬉しく思います」
アブラモヴィッチがデザインしたアンペリアル(6リットル)やサルマナザール(9リットル)を含む特別ボトルは、わずか14ロットで、世界で最も歴史あるプライベート・オークション・ハウスである「ボナムズ」が競売を主催。オンライン・オークションは、2026年6月11日から23日まで、専用サイトにて開催される。
https://www.bonhams.com/auction/31784/ornellaia-la-vitalita-vendemmia-dartista-2023/
オークションの収益金は全て、8年前から強いパートナーシップを続けているソロモン・R・グッゲンハイム財団に、寄贈する。寄付金は、2026年6月から2027年1月まで、ニューヨークのグッゲンハイム美術館で開催する展覧会、『グッゲンハイム・ポップ:1960年代から現在まで』の支援に充て、同展覧会に出品する作品の保存・修復のために活用します。ランベルト・フレスコバルディは、次のように締めくくった。
「未来に向けて、可能な限り長く、あらゆる人々が芸術作品に触れる環境を整えることに役立てられます」
2023年ヴィンテージ情報
オルネッライアの醸造責任者であるマルコ・バルシメッリ氏は、2023ヴィンテージを次のように説明した。
「冬は穏やかだったため、ブドウは例年より早く育ちました。栽培チームは、常に細心の注意で生育状況を監視し、手を入れました。春には降雨に恵まれ、水不足になる夏を前に畑の土中に水をキープすることができた一方、ブドウが過度に成長しないようコントロールし、病害を防ぐため、栽培チームは畑の管理をさらに徹底しました」
その後、ボルゲリの夏は例年通り、暑い夏になったが、極端な猛暑に見舞われることはなかった。バルシメッリ氏は、次のように述べている。
「春の雨のおかげで、畑は水不足のストレスにさらされることはなく、ブドウの熟度がゆっくりと上がり、凝縮感の高いブドウになりました。8月下旬に雨が降り、9月には涼しい夜となったため、豊かで複雑なアロマと、美しい酸味が保持されました。これにより、表現力の豊さと、エレガントさのバランスが完璧なワインに仕上がりました。これは、オルネッライアの個性そのものです」
ヴェンデミア・ダルティスタ
ワインと芸術の融合であるヴェンデミア・ダルティスタは、2006年ヴィンテージから始まった。毎年、国際的に著名な現代芸術家を選び、そのヴィンテージの特徴を表す一語をモチーフに、芸術作品と限定ラベルを制作する。毎回、芸術家がビッグフォーマット(ダブルマグナム、アンペリアル、サルマナザール)のスタイリングをし、チャリティー・オークションで販売。これまで、収益金を美術館での芸術支援活動に寄付してきた。今回で18回となるヴェンデミア・ダルティスタは、国際的に有名な芸術イベントとの認識を受け、ワイン、芸術、美術家を結ぶ稀少な活動となっている。
ソロモン・R・グッゲンハイム財団
1937年設立の同財団は、展覧会、教育プログラム、研究プロジェクト、出版活動を通じ、近代美術や現代アートへの理解と評価に尽力している。同財団が国際的に展開する美術館ネットワークは、ニューヨークのグッゲンハイム美術館、ペギー・グッゲンハイム・コレクション、ビルバオ・グッゲンハイム美術館、将来開館予定のグッゲンハイム・アブダビを繋いでいる。ニューヨークのグッゲンハイム美術館は、フランク・ロイド・ライトが設計し、芸術と前衛的な建築物が融合したもので、「精神の神殿」と呼ばれている。米国内に、ユネスコ世界遺産に登録された8つの建築物があり、この美術館はその一つだ。
ニューヨークのグッゲンハイム美術館、および、世界での同財団の活動の詳細はこちらから。
ボナムズ社
国際的なオークションハウスのネットワーク。あらゆる価格帯で幅広い収集カテゴリを扱い、世界最多の競売場を展開している。グローバルなプラットフォームを背景に、きめの細かい顧客対応サービスと、地域の市場との深い信頼関係構築に全力を注ぐ姿勢で高く評価されている。世界に14の競売場を構え、美術品、コレクターズ・アイテム、宝石や貴金属、ワイン、クラシック・カーなど、60以上の専門カテゴリにわたり、年間1,000回以上のオークションを開催している。
1793年設立の同社は、世界30カ国以上に代表部を置き、ロンドン、ニューヨーク、パリ、ロサンゼルス、香港でフラッグシップ・セールルームを運営している。2022年には、ストックホルムの「ブコウスキーズ」、コペンハーゲンの「ブルン・ラスムセン」、パリとブリュッセルの「コルネット・ドゥ・サン・シール」、マサチューセッツの「スキナー」の4つの国際的なオークションハウスをネットワークに統合した。同社は、大陸をまたぐ購買層を開拓し、入札や取引をオンラインに拡張したことで、グローバル化戦略が大成功を収めた。
https://www.bonhams.com/ornellaia2023



